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文字数 415文字

久しぶりに学生の頃の友人とあった
ぼくは友達が少ないから
周りの「誰誰っていたじゃん?」
に反応しきれない

だけどある人が言ったんだ
あの窓から見えるあの景色は変わっていないよ
そういって
景色を切り取られたスマホをみせられたら
ぼくが見てた景色を思い出した

季節は秋から冬にかけて、いや、冬に近いな
木は全て葉を落とし、裸になったその後ろに
団地が寒々しく寂れた風景は
ぼくが見ていた頃と変わらない

授業なんて1ミリも入ってこなくて
いつも外ばかり見てた
なんでだろ?
授業にも、人にも興味ない
未来に何があるのかわからない毎日
それが「不安」といことだとさえ気付けない
未熟さ、愚かさ

今思うと1番幸せな時期だったかもしれない
1番自分のことを考えて
何かつかもうとしてもがけれた時間
形のない自分を作ろうとして
自分がなんなのか?を探して
何もしばられていないと感じてたあの頃

ある意味1番幸せだったから
あの頃を思い出す友人に会いたくなるんだな
ぼくはそう思いながら居酒屋を出る






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