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文字数 405文字




春の声が弾けてる
たくさんの囁きが歌声になり
野を超えて山越えて
息吹き水面を震わしていく
夏の声が弾けてる
溢れんばかりの楽器が響き
野を超えて山越えて
見えるもの全て奮い立たせ
秋の声が弾けてる
静と動とのせめぎ合い激り
野を超えて山越えて
世界を一斉に凪へと掛け替える
冬の声はが弾けてる
音なき音が重なり合わさり
野を超えて山越えて
全て静寂で包み無へ導く
春の香りに誘われて
昼よ宵よと街に繰り出し
夏の香りに誘われて
酔いの営みに踊り狂い
秋の香りに誘われて
豊かな実りに酔いしれて
冬の香りに誘われて
静かな安寧の彼方へ向かう
春の時間を楽しむことに
手を取り合って時間を忘れ
あふれる笑顔にいざなわれ
夏の時間を楽しむことに
全速力でほとばしる未熟さに
持てる全てを注ぐ思いの丈を
秋の時間を楽しむことに
惰性と余剰の間で夢現
渾身を振り絞る落日の尊さと
冬の時間を楽しむことに
一人の孤独を味わい眠る
永遠に永遠に
人の一生も続く四季もまた
重なり合って流れて消えて


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