今後の計画
文字数 1,157文字
全員(トムとジェリー以外)、ヴァレンティンを見る。
ヴァレ「ごめん、つい仕切り癖が。パトちゃんに釘刺されてたのに(反省)」
パトリシア「うん、でも、良いタイミング」
ベンジャミン「ですね。自分も気になってたんで。ありがとうございます」
ベン「あの二人(トムとジェリー)は置いといて、さくっとスケジュール立てちゃいましょう」
ヴァレ「ありがとう(嬉)」
このタイミングでクロードが走ってきて、ヴァレンティンに一枚のメモを渡す。
ヴァレ「何」
クロ「ボブメモ」
ヴァレ「?」
クロ「畠山が書いてくれた『頼れそうな先と使えそうなルート』のリスト」(※巻二第三章「私を月に連れてって (6)」参照)
一同「おー(賛嘆)」
ラリー「その中にわたしの御所は?」
ヴァレ「院のお名前は挙がってますけど——」
クロ「却下。削除」
ラリー「えー!」
クロ「(真剣に)まじな話、これ以上ご迷惑かけられません」
ラリー「そんな(しょんぼり)」
ベン「他には? 頼れそうな先」
ヴァレ「鞍馬山」
一同「おー(納得)」
ヴァレ「伊勢神宮」
一同「あー(いいね!)」
ヴァレ「興福寺」
一同「おお?」
ヴァレ「比叡山」
一同「えー!」
ベン「興福寺と比叡山じゃ犬猿の仲ですが?」
ヴァレ「だよね」
クロ「その対立をも超えさせるおれ偉くね?(自慢)」
ヴァレ「まあそもそも追われる身になるなって話だな(笑)」
クロ「それ言うなよ(笑)」
これらはすべて、じっさいに義経の潜伏先として疑われたことが記録に残っている名前。
どれも宗教関係。そして都のすぐ近く。
この他、後白河院本人でこそないけれど彼の近臣など、朝廷の偉い人たちも疑われちゃっている!
義経、大河ドラマでも、SF時代劇『義経のスマホ』でも、頼朝と決裂してすぐ奥州平泉に直行している感じで描かれていたけど、
じつは一年数か月にわたってまったく行方がわからず、大捜査線が張られている。
しかもその間、ほぼずーっと都近辺でうろちょろしていた可能性大なのだ。
なんかめちゃくちゃ愉快じゃないですか?
表立ってはかばえないが、彼を陰で助けていた人たちが本当にたくさんいたということだ。
ヴァレ「そうなんだけど」
クロ「何」
ヴァレ「じつは、うちのダディから言いつかってることがあって」
クロ「何」
ヴァレ「最終的には平泉行くよね?」
クロ(うなだれ)
ヴァレ「行かないの?」
クロ「行く、と思う。
おれ自身のことより、秀衡どのが心配で……
ご体調があまり、良くないと聞いたから」
ヴァレ「そのことなんだけど」
ヴァレ「メトロ、あるから」
クロ「へ?」
ヴァレ「うち(平家)専用
クロ「は?」
クロ「え何」
ヴァレ「だから」
クロ「まさか——」
ヴァレ「祖谷から平泉まで、直通で行けるよ? 一本」
一同騒然。
次ページへ続く。