第6話(2)

エピソード文字数 1,233文字

「っ!? なんだいキミ達はっ!」

 シックにまとめた寝室に着くと、王子様然とした男子が跳び上がった。
 今度も呼称が『キミ達』で同じく寝室にいたが、こっちは美形っ。それに王子様系で腹黒ってのは定番だから、コイツが真犯人だ!

「ピマ山ピマ彦先生、美男ぜよっ。意外ぜよ!」
「そうでしょう? 私もエイリさんも、お会いした時驚いてしまったのよ」
「はいお静かにー。ボクもまさかと思ってるけど、黙っててねー」

 勇者魔法使い達を窘め、俺はピマ彦に詰め寄る。
 ごめんね、お二人とも。そういうのは別の時にやってください。

「おいイケメン、育月にふざけたことをしたのは――これだと色々面倒臭いんで、今回は聞き方を変えるか。ピマ彦、貴様は自分の意思で、ピマーン・マーピンを脅迫したんだよな?」
「………………そう、だよ」

 二十四秒の空白を経て、彼は首肯した。
 あ、これあっちだ。コイツも多分、被害者だわ。

「……なあ、ピマ彦よ。この世界に、誰でも自由に書き込めるネットの百科事典的なモノってある?」
「『じーしょー』というのが、あるよ。それがなにか?」
「……そこのテーブルにあるノートパソコン、ネットに繋がってそうだな。借りるぞ」

 俺はマウスに手を置き、マシンを操作する。
 ソレは幸い地球のと似ていたので、『じーしょー』で『ピマ山ピマ彦』を検索。すると画面内にはすぐ、その結果が表示された。


《ピマ山ピマ彦 21歳  ピーマン1袋4個入りを50円で販売する、家計の味方。
            頻繁に寄付を行う、世界の味方。            》


 ほい証拠ゲット。
 フュル、前言を撤回しないとだ。二度ある事は三度あるは、戒め的な諺じゃないよ。

「はい間に合いませんー。高知市内での合流が決定でーす♪」
「ゆ、ゆーせー君? お目目の焦点(しょーてん)があってないよ?」
「スマン、平気だ。問題ナッシング」

 ここは別の世界なので、弊害を気にせず地球にワープできる。あとになると便がなく言い訳するのが大変になるが、そこまで差し障りはない。
 差し障りありありだけど、ないと思えばないのである。

「なあピマ彦、5位のヤツはどこだ? どこに住んでいる」
「月詠京栄クンは『土操族(どそうぞく)』で、五つ先の次元にいるよ。住所を御教えしましょうか?」
「どうせ、シズナは橙式ちゃんと行ってるんでしょ? 行ってるよね?」
「行っているわ。準備できたわよ」

 ほーらね。思った通りだ。

「流石に、次はホンモノだよな……? ニセモノだと号泣するぞ……」
「師匠、いくらなんでもそんなオチはないき。きっと次で終わるぜよ!」
「そーだよっ。だいじょーぶだいじょーぶっ」
「……そう、だといいんだがね。…………今度こそお願いしますよ……!」

 俺は色んな神様に祈りまくり、ワープした。にゅむ!(敢えて、さっきとは違うタイミングでにゅむるワタクシ)。
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登場人物紹介

色紙優星 16歳の少年


高知県生まれの主人公。

リリウという神様の聞き間違えで魔王使いになってしまい、おまけに『究極奥義』と呼ばれる力を何個も持ってしまった高校生。優しく他人想いなのだが、彼はとあるセンスが全くないのであった……。

黒真レミア 16歳の少女


魔王、でありながら伝説の勇者の能力を持つ。冷徹でクールな容姿と声音を持つ美少女だが、性格はほわほわでお子ちゃま。『にゅむ』という独特な言葉を多用し、時にはにゅむのみで会話を行おうとする。例「にゅむーむ。にゅむ。にゅむりん」。

なお愛用の武器である聖剣は魔王の天敵であるため、使うと痺れる。

金堂フュル 16歳の少女


伝説の勇者、でありながら伝説の魔法使いの能力を持つ。元気一杯の猫っぽい女の子で、高知県の英雄・坂本竜馬の大ファン。そのせいで『ぜよ』と中途半端に覚えた土佐弁を使い、主人公のことは『師匠』、仲間のことは名前のあとに『先生』とつけて呼ぶ(例えばレミアの場合はレミア先生)。

なかなかにおバカな女の子。

虹橋シズナ 17歳の少女


伝説の魔法使い、でありながら魔王の能力を持つ。大和撫子然とした容姿を持つ美少女であり、主人公の義理の従妹。

重度の怒られ好き。

とにかく変で厄介で面倒くさい人。

茶操ユニ 18歳の少女


伝説のドールマスター、でありながら伝説のプリーストの能力を持つ。キグルミ族という一族の人間で、閉園したテーマパークのキャラクター・二足歩行ウサギの着ぐるみを着ている。口癖は、ミョン。

実はお笑いにうるさく、親戚は某有名人。

プリースト神 年齢不明


茶操ユニが持つプリーストの杖に宿る、プリーストの神様。

実は……。

橙式エイリ 14歳の少女


伝説のモンスターテイマー、でありながら伝説の召喚士の能力を持つ。所謂スケバン然とした容姿と声を持つが、グループ最年少の中学生でみんなの妹的存在。でもレミアやフュルよりずっとまともで、ヤツらの方が妹的存在な気がする。

野菜が大好きで、とても詳しい。

タンザ・クー 年齢不明


橙式エイリの召喚獣で、俳句世界(はいくわーるど)の王女。

タンザが姓で、クーが名。

二万年後に、地球の傍に誕生する世界からやって来た。


色紙育月 16歳の少女


高知県大豊町在住の、優星の従妹。中学卒業と同時に本格的にピーマンの生産を始め、今ではテレビの取材を受けるほどになっている。


薄幸の美少女然とした容姿と、従兄想いの優しい性格が自慢の従妹です! by色紙優星

謎の声 年齢不明


優星にだけ聞こえる、不思議な声。

なぜか正体を明かそうとしない。

リリウ 神様


願いを聞き間違えて、優星を魔王使いにしてしまった神様。

神様の世界で流行しているゲームに夢中で、神様のお仕事はほとんどしない。

とってもダメな、神様(?)な神様。

麗平活美 16歳の少女


ストロベリーブロンドのドリルヘアーが特徴の、優星のクラスメイト。

お嬢様然とした容姿で気品があるように見えるが、非常に活発。実は……。

空霧雲海 16歳の少年


頼れる兄貴系の容姿と性格を持つ優星の同級生であり、悪友であり、重度のオタク。

作中に登場する名曲(迷曲)を作った人。

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