1 ❀ リーダー決定

エピソード文字数 1,289文字

作戦会議の日から、萌栄と発は、忍術の猛特訓をはじめた。


まずは忍びの武器になれなくてはならない。


忍塾の授業が始まる前、人気(ひとけ)のない竹藪で、手裏剣の自主練をする。

複数の的を枝につり下げ、走りながら打つ。

次はココ、ねらってみて
鋼が、赤い星「」のシールを貼った。
始め!
発がタタッと走り出し、シールのはられたポイントへ十字手裏剣を打つ。
いいぞ、発。コントロール抜群、命中率上がったぞ。次、萌栄ちゃん!
はい!!

特訓はつづいた。


時折風が吹き、的がパタッとうら返しになったり、


手裏剣が林の奥に飛んでいって探しに行くこともあった。


よーし、今日はここまで!


そろそろ忍塾の授業の時間や

手裏剣、だいぶ上達したかな!?

うん! この数日で、すごい上達ぶりや!


萌栄ちゃんも、発もすごいなぁ!

ありがとう、もっとがんばるね!

おおっ!やってますな、どう?調子は?

わっ、殿下!? いつの間に!

もう!びっくりするじゃない!いつも突然現われるんだから

ずばり、冷やかし参上!
こいつは どもならん
ところで、大将はだれになったと? 副将、三将は?
まだ決めとらん
大将は、萌栄やないとね?
ええ、ほかに考えられませんわ
雨音と媛が、殿下の後ろから現われた。

いやいや、何言ってるの?


経験値から、鋼が大将でしょ!

鋼は大将にはなれんよ、萌栄
どうして?

萌栄の家は、昔から危険な忍務の先頭に率先して立った「リーダー」の家系や。


そして萌栄は、村長さんの孫。萌栄を置いて、鋼は大将になれんよ。


鋼も、気にしちょったんやろ? だからまだ決めとらんかった。そうやろ?

………。

鋼にいくら才能や経験があっても、萌栄をおいて大将にはなれん。


そん家に生まれた時から立場が決まっちょる

家だとか、親がどうだとか、そんな理由で?


あっほらしー!!


わたし、そういうのキライよ。親や家なんて関係ない。


誰がリーダーになったっていいじゃない!

ですが、大将は大将の血を持ちます。


生まれながらの「リーダー」は存在します。

そだな。まぁ、よく話し合って決めたらいいさ。


デン、行くぞ。

え~、もうちょっとおしゃべりしたかったとに~!!

殿下は、雨音に首根っこをつかまれ、ズルズル…と引きずられていった。

ねぇ、鋼は…大将をやるの? やらないの?
それは…
鋼と萌栄に、微妙な空気が流れる。

ぼくは、萌栄が大将になったらいいと思う。


鋼が動きやすい位置の方が良いよ。


強さより〝チームワークが重要だって、おじいちゃんも言ってたよ

チームワーク、か。


でも、私につとまるかしら?

萌栄ちゃんは大将の素質を十分持っとる。


萌栄ちゃんが「合戦に参加したい」って言った時から、気付いとった。

落ち込んでいた鋼を「あなたは強い!」と励ましてくれたのは、萌栄だった。


「一緒に籠目になろう!」と言ってくれたのも。

大将になってもらえんやろか、萌栄ちゃん?

分かったわ。


わたしが、大将になる

じゃあ、鋼が副将で、僕は「三将」だね。

萌栄 大将


副将。


三将 に決まった。

よぉーし、殿下たちから籠目の座をうばい取るよ!!
決意を新たに三人は「おー!!」とこぶしをかかげた。
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登場人物紹介

日高萌栄 (ひだか・もえ


中学2年生、13才の少女。

カピバラをこよなく愛する。

重黒木 鋼じゅうくろぎ・はがね


中学2年生、13才の少年。機械いじりが得意。

椎葉 発(しいば はつ)


中学2年生、13才。

萌栄の友達。花火師の孫。

黒木 殿下(くろき でんか)


萌栄のライバル

那須 雨音(なす あまね)


殿下の友達。

黒木 媛(くろき ひめ)


殿下の妹

日高 結芽(ひだか ゆめ)


萌栄のお母さん

日高 地平(ひだか ちへい)


萌栄のお父さん

日高 雲水(ひだか うんすい)


萌栄の祖父

重黒木 功(じゅうくろぎ こう)


鋼のお父さん

重黒木 理玖 (じゅうくろぎ りく)


鋼のお母さん

椎葉 康次(しいば やすじ)


発の祖父。花火師

黒木 智子(くろき ともこ)


殿下、媛のお母さん。

黒木 未夏 (くろき みか)


クラスメイト

中武 陽(なかたけ はる)


クラスメイト

那須 貴也(なす たかや)


クラスメイト

那須 由子(なす ゆうこ)


クラスメイト

お殿様。


西方の里を治める、お殿様。

南朝の忠臣、その子孫。

忠平(ただひら)


お殿様が助けた忍者。

加藤清正に仕えていたが、毒殺の濡れ衣をかけられ、逃げてきた。

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