詩小説『無色透明の秋』3分の春夏秋冬。季節に敏感でいたい人へ。

エピソード文字数 363文字

無色透明の秋

君の口元、微かな鼻歌。僕へ運ばれる。

買い物袋ぶら下げて歩く休日。

交差点、信号待ち、柔らかい風が吹いた。

見上げる空に、昼間の薄い月。

無色透明の秋。
産み落とされた僕等。

グラスの中、背ビレを揺らし泳ぐ熱帯魚。

机に顔を乗せ、眺める君。指先を擦っては粉末を零す。

月を目掛けて青い尻尾、飛び跳ねた。

宇宙にでも行こうか。

無色透明の秋。
ナチュラルに君と暮らす。

素足のままに、ふたりして抜け出したベランダ。

栓を落とせば湧き出る泡。透き通るラムネ。

何も言わずに乾杯して。潔く弾いて、消えていった。

頭の上で風をまとい、洗濯物が揺れていた。

無色透明の秋。
ただ軽やかに。羽根の生えた季節。

無色透明の秋。
ナチュラルに君と暮らす。

無色透明の秋。
産み落とされた僕等。
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登場人物紹介

主人公はあなたです。それぞれの恋愛模様を『詩小説』で。

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