二年目のクリスマスコンサート

文字数 1,659文字

            ~オリジナル作品のあらすじ~


 純はライブハウスのスター、陽子はその一番のファンです。

 ライブハウスでは人気抜群の純ですが、なかなかメジャーデビューの機会には恵まれません。

 そんな折、陽子はイタリアンレストランで働く純を見かけます。

陽子「メジャーデビューの夢はあきらめちゃったの?」

純 「別の夢を見つけたんだよ、君とずっと暮らして行くと言う夢をね」

 そして、自動販売機の前で陽子のためだけに引退ライブを行ったのです。


 結婚し、二人で小さなイタリアンレストランを営む純と陽子。

 そこにライブハウス時代の友人でライバルでもあったカッキーがやってきます。


カッキー「児童保護施設でクリスマスコンサートを開くのを手伝って欲しいんだよ」

純   「ギャラは?」

カッキー「子供たちの笑顔」

純   「乗った!」


 クリスマスコンサートは大成功、そして陽子は神様からとっても素敵なプレゼントを授かります……それは……。




2017/12/23 17:18
「今年のクリスマスはひまわり園に行けそうにないなぁ……」
2017/12/23 17:28
「うん、残念だけど仕方ないよ」
2017/12/23 17:29
「わたし、今年もひまわり園のクリスマスコンサート聴きたかったなぁ、去年のコンサートは大成功だったもんね」
2017/12/23 17:29
「うん、子供たち、楽しんでくれたみたいで嬉しかったよ」
2017/12/23 17:31
「ううん、子供たちだけじゃないわよ、スタッフの皆さんもすごく喜んでた」
2017/12/23 17:31
「そう?」
2017/12/23 17:32
「うん、わたしちょっと心配」
2017/12/23 17:32
「何が?」
2017/12/23 17:32
「だって若い女性スタッフさんたちの目がハートになってたの、純ちゃんはライブハウスでスターだった頃と全然変わってないもん、純ちゃん、モテモテになっても鼻の下伸ばしたりしない?」
2017/12/23 17:33
「ははは、いまさら何言ってるんだよ、俺はもうパパなんだぜ」
2017/12/23 17:33

「そうね……わたしたちの大事な天使……」


2017/12/23 17:34
2017/12/23 17:35
「この子がいるからあたしは行けないけど、クッキーは焼いたの、純ちゃんが配ってくれる?」
2017/12/23 17:36
「いや……」
2017/12/23 17:36
「え? どうして?」
2017/12/23 17:37
「これ以上ないってくらいの適任者がいるからさ」
2017/12/23 17:37
「え? それって誰なの?……女の人?……」
2017/12/23 17:38
「いやいや、おじいさんだよ、陽子ちゃんもよく知ってる人さ」
2017/12/23 17:38
「え? わたしが? 知ってる? だれだろう……わたしや純ちゃんのおじいさん? でも、これ以上ない適任者って……」
2017/12/23 17:39
「じゃ~ん!」
2017/12/23 17:39
2017/12/23 17:41
「あ、サンタさんね? え? これって……」
2017/12/23 17:41
「風船で出来てるんだ、ほら、まだまだこんなにあるよ」
2017/12/23 17:42
2017/12/23 17:43
「それでそんなに大きな紙袋を持って帰って来たのね? 大きさのわりには軽そうだなって思ってたんだ」
2017/12/23 17:42
「サンタさんと言えば?」
2017/12/23 17:43
「あ、わかった! クッキーを入れた袋をサンタさんに担いでもらうのね?」
2017/12/23 17:44
「そう! 良いアイデアだろう?」
2017/12/23 17:45
「うん! 最高よ……でもサンタさんのバルーンアートをこんなに沢山、どうしたの?」
2017/12/23 17:45
「最近よく店に来てくれる年配のお客さんがいてね、昨日カッキーが打ち合わせに来た時、俺達の話を小耳に挟んだらしいんだ」
2017/12/23 17:46
「うん、それで?」
2017/12/23 17:46
「その人、子供たちを笑顔にするのが大好きでバルーンアートを趣味にしてたんだけど、会社を定年退職した後はそれを新しい仕事にしちゃったんだって、クリスマスの夜はもちろん他からお声がかかってるんだけど、施設の子供たちを笑顔にするためならばって、さっきこれをわざわざ店に届けに来てくれたんだよ、サンタさんがクッキーの袋を担ぐのもその人のアイデア」
2017/12/23 17:47
「素敵! じゃあ、このサンタさん、子供たちの人数分あるのね?」
2017/12/23 17:47

「えへへ……一つ余計にお願いしちゃった……はい、これ……一日早いけど、メリー・クリスマス」


2017/12/23 17:47
2017/12/23 17:48
「え? これ、わたしのサンタさん?」
2017/12/23 17:48
「袋を担いでるだろう? 開けてみて」
2017/12/23 17:49
「うん……純ちゃん、これって……」
2017/12/23 17:49
「ベビーリング、この子の誕生石のオパールだよ、ちっちゃい指輪だからオパールもちっちゃいけど、ペンダントに」
2017/12/23 17:50
「とっても綺麗……素敵なプレゼント……大事にするね」
2017/12/23 17:50
「うん、この子と同じようにね」
2017/12/23 17:51
2017/12/23 17:51
「さあ、そうと決まったら、サンタさんに担いでもらうクッキーの袋を用意しなきゃ」
2017/12/23 17:51
「そうだね」
2017/12/23 17:52
「サンタさん、明日は子供達たちにいっぱい笑顔をプレゼントして下さい……」
2017/12/23 17:52
2017/12/23 17:52
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

陽子

天使ちゃん

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色