アクションRPGで負けイベント!
文字数 2,260文字
翌日……。
――イツキの部屋――
イツキ、ボタンを押す!
イツキ、敵を蹴散らす!
画面端から横槍がクリーンヒット!戦闘不能!
即座にキャラを変更!
すぐさま反撃!
敵を撃破!
画面暗転!
フィールドマップに切り替わる!
敵の大群が進軍!
再び戦闘開始!
敵の隙に合わせて致命の攻撃を叩き込む!
敵の攻撃がキャラを葬る!
別キャラに変更!
すかさず攻撃を入れる!
敵を倒した!
その後も連戦!
* * *
数十体は倒した頃、敵のレベルはとてつもなく高くなっていた!
敵、レベルカンスト!
そして攻撃、無効!
一撃が満タンだった体力をゼロに変える!
急ぎキャラ変更!
攻勢はたちまち逆転!
ひたすら避けに徹する!
その後も倒れていくキャラ!
状況、絶望!
一瞬の気の緩み!
回避しきれず直撃を受ける!
最後のキャラが力尽きた!
容赦の無いバッドエンド!
あまりの衝撃で静寂の部屋!扉が開く!
固まるイツキからコントローラーを取る!
* * *
未来、そのまま部屋に戻る!
そして後日……。
部屋の扉が僅かに開く!
私は目が覚めたよ……努力なんて無意味に終わる事が多い……。あの女は言ったよ……だからこそ、勝つ事が重要だって……勝利を手に入れた時点で世界は分岐し、希望に満ちたエンディングへのルートが構成されているってね。私達が目にする悲惨な結果は所詮画面の中の一部分、創造主が見せる運命の1つにしか過ぎないんだ……。そう考えると負けイベントにおいてキャラ達は敵味方問わず人為的な創作の被害者とも言えるのかもしれないね……。はははははは……
未来、イツキの部屋に倒れ込む!
* * *
未来を部屋に返し、別のソフトを攻略中!
「くっ……!なんて力なんだ……!」
「ふん、雑魚め……」