第1話

文字数 352文字

六年前、まだお互いが十歳の時、私のお父さんと、幼なじみの太一のお母さんが再婚した。
幼なじみから兄妹になった。
 泣いた。
お父さんとお母さんが心配しないように夜、枕に顔を埋めて泣いた。
再婚が嫌だったわけじゃない。
太一と兄妹になるのが嫌だった。
 太一の事が好きだった。
兄妹になってしまったら恋なんてできないじゃないか。
そう思って泣いた。
 暫く経って太一に泣いていた事がバレた。
そして太一に全部話した。
すると太一は
『知ってたか杏、義理の兄妹の結婚はOKなんだよ!』
『じゃあ太一と結婚できる?』
『うん!』
 とても嬉しかった。
密かに心配していた両親に太一と結婚できる事を話した。
両親はとても驚いていたが、すぐに笑顔になり良かったねと言ってくれた。
 歳の割に凄く幼かったと思ってる。
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