1993 トウカイテイオーとレガシーワールド

文字数 1,349文字


入社三年目。

絵コンテ屋で頭を打った私は
「編集でやっていこう」と腹をくくり、
会社も後輩たちが増えて明るいムードになりました。

そしてその頃社内では競馬ブームが起きていました。

休憩時間にはみんなで競馬新聞を見てG1予想。
早く帰れる日はトウィンクルレースに繰り出したりしていました。

この頃はビワハヤヒデ、ミホノブルボン、ライスシャワーなど、
名馬がこぞって活躍していましたが、
私が印象に残っているのはトウカイテイオーとレガシーワールド。

トウカイテイオーのお父さんは中央競馬三冠の偉業を成し遂げた
シンボリルドルフ。

ルドルフの初年度産駒だったテイオーは注目されていましたが、
その血を受け継いだだけあってデビュー当初は成績も良く、
人気の馬でした。

人気者にはあまり興味がない天邪鬼な私は、
見向きもしなかったテイオーですが、そんなに強いならと、
どのレースかは忘れたけど一度馬券を買いました。

しかしそのレースでテイオーは惨敗、見事裏切られ、
「やっぱお前なんか嫌いだ!!」と思いました。

そしてテイオーはその後、
故障のため一年ほど表舞台から姿を見せなくなります。

その間わりと好きだった
レガシーワールドがジャパンカップで勝ち、
レガシーワールドびいきに。

そして同じ年の有馬記念、トウカイテイオー一年ぶりの
復活のレースとなりましたが、人気は4番目。

「あれはもう無理だ」

という目でみんな見ていました。

しかし私はなぜかこの時、
テイオーにもう一度賭けてみることに。

そしてレースが始まると、一年ぶりのテイオーが見事一着となり、
世の中は「テイオーの復活」を讃えました。

一年も休んで強豪ぞろいの有馬記念で勝つのは快挙。

私もこの時のトウカイテイオーの復活劇には感動してしまい、
すっかりファンになりました。
(この時確か1000円買って2、3万くらいゲットしました!)

でもテイオーはこの有馬記念で引退。

勇姿は見納めとなりました。

その頃私は毎年夏休みに北海道に行っていたのですが、
引退後のトウカイテイオーとレガシーワールドに会いに行きました。

テイオーは種牡馬としてがっちりガードされていたので、
遠巻きにしか見れませんでしたが、
騸馬(去勢された馬)のレガシーワールドは
種牡馬になる事はないので、
生まれ育った牧場でのんびり余生を過ごしていました。

会社の後輩とその牧場に行きましたが、
G1という大舞台で活躍したレジェンドホースなのに、
普通のお宅で管理されていて(放牧場は広大でしたが)、
そこの家の方に「にんじんあげてやってー」と
にんじんの入ったバケツを渡され、
手でレガシーワールドににんじんをあげました。

G1ホースにこんなに触れ合えるなんて、
そこの牧場は遠くて道も迷いながらで辿り着くのが大変でしたが、
来た甲斐があったと思いました。

トウカイテイオーは何年か前に寿命を迎えて
天国に旅立ったとニュースがありました。

レガシーももう天国に行ったかなとその頃思っていましたが、
この記事を書くにあたりレガシーを検索した所、
今年の8月18日まで生きていたそうです。

つい最近亡くなったんだね。

32歳の大往生だったそうです。

その後、競馬はやらなくなりましたが、
この時代の馬からはロマンや思い出をたくさん貰いました。

今頃二頭とも天国で元気に走ってるかな?
(あぁ、泣きそう・・)

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