(二)-2

文字数 345文字

 火葬場から兄のお骨を持って実家に戻ってきたときに「今後どうするか」と母にそれとなく尋ねてみたところ、「村営バスがあるから生活はなんとかなる」という回答だった。
 確かにそうかもしれないが、バス停までは結構あるし、坂もある。その上バスの本数は少ない。
 それに母に急に倒れたりされると困る。そこで、俺は老人ホームやデイサービスの利用を提案したが、母には抵抗があるらしく、拒否されてしまった。
 俺は父が亡くなったときの遺産相続について、ある程度の現金をもらった。うちの資産はほとんどが実家の建物と農地だ。敢えて言うならコンバインや草刈り機などの耕作機械関係とか、防虫・防鳥ネットとか、そういうのばかりだった。そんなものをもらってもどうしようもなかったので、現金をいくらかもらったのだった。

(続く)
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