第1話

文字数 810文字

 当院が所属する医療グループの各病院の院長は、個性派揃いのうえに日頃から苦労しているだけあって、彼らの言葉には心に響くものが多々ある。
 「根拠のない自信と空元気(からげんき)」「限界の少し先に真実がある」。 新しい事に挑戦する時、この言葉を自分に言い聞かせ、自らを叱咤激励(しったげきれい)している。
 「逆風も振り向けば追い風」「飛行機は向かい風を利用して離陸する」。 苦しい時こそ、逆転の発想が必要だ。
 「討って出よ。城に籠城(ろうじょう)して生き延びた戦国大名はいない」「攻撃は最大の防御なり」。 追い詰められた時こそ、果敢に攻める積極策が重要だ。
 「神輿(みこし)に乗るな。自分の足で歩け」「率先垂範(そっせんすいはん)」「実るほど(こうべ)を垂れる稲穂かな」。 調子のいい時こそ謙虚で、現場主義を忘れてはいけない。
 さらに自分は、ボクシングの試合に例えたこの言葉も好きだ。
 「どんなに打たれてもファイティング・ポーズを取れ。取らなくなった時点で試合は負けだ」「打ちのめされてダウンしても口だけは、負けないぞ!と言い続けろ。言わなくなったら引退が待っている」。 絶対に諦めない、強い意志が大切だ。
 【return(リターン) match(マッチ)】は、ボクシングなどで選手権を奪われた選手が、選手権をかけて再び同じ相手と行う試合。雪辱戦である。自分は再起をかけて敗北から立ち上がる時のボクサーの気持ちを思うと胸が熱くなる。
 追い風を背にして叩く、行け行けドンドンの太鼓の音色は、誰が叩いてもほとんど同じである。心に響くこれらの言葉は、”逆風、困難な時の立ち振る舞いこそがその人の真の価値だ” と伝えているのだと思う。

 さて写真は、2017年6月に羽田空港から離陸する日本航空のジェット機である。飛行機が離陸する時の加速は気分が高揚する。

 写真のポイントは、ジェットエンジンの後方排気によってできる陽炎(かげろう)(揺らぎ)だ。ジェット噴射の推力の力強さが感じられていい。
 操縦桿(そうじゅうかん)を引け、機首を上げろ!

 んだんだ!!
(2021年9月)
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