あの頃は、臆病だった(後編)

文字数 138文字

「元気にしてますか?」

 スマホにメッセージが浮いた。

 部活の後輩。何年ぶりだろう。

 俺は彼女の記憶を手繰った。

 あの頃は無謀にも、彼女に惹かれていた。

 でも自信がなかった俺は、無言で卒業した。

「元気だよ」

 気軽な思いで返信した。

 これが、彼女の薬指が煌めいた、きっかけだった。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み