第1話
文字数 1,999文字
リモート提出用の資料まとめ。帰宅後の作成中にスマホが鳴った。今かぁ~。って。天井を見上げた。
スマホ表記は「薗部 紗織さん」
嫌じゃないですか?って。問いかけている表記には…出ないといけないじゃないか?って。圧力を感じる。
「はい。孝輔です…どうしました?」
昼間の事務所内。掃除当番が回ってきた。他の社員のゴミ箱を、燃える。燃えないゴミ。それぞれを拾って回る。
当番表は…何故だかアナログ。紙で出来た丸い時計基板に、矢印がマグネットで。名前が描いてある。
「誰が造ったんだろう?」
入社した時には既にあった当番表。名前もマグネットでくっついている。
集めて回ると…声をかけてくれる人とそうじゃない人。仕事絡んでないと…誰?ってなる。パソコン画面見れば、分かるけど。
順番に上司から回って紗織の席になった。
「…プレゼントに悩んでいます」
通りすぎようとした孝輔に小さな声。伝えられた。
「…そっか…」
誰宛の?って。感じだけど…。僕宛ではなくて。彼氏さんか旦那さん。いるのかもね?なりながら。
深入りしない孝輔はトータルのゴミを捨てて。自身の席に戻りラップトップを開いた。
孝輔「僕じゃない…あってる」
隣の席にいる。矢田が呟いた。
矢田「…お前は、格好よくないぞ?」
孝輔「ありがとうございます。フフッ」
勘違い。しそうでもなかった僕に、先輩の矢田は…自身の伝えたい言葉を終えて。意地悪な笑顔を保っていた。
お昼休み。矢田は手作り弁当を持参していて…「作ったんですか?」って。伝えるのを躊躇した。矢田の左手には指輪が無いからだ。
出前の弁当をデスクに用意して…会社が契約しているお弁当屋さんのを食べる。
矢田「自前だよ?いっつも」
孝輔「…そうっすか?聞いてないっすけど?」
矢田と孝輔「フフッ」
何回、繰り返したのか…このお昼休み。と、やり取り。食べ終わった矢田はタバコを時間内に済ませる。
孝輔「タバコ吸いに行くんでしょ?」
矢田「…フフッ」
矢田の何回、聞くんだよ?それ。って。笑顔を振り返り見せるけど…若干、嬉しそうになるので。感情の安心機能?伝えた。
矢田「女子か?ハハッ」
孝輔「むふふっ♪」
紗織は…出前の弁当を食べ終えて、スマホを眺めているように見えた後ろ姿。
時折、踊っている…フリースタイルのを…眺めた。座りながらする…下手じゃないのは…素人目な僕でも分かる位。
踊り終わった…紗織は…座ったままで…振り向き人差し指で「シィー」ってした。見てたでしょっ♪って。笑顔で…。
孝輔「フフッ。いいんじゃない?」
大きく「にぃ」ってした後、紗織がスマホを再び眺め出した。矢田が帰って来るまで…それは続いた。
矢田「…寂しい…ごっこか?フフッ」
孝輔「いやいや。何にもないっすよ?」
デスクに帰って来た矢田は…いつも通りのそれ。だと思いながら。笑顔を孝輔に向けた。
矢田「フフッ」
孝輔「損な役ですよ?」
矢田と孝輔「フフッ」
夕方の太陽が、オレンジ色の光が…机を拭いだした…。
紗織「コテラさんにはっ♪悔しがって欲しいですっ♪」
矢田と孝輔「…お疲れ様でーす」
紗織は、定時での退社時に。楽しみ付けて帰宅する。紗織が退社後の僕らは…。作業に区切りがついた頃に…矢田が面白がって伝えてきた。
矢田「…『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』は…手放せないな?」
孝輔「キャハハッ。勘違いするやつ。不死の苗字ですよね?」
矢田「そう言えば…ゴデラ?だっけ?コテラだっけ?」
孝輔「…コテラですけど…?」
矢田と孝輔「…」
孝輔「…いやいやいやぁ~?」
矢田「そういう所、まぁまぁ好きだよ?」
矢田と孝輔「キャハハッ」
孝輔「そういうの。要らないっす」
矢田「むふっ♪」
孝輔「いやいやっ。要らないっす」
矢田「キャハハッ。ひでぇーな?お前。逆に」
孝輔「先輩なのは…重々、承知していますけど…」
矢田「おぅ?何?」
孝輔「しばくぞ?」
矢田と孝輔「キャハハッ」
守衛さんが僕らを急かすように伝えてくれた。
守衛さん「お疲れ様です」
矢田と孝輔「お疲れ様です」
守衛さん「そろそろ、戸締まりなので…」
矢田と孝輔「はい。お疲れ様です」
矢田「帰るか~」
孝輔「そっすね?」
矢田「まだまだ、出来んだけどな…」
孝輔「…そういうんじゃ。とりあえずは、ないっすよ?」
矢田と孝輔「キャハハッ」
貸しビルの管理規則に、従って帰宅を選択する。
矢田「真っ直ぐ家、帰えんの?」
孝輔「…めんどうなんで。真っ直ぐ帰るって、伝えときます」
矢田「キャハハッ。明日もあるしな?」
孝輔「そっすね?」
矢田「あぁ~。聞いとかなきゃ。だったぁ~」
孝輔「???」
矢田「肉ってさ?何よ?孝輔君にとっては?」
孝輔「そっすね…牛肉。…っすかね?」
矢田「むふっ。牛肉な?」
孝輔「…いやいやいやぁ~。ムフフッ」
矢田「変態っぽい。ムフフッ。止めとけよ?」
孝輔「…は、はい。…むふっ。ってのも…大概ですけど…」
矢田と孝輔「キャハハッ」
孝輔「…ぁっ!!めんどくせぇ~」
矢田「キャハハッ」
スマホ表記は「薗部 紗織さん」
嫌じゃないですか?って。問いかけている表記には…出ないといけないじゃないか?って。圧力を感じる。
「はい。孝輔です…どうしました?」
昼間の事務所内。掃除当番が回ってきた。他の社員のゴミ箱を、燃える。燃えないゴミ。それぞれを拾って回る。
当番表は…何故だかアナログ。紙で出来た丸い時計基板に、矢印がマグネットで。名前が描いてある。
「誰が造ったんだろう?」
入社した時には既にあった当番表。名前もマグネットでくっついている。
集めて回ると…声をかけてくれる人とそうじゃない人。仕事絡んでないと…誰?ってなる。パソコン画面見れば、分かるけど。
順番に上司から回って紗織の席になった。
「…プレゼントに悩んでいます」
通りすぎようとした孝輔に小さな声。伝えられた。
「…そっか…」
誰宛の?って。感じだけど…。僕宛ではなくて。彼氏さんか旦那さん。いるのかもね?なりながら。
深入りしない孝輔はトータルのゴミを捨てて。自身の席に戻りラップトップを開いた。
孝輔「僕じゃない…あってる」
隣の席にいる。矢田が呟いた。
矢田「…お前は、格好よくないぞ?」
孝輔「ありがとうございます。フフッ」
勘違い。しそうでもなかった僕に、先輩の矢田は…自身の伝えたい言葉を終えて。意地悪な笑顔を保っていた。
お昼休み。矢田は手作り弁当を持参していて…「作ったんですか?」って。伝えるのを躊躇した。矢田の左手には指輪が無いからだ。
出前の弁当をデスクに用意して…会社が契約しているお弁当屋さんのを食べる。
矢田「自前だよ?いっつも」
孝輔「…そうっすか?聞いてないっすけど?」
矢田と孝輔「フフッ」
何回、繰り返したのか…このお昼休み。と、やり取り。食べ終わった矢田はタバコを時間内に済ませる。
孝輔「タバコ吸いに行くんでしょ?」
矢田「…フフッ」
矢田の何回、聞くんだよ?それ。って。笑顔を振り返り見せるけど…若干、嬉しそうになるので。感情の安心機能?伝えた。
矢田「女子か?ハハッ」
孝輔「むふふっ♪」
紗織は…出前の弁当を食べ終えて、スマホを眺めているように見えた後ろ姿。
時折、踊っている…フリースタイルのを…眺めた。座りながらする…下手じゃないのは…素人目な僕でも分かる位。
踊り終わった…紗織は…座ったままで…振り向き人差し指で「シィー」ってした。見てたでしょっ♪って。笑顔で…。
孝輔「フフッ。いいんじゃない?」
大きく「にぃ」ってした後、紗織がスマホを再び眺め出した。矢田が帰って来るまで…それは続いた。
矢田「…寂しい…ごっこか?フフッ」
孝輔「いやいや。何にもないっすよ?」
デスクに帰って来た矢田は…いつも通りのそれ。だと思いながら。笑顔を孝輔に向けた。
矢田「フフッ」
孝輔「損な役ですよ?」
矢田と孝輔「フフッ」
夕方の太陽が、オレンジ色の光が…机を拭いだした…。
紗織「コテラさんにはっ♪悔しがって欲しいですっ♪」
矢田と孝輔「…お疲れ様でーす」
紗織は、定時での退社時に。楽しみ付けて帰宅する。紗織が退社後の僕らは…。作業に区切りがついた頃に…矢田が面白がって伝えてきた。
矢田「…『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』は…手放せないな?」
孝輔「キャハハッ。勘違いするやつ。不死の苗字ですよね?」
矢田「そう言えば…ゴデラ?だっけ?コテラだっけ?」
孝輔「…コテラですけど…?」
矢田と孝輔「…」
孝輔「…いやいやいやぁ~?」
矢田「そういう所、まぁまぁ好きだよ?」
矢田と孝輔「キャハハッ」
孝輔「そういうの。要らないっす」
矢田「むふっ♪」
孝輔「いやいやっ。要らないっす」
矢田「キャハハッ。ひでぇーな?お前。逆に」
孝輔「先輩なのは…重々、承知していますけど…」
矢田「おぅ?何?」
孝輔「しばくぞ?」
矢田と孝輔「キャハハッ」
守衛さんが僕らを急かすように伝えてくれた。
守衛さん「お疲れ様です」
矢田と孝輔「お疲れ様です」
守衛さん「そろそろ、戸締まりなので…」
矢田と孝輔「はい。お疲れ様です」
矢田「帰るか~」
孝輔「そっすね?」
矢田「まだまだ、出来んだけどな…」
孝輔「…そういうんじゃ。とりあえずは、ないっすよ?」
矢田と孝輔「キャハハッ」
貸しビルの管理規則に、従って帰宅を選択する。
矢田「真っ直ぐ家、帰えんの?」
孝輔「…めんどうなんで。真っ直ぐ帰るって、伝えときます」
矢田「キャハハッ。明日もあるしな?」
孝輔「そっすね?」
矢田「あぁ~。聞いとかなきゃ。だったぁ~」
孝輔「???」
矢田「肉ってさ?何よ?孝輔君にとっては?」
孝輔「そっすね…牛肉。…っすかね?」
矢田「むふっ。牛肉な?」
孝輔「…いやいやいやぁ~。ムフフッ」
矢田「変態っぽい。ムフフッ。止めとけよ?」
孝輔「…は、はい。…むふっ。ってのも…大概ですけど…」
矢田と孝輔「キャハハッ」
孝輔「…ぁっ!!めんどくせぇ~」
矢田「キャハハッ」