オンライン座談会 会場 Part3
文字数 18,215文字
引き続きの流れでお願いします。
ちょうどこのような話が出ましたので……
小説賞で箔をつける
WEB投稿で書籍化
出版社に持ち込む
他にもいろいろな方法がありますが、榊先生の見解では、今どういう流れでデビューすればベターかと思われますか?
方法が多様化しているだけでなく、作家として生き残るのも大変な時代になってきて、執筆者はこれからどうしていけばいいのかという不安は多くの人が抱いているものかなと思います。
明日以降のお時間余裕のあるときで大丈夫です。
>流行の「ほんの少しだけ向こう」
>「他の作品との差別化要素として、流行要素と相反する何かを組み込む」
なるほど……。流行自体の情報は取り入れつつも、それら流行りを通過した読者が求める物を予測して書くんですね。
今を取り込んでいち早く出力するのがWebなら、今を噛み砕いた上で未来を見据えて書くのが出版小説ということなのかもしれませんね。
とても難しくは感じますが、難しくなかったらみんなヒットしてますもんね。
ありがとうございます、勉強になりました。
更に言えば、新人賞に投降する作品を考えるとします。
この場合、書きたいものを書きたいように書いて貰うのが一番なのですが、まあ諸般の事情によりそうは行かないことが多いでしょうから、逆に、「じゃあ新人賞を主催している編集部は何が欲しいんだよ?」と考える事になります。
例えば流行ってる作品と同じジャンル、同じタイプの話を書くのはどうなのか?
編集部や出版社が商業組織であり、なおかつ、既存の作家を何人も抱えている事を考えれば、正直、これは駄目とは言わないまでも「非常に苦しい戦いを強いられる」戦法という事になります。
何故かというと、そういう流行のものを器用に取り込んで書く場合は、どう考えても既存の経験を積んだ作家の方が「早い」からです。
上手い、ではなく早いです。
これは執筆の話ではなくて、単純に、出版するまでの工程と時間の話。
流行作品の後追い、類似作品というのはつまり、作家の個性を求めないという事なので、それなら既にプロとして経験を積んでいる人に頼む方が、確実で、話が早い。
勿論、既存のプロと遜色ない器用さ、素早さをアピール出来るなら、流行ジャンル、流行タイプの作品を投稿するのも在りでしょうが、正直、一本の作品でそれがアピール出来るかどうかは疑問で、相当に難しいでしょう。
ただそれでも投稿作品の完成度が高ければ、「お、いいな」と編集者の目に留まる事にはなります。
また、逆に言えば、新人には、既存の作家では補い切れない「新しい何か」を求めたくなるのが編集者の人情でありますから、流行のジャンル、タイプから敢えて外す、という方法も成り立ちます。これで受賞作がヒットすれば新しい潮流が出来るという事で、実は今出版社が切実に望んでいるのはこのタイプの新人さんです。
ただこっちはこっちで外すとでかいというか、まあ、「それを他の人がやってこなかったのは、色々無理があるからだ」的な事実もありまして。
ただ「流行から外す」だけだと、面白くもなんともない駄作が出来上がるだけになりかねない。書籍として出版する場合にも、非常にこう、売りにくいというか、営業さんも売り込みにくい。
なので、こうなると、考えるだけ無駄、結局は自分の実力を出し切れるネタで勝負するのが一番悔いが残らない、というオチに(苦笑)
なるほど、どんな作品を書くにも一長一短ということですね。
だからどうせなら「書きたい物」や「得意な物」「好きな物」で勝負しようという事なのだとは思います。
以前別の新人賞をメインターゲットとした座談会でも、中身よりもまず「きちんとした日本語で書き上げる事が重要!」という話もありましたし、新人賞ではやはり「長編を書ける」ということがまず第一なのかもしれませんね。
>新人賞に投稿する作品
は自分も1本書いている物が有りますが、最終的に「その話を書こう」となったきっかけは「俺こう言うの好きなんだけどお前らどうよ?」と提示してみて反応を見てみたい、と言う動機でした。
(出版される前提で考えていることには突っ込まないでくださいw)
結局、書いていて自分が面白いと思えなければ、受け取る側も面白くないだろう、と。
>これで受賞作がヒットすれば新しい潮流が出来る
書き始めてからこっち、心のどこかに「俺が次の流行を作ってやる」みたいな気持ちを持っては萎んでを繰り返しながら書いていましたが、
>実は今出版社が切実に望んでいるのはこのタイプの新人
とのことで、今後も完成に向けて書き進めて行きたいと思います。
>書きたいものを書きたいように書いて貰うのが一番
>なので、こうなると、考えるだけ無駄、結局は自分の実力を出し切れるネタで勝負するのが一番悔いが残らない
このあたりのことは、モチベーションを保つ意味からも重要かもしれません。
とはいえ榊先生もご指摘されているように、まさに「諸般の事情」により色々ありますので、結局のところご本人が、作家としてどこに重きを置いているのかという人生観に根差したものを見つめ直す作業になってきます。
自分の場合には、結局は、書きたいことだけしか書いてこなかったかもしれないと思います。そうでなければ、小説家のモチベーションを保つことは自分にはできなかったですね(※小説以外にも、他にやっていることが色々あるという側面が大きいかもです)。
ただ、「仕事」「プロ」としての意識を強く持てば、それは大きなモチベーションになるに違いないとも思います。どの業界にも、誇りを持ったそのようなプロがいて活躍しています。小説業界では榊先生はそのお一人なのではないかと感じています。
自分なりの矜持を持っている人は強いですよ。榊先生はご自身をへりくだって技術屋と自称されていますが、ぼくには強い自信・自負心であろうなと感じられます。
とすると、小説家になるためには、またプロになったあとでも仕事を継続していくためには、小手先の創作論よりも、自分なりの誇りや矜持を見つけ出す作業をまずはしてみたほうが答えに近づけるのかもしれません。
至道さんの仰るとおりで、結局の所、技術、方法論はいずれも道具でしかないので、これを使うための作家本人のこだわりなり何なりが空っぽだと、不可能とまではいいませんが、小説を書くのは色々難しくなると思います。
特に昨今は私がデビューした頃と比較して、業界の状況も二転三転してきて、編集部のものの考え方も変わってきました。なのであまりマーケティング(というか流行)に振り回されない自分だけの『芯』、持ち味はデビュー後もこれを仕事として続けていく場合は、必要になってきます。
勿論、その一方で仕事として何らかの発注が来た場合には、自分の個性やこだわりを殺さねばならない場合も多々あります。
例えば顕著なのがノベライズ等の企画ネタで、この場合に求められるのは、元の作品にどれだけ寄り添いつつ、出来るだけ早く(旬の内に)刊行できる手の早さという事になります。勿論、それでも書き手の個性は出てくるし、完全にそれを排除する事は出来ないし、するべきではありません。
こうなると自分の個性やこだわりに「優先順位」を付ける事になります。
この仕事ではここまでは譲っていい、ここからは譲れない、そんないくつかの一線を引いておいて、状況に応じて使い分ける必要があるのではないか、という事です。
いずれにせよ、これらはデビューしてから後の話になってしまいますが、どうせプロになるなら、専業か兼業かはさておき、長く生き残って欲しいと私は思うので、ある程度の融通の利かせ方を覚えておいて損は無いかなあと。
勿論、一切何も譲らない、俺は俺の書きたい物を書いて、それ以外は仕事の依頼が来ても無視するぜ! という考え方も在りですが、多分、昨今の業界状況を見るに、それで長く生き残るのは難しいんじゃないかなあと思ったりします。
過去に開催してきた座談会においては、ぼくのほう常に結論として「結局のところ自身の人生観なのだよ」と繰り返しお伝えしてきたのですが、やはりウケが非常に悪いんですね。面白くない話であるのは承知しています。
皆さん、分かりやすいことを知りたいんです。ソシャゲみたいに、クリックすれば当たりか外れかわかる答えをすぐ知りたいのです。
これは決してユーザーさんのことを指しているのではなく、ぼくの周りで「小説家になりてえ」と相談してくる人たちの顔を思い描いて言っています。少なからず相談を受けます、そして皆さん小説家になる参考書を欲しがっていて、なぜ小説家になろうとしているのかはよくわかっていません。自己顕示欲、名誉欲のような方向の一種なのでしょうね。
ぼくとてテクニカルなことはまったく否定しないし、大人なのだから妥協も諦観も知っていますよ。そして、そうしたテクニカルな部分まで、この座談会ではさまざまなタイプのものを、折に触れて実際にお伝えしてきました。たぶん、これからもこの座談会はそうですね。実際にこの座談会のノウハウをそのまま活用して、滝口氏などは小説家デビューが3週間で決まっています。
ただしやはり自分の結論としては、やっぱり人生観を見つめ直すところが結局のところ近道だよということになってしまいます。
今どきは一瞬だけ小説家になっても生き残れませんから、辛いとき苦しいとき、前に進めなくなったとき、時代の流れが変わってしまったときに立ち返ることができるのは、自分自身だけなんです。だからその仕事を選び取ろうとしている理由、矜持や誇りを再確認して、本当にこの道を進むんだという決意を確認することがスタートラインであろうと思います。そうしたものがあれば、テクニカルなどついてきますし、榊先生が仰ったように「どこまでは妥協でき、ここから先は譲らない」というラインが決まりますし、結果的に小説家として"テクニカルに"生き残っているだろうと思います。
クリエイターの同志である皆さんには、人生全体として上手くいってほしいし、望みのポジションで少しでも長く活躍してほしいと心から思っています。
皆様の貴重なご意見ありがとうございます!
二巻以降の考えは修正していかないといけないかなと思いました。
投稿作にはその考えは持ち込まないよう注意します。
今書いている作品はWEB小説として書いているのものなので自分で終わりまで管理しないといけないです。なので途中で終わるにしても3巻目とか5巻目のもりあがりを考えて書くことを視野にいれていこうと思います。
練習方法というよりも執筆姿勢として、メインの小説と趣味としての小説を分けて執筆するというその視点が盲点でした。
確かにそれだとメインの休憩に趣味の小説ということで執筆時間がたくさんとれそうです。これは試してみなくては!
二週間プロット練習は面白そうですね。
成長が目に見えてわかるとなるとやらずにはいられませんね!
趣味用作品でいいアイデアが出るかもしれませんし。
皆さん凄いですね。
こんな事言っちゃなんですが…僕はここ最近、作家になる夢を諦めようとしています。
プロット作るのも苦痛ですし、精神的な病気を持っているのもあってか、文字書いてると鬱になって病んでしまいます。
ただ、病気を言い訳にしたいんじゃないんです。精神的に病んでる方でも作家になっていますからね。
努力できないというか、気力が持たないんです。
こんな僕が「作家目指しています」なんて言うのは、それを仕事にしている方に失礼だなと。
数年前にも「あなたは作家を冒涜しているんですか?」という様な事を言われましたし。本当にその通りだな、と思います。
人に雇われて地道に仕事をしているほうが僕には向いているかもしれません。といっても、それすら僕にとっては辛いものですが。
なんか、暗いネガティヴな話をして申し訳ございません…。
ほんと、皆すごいなぁ。
何でそんなに努力できるんだろ。
ごくまれに最終まで届いても評価コメントで仰られていることが、同じ投稿作へのコメントでも評価されている方で指摘が正逆になっており、迷うばかりです。
自分がライトノベルを知った頃は90年代ファンタジア文庫であり、今でも当時の雰囲気の作品が面白いと思います。
ただ、直近のデビュー作(全てを網羅はできていないです)を見る限り、自分が好きだった頃の内容、方向性はすでにライトノベルのカテゴリーから外れてしまったように思われます。
こういう書き手は、ライトノベルではなく、内容的に当時ラノベ影響が色濃く残っている、西尾さんや奈須さんの後を追うべきなのでしょうか。
>you0429さん
> 小説を書くための能力をあげるための訓練方法など教えていただけたらとてもうれしいです。
日記いいっすよ。日記。毎日書いてWebで公開してください。
ラーメン食ったとかウンコ出なかったとか、そういうクソどうでもいいことを無理矢理にエンタメ化して読者に見せるんです(おれができてるかどうかはちょっと置いといて)。
訓練とかいって肩肘張らずに、「まあ、日記でも書くか~~」という緩い気持ちでやるだけで十分だと思います。
イメージ的には「サービス精神を鍛える」感じです。
何書いてても「読者を楽しませよう」という意識を保てるようになるとイイんじゃないかと思います。
ぶっちゃけ、サービス精神さえしっかりしてりゃ後は何とでもなるんじゃないかな~。
やっぱりプロの人はみんなサービス精神がすごいんですよ。
ほら、見てくださいよ、至道先生の
> 皆さん、分かりやすいことを知りたいんです。ソシャゲみたいに、クリックすれば当たりか外れかわかる答えをすぐ知りたいのです。
この、言わなくても良い一言!
まさにサービス精神の発露です。
榊先生ももちろん発言全体にサービス精神が漲ってます。
私見では、過去の座談会で一番サービス精神が凄まじかったのは「WEB小説を書籍化する方法 ~成功のためにやるべきこと~」の時の新木伸先生ですねー。
あと、これは技術的なこととは異なるんですが、日記を書いてると付随的に、どんなことにでも何らかの面白さを見つけて言語化しようとするようになるので、それはそれで武器になるかもしれません。
> 勿論、一切何も譲らない、俺は俺の書きたい物を書いて、それ以外は仕事の依頼が来ても無視するぜ! という考え方も在りですが、多分、昨今の業界状況を見るに、それで長く生き残るのは難しいんじゃないかなあと思ったりします。
おれは結構これに近いスタイルなんですが(書きたくない文章を無理矢理書いた、という記憶がない)、編集さんの方から、「日記読んでて、これ、架神さんなら面白がるんじゃないかと思って持ってきたんですよ~~」みたいな感じで企画を振ってきたりするんです。
そう、つまり日記は営業ツールにもなる……。
今晩は。ながつきふたばです。
何だか雑談になって来てる気がする……。
今日はなるべくお口バッテンにしようと思ってたんだけど、それはさておき。
おしなべて仕事と言う物にはそれなりの苦労・苦痛は伴いますよ。
それは組織でも雇われ仕事でもクリエイト系でも変わらないと思います。
苦労・苦痛の方向性はそれぞれ違うにしても。
クリエイト系はそれこそ「産みの苦しみ」なんて言葉も有るくらいですしね。
ちょっと失礼して話を飛ばしますが、自分が昔好きだった声優さんで「草地章江」さんと言う方が居ります。
彼女が過去に出したアルバム「Faces(1996年、ソニーミュージックエンタティメント)」の「しあわせな子供」と言う歌の中にこんな一節が有ります。
「大好きなことを仕事にしたらね 駄目だよ いつの日か大嫌いになるから」
これを聞いた二十歳そこそこの若造だった自分は「なるほど、奥が深い」と思いました。
……が、それから二十余年(ヤバい。歳がバレるw)経った今は「そうとも限らない」と考える様になっています。
重要なのはその歌詞の次かな、と。そう思っても居ます。
JASRACに怒られそうなので歌詞は書きませんが、内容としては「それでも憧れを持ち続けている」ことを匂わせる様な歌詞です。こっちの方が重要なのではないか、と。
閑話休題。
話を戻しまして、要は憧れを持つことです。少なくとも自分にとってはそうです。
手に職を持ち、(大きな声では言いたくはないですが、病院にかかる程度には心を病み)……こう言っては諸々の文筆家の先達には申し訳も立たずになんですが、今さら文筆業でおまんま食って行けるなどとは正直思っていません。思えません。
それでも今、自分も何かを書こうとして、産み出そうとしてもがいています。
なぜか。
書きたいからです。産み出したいからです。
そうして産まれたそれを見た人が面白いと思ってくれるか、面白くないと言うか。
楽しんでくれるか、くれないか。
「それ」は、自分の……そしてこれを読んでいる人の頭の中にある限り、可能性の霧のまま。
面白いと面白くないが、楽しんで貰えるか貰えないかが同時に存在している状態です。
皆、きっとシュレーディンガーの猫好きですよね?(勝手な断定)
それを白日の下に曝したい。曝して可能性の霧を「面白い!」で事象に収束させたい。
そのことに憧れているからです。
無論逆の結果が出ることも有るでしょう。
ですが、自分の……そして皆の頭の中の想像・創造・あるいは妄想と言う残弾は一発こっきりでは無いはずです。
一発で当たらないなら二発目、三発目……当たるまで繰り返せばいいのです。
書いておいてなんですが、何だか説教臭くなってきましたね。
長文・お目汚し失礼致しました。
>@sub-makeさん
>榊先生
> 良くも悪くも子供らが学校なり幼稚園なりに行く時間が固定されているので、昔の様な無茶苦茶な生活スタイルにはなりにくいです。善し悪しですねえ。
分かります。おれも妻ができてから、「妻の帰宅時間=仕事終了」になりました。昔は16時位からようやくエンジン掛かってきて、22時とか23時とかまで書いてました。空腹に耐えきれず晩御飯食べたら終了、みたいな。
今は妻が早々に寝ちゃったから、これ書いてます。うちの妻、すぐ寝る。
>sonnakonnade428さん
> 榊先生のプロットの話、かなり為になります。
>
> でも僕、二週間もプロット作ってたら精神的に病みそうで怖いです。
> 個人的な事情で執筆にムラも出てしまいますし(泣)
>
> やっぱ作家になるのは夢のまた夢なのかなぁと思ってしまいますねorz
だいじょうぶ! おれも話を聞いてて、「なんてタメになる話なんだ! これは絶対にやった方がいいな! よーし…………。うん……、忙しいし、辛そうだから、まあまた今度な……」ってなってます。
たぶん一人じゃムリだと思うので、誰か誘って一緒にやるといいですよ。
榊先生のお弟子さんも、師匠から言われて強制力が生まれたから最後までできたんじゃないかな。
>sub-makeさん
落ちた作品をなろうやカクヨム、Kindleで自力出版などしてみてはどうでしょうか?
新人賞に落ちまくってた人がなろうでは最前線を走ってたりしますし。
> こういう書き手は、ライトノベルではなく、内容的に当時ラノベ影響が色濃く残っている、西尾さんや奈須さんの後を追うべきなのでしょうか。
ご質問の意図がよく分からないのですが、これはラノベ新人賞ではなく、別のジャンルの新人賞に送るべきか、という意味ですか?
それとも内容を西尾さんのような方向性に調整してラノベ新人賞に送り続けるべきか、という意味でしょうか?
はい、横から失礼します。
兜海老と申します。
サラリーマンです。
現在趣味でトークメーカーを使って色々と執筆している者です。
sonnakonnade428さんの発言について思うところがありましたので、場違いやもしれませんが書き込みさせていただきます。
さて我々素人が目指しているところの「作家」とは何かという話でして、出版するまで漕ぎ着けたら作家でしょうか?
昔からよく言われますところの「デビューしても今の職は辞めるな餓死するぞ」というのがありまして、それはおそらく今も変わらないものと思います。
作家を目指して作家で食っていくというのは難しいそうです。
一発当たって三千万円懐に入ったとしましょう。
サラリーマンの年収に換算すれば数年程度です。
一生食っていけるだけのお金を稼ぐまで当て続けるのは至難の業、ひと握りの有名どころだけでしょう。
ではそんな作家を目指すのはなぜでしょうか。
私も昔目指していました。
というか、今でもあわよくば「一発当てて楽したい」などと常々思っております。
まぁ結局は何もできずにサラリーマンやってるわけですが。
私が作家を志した頃は、スレイヤーズやら何やらが大爆発していた時代でして、私のようなにわかの有象無象で溢れかえっていたものだと思います。
あれからドエラい年月が経ってはおりますが、私は未だにこんなところでバカな話を書いているわけでありまして。
何故こんなことを続けているかといいますと、やはり「話を考えるのが面白い」「キャラを作るのが大好き」「あわよくば小銭が欲しい」などの理由が挙げられます。
さて長々と何が言いたかったかといいますと。
これからも趣味で続けていればいいんじゃないかなぁと。
今は私の時代と違って執筆する環境に恵まれていると思います。
良し悪しは当然あれど、インターネットで気軽に投稿できますものね。
普通の仕事に就いて、普通に人付き合いをしているうちに文章力やら表現力はレベルアップしていくものです。
こんなところで言うのもなんですが、別に執筆活動をしないでも技術は上がるんです。
趣味で細々と続けて数年先、そのうち形になったら評価を得られることもあるかもしれません。
先に挙げましたとおり「作家になっても作家だけでそうそう飯は食えない」。
趣味から副業の範囲で考えるのが気楽で良いと思います。
作家で食ってるプロ作家の座談会で言う言葉ではありませんが。
それはさておき、先日カクヨムで開催されたノベルゼロ公募、1000件近い応募があったそうで、やはり原点回帰やゼロ年代の読み応えのあるラノベを発表したい、という層は確実にあると思います。
今我々を取り巻く環境は激変している最中ですので、過去の結果にとらわれず、爪や牙を研いでおくのが肝要ですね。
兜海老さんと似たような同じ立場の人です。
人が生きていくにはお金を稼がなければならないわけで、天涯孤独ならともかく守るべきものが出来たらギャンブルのようなリスクは負えません。
ただ今は架神先生が仰るように自費出版など、編集部を介さずともお金に還元出来る仕組みが利用しやすい時代になりました。
もちろん出版社が行う業務をすべて自分一人で行うため、余程のことがない限りお小遣い程度にしかなりませんが、形にするという技術を磨く上ではお金も入ることがモチベーションに繋がることもあると思います。
自分の場合、「話を考えるのが面白い」「話を作るのが面白い」から趣味で創作活動を行っているのですが、そのためなら媒体や手段は問いません。
例えば絵が必要なら絵を描く。それがまた新しい小銭稼ぎの技術に繋がったりします。
幅広い知識と技術を身に着けてリスクを軽減、塵も積もれば山となる作戦もアリと言えばアリじゃないですかね?
それがまた幅広いアイディアを生み出すキッカケとなり、小説自体も面白くなるかもしれません。
以上、万人受けしないので遠回りルートから足掻いてる人間の現状(惨状?)でした。
普通の人はこうなりたくないと思うでしょうけど。
ただ創作が苦行にならない自分なりの制作術を早い段階で身に着けた人ほど、成功に結び付くんだと思います。
ありがとうございます。
確かにどの分野でも苦痛・苦労はつきものですよね。
でも、やっぱりどこかに作家になるのを諦めたくないという気持ちがあります。
少し自分を見つめ直そうかな、と思いました。
>架神先生
ありがとうございます。
プロの人間でもそういうことあるんですね。
少し救われました。
友達がほぼいないので、しばらくは1人で書くしかないのですが、創作を共にする友人は欲しいですね。。
>kbt-ebiさん
ありがとうございます。
そうですね…。
本一冊出して3000万入ってもサラリーマンの年収の数年程度。
リアルですねー…。
でもやっぱり僕も一発当てたいっす。
あまり気負いせず書く、という考えは為になりますね。
ふあー、皆さん優しすぎる!優しすぎるよ!!
なんか頑張ろうって思ったし、元気が出た。
まずはプロット作り頑張ろうかな(^○^)
榊様に質問があります。
内容が前に戻りますが、part2で、紹介されていた
「毎日1本企画を作る」のを二週間続ける、という方法、実際にやってみたいのですが、企画というのは、どのくらいまでのを作るのでしょうか?
全体のおおざっぱなあらすじでいいのか、それともpart1の戦闘機娘の詳細プロットを全部決めるところまで作るのか。
また、この方法は、キャラクターを作る練習にも応用できるのではないかと思うのですが、そうでもない、でしょうか。「毎日1キャラを作る」のを二週間続けるみたいな。
私は今までに新人賞で、3本、投稿して、全て落選してまして、構成力やキャラクター力のなさを痛感しています。なので、この方法、実行してみたいです。
宜しければお返事下さいm(_)m
日記いいですね!
それもサービス精神を忘れずにというのはかなり重要な観点のように感じます。
しゃべログというぴったりの場がありますのでそこで書いていきたいですね。
榊先生の「まじしゃんず・あかでみい」は大学受験のときに勉強サボって読んでました! 今でも大好きです!
質問なのですが、小説を書く上での取材ってどのへんまでしてますか?
特に、理系方面はよっぽど難しい理論使わない限りそのうち正解が出てきますけど、神話や歴史なんかは諸説あって調べても調べても調べ終わらないなんてことになります。
多分読者はそんなに気にしてないと思うので、どこかで折り合いをつけなければいけないのですが、なかなかタイミングがつかめません。
そういうタイミングをうまく切る方法があれば教えてください!
うーん。これ何の仕様かよく分からないんですが、バックスペース二回押すと、それまで書いていた文章丸ごと消えちゃいますね……(ページ更新になる?)
すいません、大量のレスを三回続けて消しちゃったので、ちょっとメゲてます……(バックスペースで文章修正する癖があるので)
ちょっとレスポンスが遅れがちになりますが、ご容赦ください……
バックスペース2回押し、うちの会社のほかのPCでも念のためと思って色々試しましたが、とくに変わらないようです。また色々確認してみますが、そのような現象は報告されていないので、何か特殊な状況が絡んでのことかもしれません。
とりあえずコピペで投降できるレスを。
私が作る大まかなプロット、企画書、というのはこんな感じです。
以前HJでやった「タタリ・ブレイカー弑子」のもの。
企画設定書
「タタリ・ブレイカー弑子(仮)」
Ver.0.90
榊 一 郎
■企画概要
題名:「タタリ・ブレイカー弑子(仮)」
形式:小説シリーズ
ジャンル:コメディ/シリアス 退魔もの
テーマ:「幸せと不幸せの形」
コンセプト:キャラクター重視の連作もの。
1.キー・ビジュアルとして非常に分かりやすい「不吉な少女」をメインに据える。
2.敷居の低い『退魔もの』系(前提知識や小難しい理屈云々は根幹部分以外なし)
3.テーマとしても身近なものを置く事で読者に親近感を持たせる。
4.最後のビジュアル的なバトルは作画の漫画家さんの画力や作風によって変更可能。
■梗概(3~5章程度と想定/文庫一冊分)
富士宮瑞人は手先が器用な造型趣味の少年。
いわゆる世間でいうところの「キモオタ」とは多少違う(どちらかというと芸術系・彫刻系で、空想を形にする事が好き。仏像とかも彫ったりする)が、造型そのものが趣味だったりするので、頼まれて美少女フィギアの原型を造り、小遣い稼ぎにしているという面も在る。
そんな中――彼は学校の近くの通学路で変な少女を見つける。
見るからに全身不吉、モノクロの巫女服(紅い部分が黒い)を着て、更に黒い蛇と黒い猫と黒い鴉(これは当たり前だが)をつれている。もう全身不吉ですよと言わんばかりの姿で、近づき難い雰囲気がある反面、財布から小銭を落としたり、道でつまずいたりと、ドジっ子な雰囲気もあったりして意味不明な感じ。
「変なのがいるなあ」と思いつつ、ちょっと面白いかな、とデジカメで彼女の写真を隠し撮り、後でフィギアのネタにしようとか考える瑞人。
瑞人はある同級生の少女に淡い恋心を抱いていた。
鹿沼琴音。
クラスでも屈指の美少女で性格も優しい彼女は人気が高く、勿論、オタクの瑞人には声など掛けられない。なのでせめて彼女のフィギアを造ったりして恋心を慰めていたりする瑞人であった(で、それを妹に見つかってキモいとか言われる)。
だが……ある日、琴音が唐突に学校を休み始める。
クラスでも指折りの美少女が休み続ける事で、生徒達は心配するが、教師も彼女の両親も『大丈夫だから』の一点張り。瑞人も心配するものの、さすがに殆ど喋った事も無い自分が彼女を見舞いに行くのも不自然と、琴音の家の前を通りながらため息をつく(瑞人の通学路の途中に彼女の家が在る)。
だが――そんな中、いきなり琴音の家から、例の不吉な格好の少女が出てきたかと思うと、瑞人をじろじろ眺めた上、何やら奇妙な道具で彼を調べた上、彼を拉致して琴音の家に連れ込んでしまう。
「な、なんですか、あなたは!?」
「呪術師の様には見えないんだけどなー」
家の中に入ると、何やら琴音の両親が暗い顔をしている。琴音が病気らしいというのは間違いないのだが、それだけではない様子。どうやらずっと看病をしているらしい母親は、瑞人が学校のクラスメートだと知ると「驚かないでやってね」と一言言って、瑞人達を琴音の部屋に通した。
果たして、そこに居たのは、全身が無惨に腫れ上がって、『美少女』の面影が殆ど残っていない琴音だった。
「これは――?」
「呪い、よ」
昔は確かに琴音は身体が弱く、よく入退院を繰り返していたのだという。だが高校に入る頃からは治療の甲斐あって病状は改善し、ほぼ完治状態だった筈だった。
改めて医者に診せても、検査した限り健康体、原因が皆目検討がつかないらしい。
結果、琴音の父親が思いあぐねてツテを辿り、知り合いから『呪い破り』の専門家を紹介して貰ったのだという。
その『呪い破りの専門家』――黒白巫女服の少女は、三途川弑子という。
姿も不吉なら名前もおもいっきり不吉。
「好きでやってんじゃないわよ。これは、私に不幸を集める為の、まあ、職業ネームと職業着ね」
要するに彼女は『祟られ屋』なのだという。
呪い、祟りを引き受け、これを駆逐する。
代々呪いに対する耐性が強い三途川家は、『不運』『祟り』『呪い』といったものを被害者ではなく自分の側に一度引き入れ、呪いが完成してしまう(被害者が死ぬ、もしくは取り返しの付かない状態になる)までの時間を稼ぎ、その間に原因を取り除くのだという。
だが――
「でもなんかこう、おかしいのよね。本来これってもっと強い祟りになる筈なんだけど、イマイチこの子に祟りが届いてないって言うか」
「それと僕が何の関係が」
「あんたの方に呪術のバイパスができてるっぽいのよ」
色々と調べた結果、瑞人が造ったフィギアが、琴音に向かう筈の呪いをそらし、バイパスというかバッファというか、そういう機能を果たしているらしい。
「形が似たもの、名前が似たものには、そういう呪術回路が生じやすいのよね。フレイザーの言うところの、『類感呪術』ってやつ。ほら、丑の刻参りとかあんなの。あれの、逆」
瑞人が造ったフィギアによって、時間を稼いでいる間に、呪いの原因を突き止めようとする弑子。行きがかり上、一緒に彼女と呪いの元を探る事に。
「実際の所、呪いなんてのは常識外れの強い願望が在ればそれだけで成立しちゃうものなのよ。後はまあ――幾つかの偶然か。丑の刻参りなんてのは有名だけど、別にあの形式でないと成立しないって訳じゃない。ああいうのは気分盛り上げて集中しやすくしてるだけ」
「はあ……」
「だから誰でもが呪いの原因に成り得る」
元々琴音は美人で男子生徒にも女生徒にも人気が在るので、やっかむ人間は多いのではないか――そんな風に判断し、同級生辺りから調べていく事に。
例えば琴音の人気を妬んでいる女生徒が居たのではないか?
例えば琴音に交際を断られて逆恨みしている男子生徒が居るのではないか?
それらしい人物は居たものの、いざ、調べてみると全員が『シロ』。
疲れてきた瑞人と弑子は公園で休みながらそんな会話をする。
「そもそもさ、誰かを呪うって、それ、呪いが成就してもきっと最終的には気持ちよくないよな。恨み続けるって結構つらいよな」
「皆、そう思えればいいんだけどな。それに――世の中、おまえが思っている程に単純でもない」
「なんか馬鹿にされてるみたいな気がするな」
「とんでもない。ほめてるんだよ」
弑子は笑う。
「そもそも、呪いってのは恨み嫉みだけで発生するもんじゃないんだよ」
「え?」
「不自然なくらいの幸運や、自分勝手な結果を、他力本願に願うこと。それが呪いの基本原理だよ。例えばほら、『大好きな彼と相思相愛になるお呪い』とか今でも少女雑誌とかに載ってんじゃないの?」
「あ-。載ってるかな(妹の雑誌を思い返して頷く)」
「あれ、おまじないって言うと綺麗けどさ。実際には『お呪い』って書くのよ?」
「…………」
「幸せになりたいが為に掛ける呪いだってあるわさ」
そんなこんなでようやく二人が突き止めた呪いの掛け主。
それは――琴音の母親だった。
「あんなに甲斐甲斐しく琴音ちゃんの看病をしていたのに!?」
信じられない瑞人。
だが弑子は納得顔で言った。
「――代理ミュンヒハウゼン症候群か」
身内の誰かが難病を患い、それを看病する自分に満足し、幸せを感じる心の病。
「じゃあ――誰かが琴音ちゃんを恨んでいたんじゃなくて」
「幸せになりたかったんだろうな、彼女の、望む、幸せの形に」
かつて琴音は身体が弱かった。
そんな彼女を看病する母親は『母親の鏡』として周囲から労られ、褒められていた。また琴音もそんな母親に依存して、よく懐いていた。
だが琴音が元気になって、母親は自分がどうして良いのか分からない。
普通の良い母親になる方法が分からない。
ずっと看病する事に全力を注いできたから――他の方法が思いつかない。また、琴音が元気になればなるだけ、家に居る時間が減ってきて、まるで、自分が必要とされていない様にすら感じてきて――
「恐らく母親は自覚が無い。だけど――だからこそ彼女が願望を集中する何かが在った筈なんだ。いつも肌身離さず持っている何か。彼女の『幸せ』を象徴するもの――」
それが、呪いの、核。
それは――琴音の闘病記録として付けられたアルバムだった。
怪物化したそれを祓い、呪いを解く弑子。
同時に限界に達していた呪いの力を受けて、瑞人のフィギアは砕け散ってしまう。
「ん。一件落着」
「一件落着じゃねえよ!? 琴音ちゃんの事も、お母さんの事も、残ったまま――」
「あたしゃ『呪い破り』だからね。呪詛を憎んで人を憎まず」
「……おい!?」
「幸せになりたいって想う気持ちをあんたは悪だと決めつけるのかい?」
「それは――でも現に娘を病気にしてまで得られる幸せって、間違ってるよ」
「それはあんたの定義する『幸せ』。幸せなんて人の数だけ形があるんだ、そんなものにいちいち正しいとか間違ってるとか、判別して回る積もりかい、あんたは?」
「…………でも琴音ちゃんは」
「そういうアフターケアは、料金外で管轄外。そういうのは、『呪い破り』じゃなくて『友達』の仕事さ」
「…………あ」
瑞人の慰めその他もあり、琴音は一人暮らしをして、母親としばらく距離を置く事に。
そして――
後日。
転校生と言われて見てみれば、弑子が教壇の上に。
「な、なんで?」
「おまえのフィギアな。呪いのバイパスにちょうどいい。仕事のパートナーになれ」
こうして、瑞人は、毎回弑子の依頼者の(祟られた者、呪われた者の)フィギアを造って、依頼者を守る、という役目で弑子の相棒となる事に――
「なんで丹精込めて造ったフィギアを毎回壊されないといけないんだよ」
「バイト代はだすぞ?」
それは思ったよりも大きな金額。
だがそれよりも何よりも、自分のやくたいもない趣味が人を救う手助けになる――そのことがうれしくて、瑞人は今日も『祟リ破り』弑子と共に奔走する事に……
■登場人物
●三途川 弑子
三途川家第二十六代目当主。代々独自の手法で『祟り破り』をしてきた三途川家の末裔。
色々な呪術やら何やらをちゃんぽんで使う怪しいオカルティスト。
呪いを自分に引き寄せやすい様にと、わざと不吉な格好をし、不吉な『三つのしもべ』をつれて歩いている。基本、モノクロが仕事着だが、実際にはパステルカラーが大好きで、普段普通の女子高生を演じている時はアニメキャラのコスプレみたいに、派手な色遣いの衣装を好む(ある種のコンプレックスから)。
基本、偉そうだが、微妙に世間ずれしていない箱入り娘。普通の女の子がしそうな遊びとか、普通の女の子が知っている御菓子とか、そういうものはまるで知らない。
(註・弑子の巫女服だが、あくまで『不吉』『変な巫女服』がコンセプトなので、先に在る様な『紅い部分が黒くなっている』のでなくても、『全身黒い』あるいは『白い部分が黒くなっている』でもあり。作画担当の絵師さんのセンス、描きやすさ優先で構わない)
●富士宮 瑞人
造型趣味の少年。アニメの美少女フィギアなんかも造ったりするので、周囲からはオタクと思われている部分もあるが、どちらかというと立体造形そのものへのこだわりが強く、殊更にアニメ好き、ゲーム好きという訳ではない(平均的かやや詳しい程度)。
とにかく想像(二次現絵含む)を立体化するという事にこだわりを持っている。
造型に関してはやたらに強弁する側面も在り、そういう部分では確かにオタク気質だが、基本的にはやや気が小さく、性格は善人。造形の腕はかなりのもので、美少女フィギアの原型を造ったりしてこっそり小遣い稼ぎをしている。
――なので実は結構、小金持ちである(貯金は多く、使っている道具もそれなりに贅沢)。ただし妹には「キモい」といわれたりしている。
弑子と行動を共にする内に「思いを形にする依り代」として色々なものが存在する事、「気持ちに物理的な実体を与える」事の功罪を目にしていく事になる。
●夜宵(やよい)/刹希(さつき)/諫奈(かんな)
弑子の『みっつのしもべ』。
それぞれカラス、ヘビ、ネコ。
実際にはある種の式神であり、喋る事も、擬人化する事も出来る(と、後々の展開用に設定しておく)。
ちなみに、空のカラス、水のヘビ、地のネコ、の担当。
三匹揃うと一種の結界を敷く事が出来る。
●鹿沼 琴音
瑞人の同級生。美少女。童顔でやや幼く見えるが、実はかつて闘病を繰り返していた為に、学校を休みがちで、年齢は瑞人より一つ上である。
素直で優しい、典型的なクラスのマドンナ。ただし自分が一年歳上である事、かつて父や母の時間をずっと拘束してきた事、そして何より、闘病中の自分の醜さが、ある種のコンプレックスとなっており、何処か周囲の人間と馴染み切れていない。
●富士宮 寿子
瑞人の妹。中学生。気の強い男勝りなスポーツ少女で、基本的に大雑把(御菓子とか絶対に造らせたらいけないタイプ)。瑞人をオタクオタクと小馬鹿にする事も多いが、根元の部分では不器用な自分と違って手先が器用で繊細な瑞人を慕っていたりもする。
概ねこんな感じで書いてます。大体私の場合、これを一本まとめるのに3~5時間てところです。
ちなみにあらすじ(梗概)はもっと短く簡素化していても問題なし。コレのあらすじはかなり詳細に書いてありますが、これは書いている間に作品やキャラの雰囲気が固まってきたので、それを覚え書き程度に書き加えている(主に台詞)為です。
■詳細プロット(シーン構成)
基本、瑞人視点の三人称。(例・「とらドラ」等)
弑子の視点、内面描写は基本的に避ける。<弑子の考えている事を示す場合は基本的に瑞人との会話で行う。シャーロック・ホームズのホームズ(弑子)とワトソン(瑞人)の関係と理解する。
○SCENE01
薄暗い部屋の中。横たわる女性の裸体(実はフィギアだが、文章的には誤解を招く感じで)とその上に刃物をかざす瑞人。割とイっちゃった雰囲気に見える。
そこにばたんと扉を開いていきなり入ってくる妹・寿子。
「御飯だって言ってるでしょ!!」
びっくりして手を切る瑞人。ドタバタと寿子と口論。瑞人は「また」徹夜で原型制作をしていた。半裸の美少女フィギアを造る為に徹夜しちゃう瑞人の事を寿子は「キモオタ」と言うが、瑞人は反論する――
(ここで瑞人の趣味が造型であること、美少女フィギアをアルバイト代わりに原型造ったりしている事、実際には造型そのものにこだわりがある為、部屋の中は美少女フィギアに限らず様々な造形物で溢れている事などを描写・情報提示しておく。寿子との口論でも、基本、気弱だが、妹に造型をバカにされると途端に強弁する処で為人を見せる。また、折角の妹キャラなので、小生意気だが最後の一線で兄妹関係は良好である事を示しておく。例えば瑞人が妹の大事にしていた何かが壊れた際にも、造型の腕で修理してやった事とか)
○SCENE02
朝食を食べて学校に出掛ける瑞人(寿子は中学生なので別に登校)。鞄の中には造型道具一式とかも入っている(いっそキャラ付けで通学鞄と別に何か造型道具や作りかけの原型が入っている独特な鞄とかを設定するのもアリか)。
通学途中、ふと立ち止まる先は、同級生の少女、鹿沼琴音の家。
琴音がしばらく休み続けている事を気にしている瑞人は、彼女の家を自分と同じく眺めている奇妙な少女を見つける。格好が白黒というか巫女服の赤い部分が黒くなった感じでまるで葬式を思わせる不吉さである。しかも黒猫に黒蛇に鴉を連れているという役満振り。
「なんなんだあれは」
怪訝に思いつつも登校する瑞人。
(ヒロイン登場のシーンなので、基本、弑子関連に枚数を割く。琴音の情報は後のシーンでそれなりに出てくるので、殊更に強調しない。あくまでヒロインは弑子なので、こちらを先に印象づける)
○SCENE03
瑞人、学校で授業中。眠い系の年寄りの授業なので、皆、寝ているか私語多い。
「そういえば鹿沼さんってもう一週間も休んでるよね」
「元々身体弱かったみたいよ。だってダブりだもんあの人」
「え? マジ!?」
聞き耳を立てている瑞人。
ふと窓辺を見ると、鴉が一羽。先程の少女が連れていたものと同じ鴉かどうか見分けがつかないが――(勿論、これは夜宵。呪詛の流れを辿っている内に瑞人に辿り着いた)
(琴音の情報提示。「過去には身体が弱かった」「休学していた事もある」等々。単調なシーンが続くので、夜宵の存在で少し引き締め)
折を見てご移動頂ければと存じます。
よろしくお願いいたします。
岡田さん>
皆さんがいい事おっしゃってるのでとりあえず横から。
「努力=しんどいもの」とは考えない方がいいです。
岡田さんの「やってて楽しい事」「でも傍から見れば努力にしかみえない」方法がある可能性があります。というか私はとことん自分に甘い人間で努力が大の苦手です。なので「効率的に小説が書ける」=「小説を書く作業の内、苦痛に思える部分は極力、機械的に作業出来る」=「やってて辛い努力はしない」為に、技術論つきつめてるところがありますし。
気楽でいいと思います。
勿論、後々プロになったりして、仕事になると、仕事としての努力、苦痛が出てきたりしますが。