一章 6

文字数 745文字

 徳田はエアコンの効いた部屋で、コレクションを見ながらニヤニヤしている。徳田にとっては至福の時だ。若い女がすすんで服を脱いでいく。
 色々な感情が入り交じった表情を見るのがたまらなかった。五○代のおっさんが通常味わうことのできない快感。
 かつて徳田はキャバクラに入り浸っていた。妻と離婚して女が恋しくなったからだ。徳田は自分のように醜い見た目の男は、金がなければ女を口説けないと思っていた。
 なぜヘルスやソープではなくキャバクラなのかというと、風俗嬢が嫌いだからだ。不特定多数の男どもに抱かれている女は汚れていると徳田は思っている。だから徳田は汚れていないキャバ嬢に金を貢ぎ続けた。
 結果、借金を背負うようになった。金がなくなった徳田に、キャバ嬢は冷たくこう言った。
「金がなければあんたに用はないから。キモいから近づかないで」
 徳田の中で何かが崩れた。徳田はすべての女に復讐すると心に誓った。――手始めにいつも自分を馬鹿にしている学生達に復讐してやる。
 かつて離婚の理由の一つにもなった病的な趣味を徳田は復活させてしまった。
 徳田は就職が決まっていながら単位が足りていない学生を呼び出した。
「私の言うことを聞けば卒業できますよ」
 徳田は学生にゆっくりと服を脱がさせ、手首を縛った後で、自分のものを口に押し込んだ。そして濡れてもいない状態のあそこに、無理矢理それをねじ込んだ。
 そして痛がる顔を見て優越感に浸った。さらにその様子を撮影することで学生の弱みを握り、繰り返し奉仕させることに成功した。撮影された写真やビデオのコレクションは三年で二○人を越えた。
 徳田は薄い頭とぽってりしたお腹を掻きながら、机に並べた写真を見て、下卑た笑いを浮かべていた。
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