第2話 ターナーのモーニングルーティン

文字数 893文字

ピピピピピ
「うぅうぅん」

目覚ましを止める。よくありがちなおしゃれな部屋のおしゃれな部屋着、きれいな寝相、寝顔でのモーニングルーティンは始まらない。


だってターナーのモーニングルーティンなんだから。


ぼーーーーーーーーーー。
朝はまずベッドに入ったまままどろみの中で頭に思い浮かんだことに注目する。
ぼーーーーーーーーーーー。
でも、しっかりは考えない。
ぼーーーーーーーーーー。

なんか今日夢を見た気がする。


でも、しっかりは考えない。

ぼーーーーーーーーーー。

この時しっかり夢を覚えていれば、枕元に置いてある夢辞典を開いて分析する。


でも、今日はやらない。なんせ覚えていないから。


ぼーーーーーーーーーー。

30分ほどしてようやくベッドから出て歯を磨く。このときは何も考えない。


歯を磨き終わったらお湯を沸かす。ケトルで沸かすので3分くらい。

その間は、どのコーヒーを飲むのか考える。


これは真剣に。本当に真剣に。

ぼーーーーーーーーーー。

お湯が沸いたのでお気に入りのカップにお湯を入れる。

ターナーは、カップを温めてからホットコーヒーを飲む。


カップを温めるためにもまずはカップにお湯を注ぎ、その白湯を飲む。

ゆったりと何も考えず、TVもスマホもみない。

「ふぅ」
一息ついて、また
ぼーーーーーーーーーー。

時たま、深呼吸。そして、また


ぼーーーーーーーーーー。

コーヒーを豆から挽き、ドリップする。

ゆっくりとコーヒーの粉の真ん中にゆっくりとお湯を注ぐと泡がこぽこぽと出現する。


これを見るのが大好き。

香ばしい良い香りもあたりに漂う。


ゆっくりと鼻から吸い込み体中にめぐらせる。

心地良いい。気分が良い。


「はぁ~(幸せ)」
そして、また
ぼーーーーーーーーーー。
「え?ずっと、ぼーっとしてません?」
「そうよ。だから面白くないって言ったでしょ?」
「えっ?でも・・・」
「わたしは意識的にぼーっとしてるのよ」

「意識的に?」


「そうよ」
「朝からぼーっとしてばかりのターナー。それも意識してぼーっとしているらしい。ターナーのことだからきっと意味があるんだろうな!」
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登場人物紹介

ターナー(年齢不詳)

サバサバした長身の美人。クライエント思いの優しい面もあるが、カウンセリングはスパルタ

ターナーの元に来るクライエントが少しでも心安らぐことを目指して日々、頭の中を変えることに奮闘している!

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