一刀両断(7)
文字数 474文字
電車を降り、俺は日毬を家まで送った。
麴町から日毬の家まで、タクシーですぐだ。ここから事務所までも歩いて帰れる。
俺たちはタクシーを降り、日毬の家の前で向き合った。
真摯に俺は言う。
「日毬には辛い思いをさせちまって、すまないな。俺にもう少し力があれば、こんな風に好き勝手はさせないんだが……」
「颯斗が私に、どうして謝る必要なんてあるんだ? 颯斗には、とても感謝している。これからもずっと傍で私を支えていてほしい。颯斗が私の初めてで……本当によかった」
日毬の言葉に、俺は少なからぬショックを受けた。
この状況になっても、日毬は以前と寸分違わず俺に感謝してくれていると言う。だがメディアの反日毬の動きは、たとえアステッドが仕掛けたものだとしても、すべて自分の至らなさによるものだ。以前アステッドの狩谷常務が指摘していたように、「調整するのがプロダクションの仕事」なのだから。
ここまで一途に相手を信じてくれる子など、他にいるのだろうか。改めて俺は、日毬のためになんとしてもこの状況を打開してやりたいと気持ちをかき立てられたのだった。
麴町から日毬の家まで、タクシーですぐだ。ここから事務所までも歩いて帰れる。
俺たちはタクシーを降り、日毬の家の前で向き合った。
真摯に俺は言う。
「日毬には辛い思いをさせちまって、すまないな。俺にもう少し力があれば、こんな風に好き勝手はさせないんだが……」
「颯斗が私に、どうして謝る必要なんてあるんだ? 颯斗には、とても感謝している。これからもずっと傍で私を支えていてほしい。颯斗が私の初めてで……本当によかった」
日毬の言葉に、俺は少なからぬショックを受けた。
この状況になっても、日毬は以前と寸分違わず俺に感謝してくれていると言う。だがメディアの反日毬の動きは、たとえアステッドが仕掛けたものだとしても、すべて自分の至らなさによるものだ。以前アステッドの狩谷常務が指摘していたように、「調整するのがプロダクションの仕事」なのだから。
ここまで一途に相手を信じてくれる子など、他にいるのだろうか。改めて俺は、日毬のためになんとしてもこの状況を打開してやりたいと気持ちをかき立てられたのだった。