1991 国民的モンスターアイドル
文字数 527文字
その会社ではバラエティ番組をいくつか手がけていました。
その中のひとつに若い男の子を集めた某アイドル事務所の、
レギュラー番組がありました。
ある日、私は編集室でアシスタントとして付いていると、
どこからか若い男の子がぎゃははは!と騒ぐ声がしてきました。
「うるさいなぁ。なんだ!?」
とイラついていましたが、
事務所にテープを取りに行くタイミングで廊下に出ると、
若い男の子が6人くらい床に座ってふざけていました。
うちの会社は編集室の他に、
ナレーション録りをするブースもあり、
時々ナレーターさんやタレントさんが来ていましたが、
おそらくこの子らはそのアイドル番組の
ナレ録りで来たのでしょう。
「うるさかったのはこいつらか・・」
迷惑だなぁという風に眉をひそめて
一番手前にいる子の顔を見ました。
顔を認識したのはその子だけで、
あとの5人はちゃんと見ていません。
そう、何を隠そうその一番手前に座ってこっちを見たのは、
今、大河ドラマに出ている将軍様です。
その時はメンバーが誰が誰かも知らず、
うるさいジャリタレとしか思いませんでした。
でも、まさかこの子らが
後のモンスター級国民的芸能人になっていくとは!!
もっとちゃんと全員目に焼き付けておくんだった!!と、
今でも悔やまれる出来事です。