十六 加盟申請 批准調印

文字数 1,114文字

 二〇二五年、帝都、十二月二十二日、月曜、十三時。
       モスクワ、十二月二十二日、月曜、八時。
       ローマ、十二月二十二日、月曜、五時。
       ワシントンD.C.、二十一日、火曜、二十三時。

 省吾の自宅仕事場のテレビの自動スイッチが入リ、緊急ニュースを告げた。

《モスクワ時間八時すぎ、ロシア共和国モスクワ、クレムリンからの緊急ニュースです。
 十二月十二日の、朝鮮のミサイル発射にともなう国際情勢を判断し、ロシア大統領アンドレ・ロマノフの要請により、ロシア共和国議会は正式に
「ロシア共和国は民主化のため、国家統合会議に加盟する。EUと東南アジア・オセアニア国家連邦に加盟する」
 と発表しました。
 ロシア共和国の加盟申請を受け、EU理事会と東南アジア・オセアニア国家連邦議会は、迅速に対処する旨を・・・・》


 二〇二六年、帝都、一月三日、土曜、十三時。
       モスクワ、一月三日、土曜、八時。
       ローマ、一月三日、土曜、五時。
       ワシントンD.C.、一月二日、金曜、二十三時。

 省吾の自宅仕事場のテレビの自動スイッチが入リ、緊急ニュースを告げた。
《ロシア共和国モスクワ、クレムリンの特別室で、ロシア共和国のEU加盟条約と、東南アジア・オセアニア国家連邦加盟条約、国家統合会議加盟条約が批准調印されました。
 同時に、三つの加盟条約が批准調印されるという、過去に例のない調印のため、ロシア共和国はクレムリン特設会場にEU、東南アジア・オセアニア国家連邦、国家統合会議の各首脳を招いて批准調印を行いました。

 昨年十二月二十二日のロシア共和国の加盟申請を受け、EU理事会とEU議会、東南アジア・オセアニア国家連邦議会対策評議会と東南アジア・オセアニア国家連邦議会、国家統合会議は、迅速に対応しました。

 EU理事会と東南アジア・オセアニア国家連邦議会対策評議会は、ロシア共和国に対し、
「民主的な統治や人権を尊重し、市場経済が機能する体制を有し、コペンハーゲン基準と、東南アジア・オセアニア国家連邦規約を満たしている」
 と判断し、EU議会の同意と、東南アジア・オセアニア国家連邦議会の同意を得ました。

 これにより、ロシア共和国の西側がEUに、東側が東南アジア・オセアニア国家連邦に加盟する条約が、ロシア共和国とEU加盟国、ロシア共和国と東南アジア・オセアニア国家連邦加盟国との間で、批准調印されました。
 EUに旧ロシアが、シベリア等のロシア共和国東部が東南アジア・オセアニア国家連邦に加盟しました》

 東南アジア・オセアニア国家連邦とEUが、国家連邦統合へ動きだした・・・。
 省吾はそう判断していた。
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