サイクロプス

文字数 7,749文字


【考察論】
 インパクト絶大な〝ひとつ目巨人〟です。
 あまり使われませんが〈キュクロープス/キュクロプス/キクロプス〉という発声もあります……と言うか、本来はコチラが正式な発音に準じており〈サイクロプス〉は英語圏発声(本稿では基本的に〈サイクロプス〉と記述します)。
 語源は『丸い眼』になります。
 出典はギリシア神話。
 面白いのは両極端な2タイプが語り継がれているという点で、即ち〝下級神としてのサイクロプス〟と〝怪物としてのサイクロプス〟の二種です。
 これは別物にして、その反面〝西洋竜/東洋龍〟〝ワーウルフ/ウルフマン〟〝ゾンビ/リヴィング・デッド〟のような根本解離存在には非ず。
 そもそもは〝下級神としてのサイクロプス〟こそが原点ですが、後に廉価的に堕とされたのが〝怪物としてのサイクロプス〟という事で、要するに縁線上の分岐です。




 まず〝下級神としてのサイクロプス〟ですが、ここで注意したいのは個体名ではないという点。
 彼等は〈天空神ウラノス〉と〈大地母神ガイア〉の間に生まれた三兄弟で、各個人名は〈アルゲス:落雷・稲妻の意〉〈ステロペス:電光・雷光の意〉〈ブロンテス:雷鳴の意〉と言います。
 つまり〈サイクロプス〉とは〝種族名〟或いは〝括り名〟ですね。
 ですが、父神たる〈ウラノス〉からは忌避に嫌悪され、兄弟種たる巨神族〈ヘカトンケイル〉共々に奈落世界〈タルタロス〉へと堕とされました。
 やがて〈時空神クロノス〉が父神〈ウラノス〉を殺して統率権を掌握します。この〈クロノス〉は弟種に当たる巨神族〈ティターン〉の出自でしたが、兄弟種族に当たる〈サイクロプス〉〈ヘカトンケイル〉を解放する事はせず、彼等はそのまま拘禁継続という冷遇に置かれます。
 しかし、次世代〈オリンポス神〉軍勢と巨神〈ティターン族〉軍勢による下剋上聖戦〈ティタノマキア〉の際に、オリンポス神の中核者〈主神ゼウス〉によって解放されました。
 この恩赦に対してサイクロプス達は〈主神ゼウス〉に〈雷霆〉を……〈海神ポセイドン〉に〈三叉銛〉を……〈冥界神ハーデス〉には〈隠れ兜〉という神器を造り上げて贈呈。
 聖戦は〈オリンポス神〉の勝利となり、これを機に彼等が栄華を誇る神話時代へと突入しますから、現在認知されている『ギリシア神話』に陰ながら多大な貢献をもたらしたと言っていい重要な存在です。
 ちなみに聖戦以降は〈鍛冶神ヘパイストス〉の下で師事を受けていたと云われています(その一方で、ゼウスの〈稲妻〉で息子を失った〈太陽神アポロン〉から怒りを買い虐殺されたという異説も在ります)。
 実は、このようにれっきとした〝神格〟であり〝精霊暗喩〟としての存在だったのです。



 続いて〝怪物としてのサイクロプス〟について。
 これのルーツもまたギリシア神話に見られますが、先述の神話よりも後世になります。
 それは古代ギリシア詩人〝ホメロス〟による叙事詩大作『オデュッセイア』で、史上最初の『小説』とも云われています。
 内容は英傑王子〝オデュッセウス〟がトロイアから故郷イタケへと帰還するまでの冒険航海を描いた物語ですが、その劇中に登場する〈ポリュポメス〉という個体こそが後世に氾濫する〈怪物型サイクロプス〉のルーツと見ていい。
 この〈ポリュポメス〉はギリシア神話に於いて初めて登場した〈獰猛性質型サイクロプス〉であり、オデュッセウスの仲間を次々と捕らえては飲み込んでしまいます。最後にはオデュッセウスの策により酒を飲まされ、酩酊したところで単眼を潰されて退治されました。
 ところが『オデュッセイア』では、この〈サイクロプス〉を〈海神ポセイドン〉の息子と設定しており、先述の『ティタノマキア』とは出自背景が異なるのです。
 つまり別物。
 実際、元祖たる〈サイクロプス三兄弟〉が(下級神とはいえ)高尚知性型異形と描かれていたのに対して、こちらの〈ポリュポメス〉は神性は欠片ほども無く〈人喰い巨人〉でしかない。
 明確に継承している共有項は〝単眼異形の同名巨人〟という点のみです。
 ゲーム等で〈排斥怪物〉として広まった〈サイクロプス〉は、間違いなく〈ポリュポメス〉の方をベースにした像と解釈して善い。
 ですから、こうした〈怪物型サイクロプス〉の基本性質を分析すれば〈巨人〉の中でも知性は低く、その一方で狂暴性&獰猛性は極めて高い。不運な遭遇者は捕らえられて食われてしまう末路……という食人性質も準拠に備わっています。
 おそらく〈巨人〉の中でも狂暴性は随一なのではないでしょうか。
 してみると、日本妖怪〝一つ目鬼〟等にも近しい印象にありますが〈サイクロプス〉の方はとにかく鈍重な巨体です。



 実は日本妖怪にも〈怪物型サイクロプス〉に酷似した単眼鬼が存在します。
 それは『出雲国風土記』に登場する〈目一鬼:まひとつおに〉で、島根県に存在した〝阿用郷〟に出現したと伝えられています。この阿用郷は、当伝説に於いて〝阿欲の郷〟と命名され、後年に〝阿用〟と改名された経緯にあります。

 出典『出雲国風土記』の記述によると──
 その昔、この地にて山田耕作をしていた家族がいました。
 しかし、ある日〈目一鬼〉が襲来して、彼等の息子を喰らってしまいます。
 恐れおののいた父母は竹藪に身を潜めていましたが、竹の葉が微かに揺れ動いたのを見た息子は〝父母が自分を見捨てた〟という事を悟り「あよあよ:動動(動いたの意)」と悲嘆の断末魔を洩らした。
 ここから、この地は〝阿欲の郷〟と名付けられたそうです。

 この鬼に特に固有名は無いのですが、それだと何かと不便なので妖怪オタ層からは便宜的に〈阿用郷鬼/阿用郷の鬼〉とかも呼ばれます(完全に〈フランケンシュタインの怪物〉現象ですな)。ちなみに私自身も頓挫ゲーム作品『天上天下 大剣斬 』にて登場させましたが、やはりネーミングに困惑して模索の末に〈阿欲鬼〉と独自命名していました……が、後年WEB創作に推移して調べてみると、既にこうした命名風潮に在ったようですね。
 少なくとも『出雲国風土記』に於いては〝日本史上初の鬼〟として登場していますから、これに準ずれば〝原初の日本妖怪〟という事にもなる。

 この鬼の登場としてはこれだけで、特に退治譚も書かれていませんし詳細背景も不明。
 ですが、ものの見事に〝獰猛な人喰い単眼鬼〟という性質は〈ポリュポメス〉と合致しています。
 私的考察ですが、これもまた『ペルセウス型神話』と同じプロセス定着の可能性は否めない(『ペルセウス型神話』については『モンスターコラム:ドラゴン』を参照の事)。
 この『目一鬼↔サイクロプス』の類似性も、神話の形骸自体は『ペルセウス神話』にないにせよ、同様の波及プロセスによって輸入された可能性は否めない……と考えています。
 ま、あくまでも私の独論であって真偽不明ですけれど。



 先述の通り〈神性型サイクロプス〉は〈下級神〉の一種であり〈怪物型サイクロプス〉とは比較にすらならない高次存在です。
 とりわけ驚かされるのは〈単眼巨神〉という蛮族めいた容貌に反して〝鍛冶製鉄〟の技能は突出しているという点。
 何せ戦局を引っくり返す〈神器〉を造り上げ、尚且つ、それらは後々に於いても〈ゼウス三兄弟〉の絶対的支配力誇示と機能しているワケですから、到底軽んじて済むような存在ではない。
 この突出した特技と最大特徴である〝単眼〟は、実は無縁ではありません。
 必ずしもではありませんが、妖怪学視点の分析として〝単眼は鉄鋼鍛冶職の暗喩〟という説もあります。
 古代に於いて加工技術が難儀だった製鉄は、その技工だけで神憑り的な特殊技能と捉えられ、また、それを保有する鍛冶職も特別視に価する存在であった(例えば『桃太郎』に登場する〈鬼〉も〝鍛冶職部族の暗喩〟という異説があります)。
 で、そうした古代鍛冶職は現代と比べて粗雑な工房環境ですから、当然ながら安全面は万全ではない。
 飛び散る火の粉や閃光で失明して片目となる事もしばしばと考えられており、そうした風貌が〈単眼妖怪〉とアレンジされた……という分析が為されています。
 だから〝単眼〟にして〝卓越した鍛冶技能者〟でもあるという設定が多いのです。
 例えば日本神話の〈天目一箇神:アメノマヒトツノカミ〉〈天津麻羅:アマツマラ〉は共に〈鍛冶神〉であり、先述の〈目一鬼〉も一説として〈天目一箇神〉の霊落暗喩と研究されている。単眼一本足の妖怪〈一本だたら〉もまた〈天目一箇神〉の霊落暗喩という異説に在って、同時に、その名前から〈たたら製鉄〉との関係性が指摘され続けています。



 また、このモンスターでは殊更無視できない考察要素として〈単眼症:英名称『サイクロプス』〉の誇張表現という可能性も考えられています。
 これは先天性奇形の一種で、本来は左右分離に形成されるはずの眼胞が発育異常によって単眼形成に生まれてしまうケースです。
 私は常々「モンスターは自然現象や社会風潮の暗喩」と唱っていますが、実は史実に於いて〝身体障害や奇形への忌避迫害心理〟を織り込まれているケースも多数在ります。或いは、そうしたものの単一的発想ではなく、社会暗喩等との同期複合的な場合もあるでしょうが……ともかく、そうした側面も〈怪物〉には色濃いのも事実なのです。
 こうした障害を持つ人達は当時的には日陰者と生きるしかなかったのですが、しかしながら彼等にしても稼がねばならない。とはいえマトモな職に預かれる可能性も低いですから、そうなると〝自らの容貌〟を〝独自無二の武器〟と転化する生計策を以て見世物小屋などで奇異好奇心の晒し者として〈フリークス〉などと蔑称されるままに不本意を呑み殺しながらも〈異形/忌避怪物〉を演じ続けるしかなかった。
 痛ましくも悲しい〝負の堂々巡り〟です。
 これまでは敢えて〝こうしたケースには触れないように〟コラムを書いてきました……非常にデリケートな問題ですし、場合によっては(内容文の真意を汲まないまま表層だけで)「差別思想の内容だ!」と荒立てる層もいますから。
 しかし、現代ではともかく、昔は〝そうした差別意識〟が罷り通っていたのも〝紛れもない現実〟で、実はそれなりに近代化が始まった頃にもありました。
 こうした背景が〝史実〟としてあったという〝事実〟は〝現実〟として認識せねばならないと思います(何でもかんでも取って付けたラッピングをして忘却封印させれば善いというものでもない)。

 例えば名画『オズの魔法使い(1939年作品)』なんかも、そうした時代背景を孕んでおり、劇中のオズ住人〈マンチキン〉は〝小人症〟の人達をリアリティー演出意図(特撮感覚)で起用している。
  DVD映像特典収録のインタビュー映像にて主役〝ドロシー・ゲイル〟役の〝ジュディ・ガーランド〟は「(悪意無き自然体で)撮影中〈マンチキン〉役の人から食事に誘われたりしたけど……さすがに断ったわ」「どうして?」「だって、言えないでしょ? 小さいからなんて(会場大爆笑)」なんてトンデモ差別発言をジョークめいて発していました。現代なら大問題です(ついでに言えば、この当時映像を成人した娘さんに見せてコメント求める映像特典スタッフも悪意的でどうかしている……そりゃ困惑に「母を知っている人は分かると思うけど、これは母なりの冗談だったと思うわ」と苦しい言い訳に逃げるしかないやろ……可哀想に)。
 また、同じく『オズ』の原作シリーズでも「もう少しでフリークスになるところだったよ」などとトンデモ台詞がサラリと出ている。
 夢と魔法のユートピアでさえ一皮剥けばこの装丁です。

 そうした世相を前面に押し出した問題作が、カルトホラー映画『フリークス(1932年作品)』。
 サーカス団内部の愛憎を赤裸々に描いたサスペンス物語ですが、公開当時は多くの国々で問題視されて長らく上映禁止のタブー作品と封印されていた経緯に在ります。日本でも『怪物團』の邦題にて公開されましたが最初期公開後は同じく封印処置にされています。
 何故か?
 この作品に多数登場する奇形人物達は〝本物〟だったからです。
 監督は『魔人ドラキュラ(1931年)』の〝トッド・ブラウニング〟でしたが、その撮影現場はハリウッド内でも異端視に忌避され「薄気味悪い」とか「異常だ」等と後ろ指状態に晒されていました。監督自身も「アイツは精神異常で悪魔みたいなヤツなんだ」と軽蔑視されるようになり、或いは食堂にて『フリークス』のスタッフや演者がいると他作品スタッフからは「飯が不味くなるから追い出してくれ!」とクレームが入る始末。
 現代では考えられないでしょうが、それが〝当時〟の背景だったのは〝現実〟なのです。
 肝心の作品は、奇形者の方にこそ感情移入視点が据えられ〝身体障害ながらも人間味に在る純真〟と〝五体満足ながらも強欲無慈悲な悪党〟との対比で「真の人間らしさとは何ぞや?」と如実に訴えてくる作品です。この年代のホラー映画にしては珍しく重厚な人間模様に重きが据えられており、かなり異端ながらも高完成度の名作。
 ちなみに脱線──。
 かつて週刊少年ジャンプの漫画大賞結果発表を何気に見ていたら、佳作の『異能バトルもの』が排斥怪物を〈フリークス〉と名付けていて「Σうぉい!」となりましたw
 先述の映画『フリークス』は、それこそ〝知る人ぞ知るカルト名作〟として『ホラーアーカイブ本』でも取り上げられる事も増えましたから、それを見て安直に「異形怪物だからコレでいこう! カルト名作なら知っている人も少ないからマニアックにも映るし!」となったのかもしれませんが……ここまで読めば解るように〝悪戯に使って済む呼称〟ではありません(況してや排斥怪物になどと)。多分、この人はアーカイブ知識のみで原典を観てないまま、それに関する時代背景も勉強していない……だから言葉の真意も判ってないで使ったのでしょうね。
 ですが、それに対する編集部評価も「〈フリークス〉という怪物のアイディアは独自性があって面白かったが云々」……Σうぉぉぉーーい!
 大丈夫か? コイツら?
 仮に受賞掲載とかになっていたら、天下のジャンプも人権保護団体と揉めて世界規模の大炎上だったぞ?
 最悪、ジャンプ自体も潰されていたかもしれん。
 まぁ〝単語〟や〝現実〟として存在している言葉なのですから「使ったらアカン!」とは言いません。
 言いませんが……安直に悪戯で使って済む言葉でもない。
 仮にみなさんが使う場合は、そこは肝に刻んだ上で使って下さいね?



 些か〈サイクロプス〉から脱線しまくったので方向修正。



 サブカルチャーに於いても〈サイクロプス〉は多々登場してはいます。

 怪物映画では『シンドバット七回目の航海(1958年/アメリカ作品)』が有名でしょう。
 ストップモーションアニメーションの神様〝レイ・ハリーハウゼン〟による創造です(ハリーハウゼン御大については『モンスターコラム:スケルトン』を参照にして頂きたく思います)。
 単眼一角巨人という点は踏襲しているものの体色は肌色で青くはない……ですが、そもそも「体色は青い」等とは伝説に記されていないのでコレは正解(のひとつ)。
 私自身も「体色は青」というイメージがあり、だから今回のイラストにても反映しています。
 コレは何処から涌いた先入観なのだろう?
 私的に『サイクロプスの謎』のひとつですwww

 また2008年には、そのものズバリをモチーフ題材にした『サイクロプス』という怪物洋画もあるそうな。
 ですが、私は未観なので一切語れません(悪しからずw)。
 チロッとググって画像を見てみましたが……平成期にはよくある『安物CGのB級怪物映画』の臭いがプンプンでした。
 ま、観ない事には解りませんが(B級とて秀作はありますからね)。

 昭和特撮っ子なら『仮面ライダーX』に登場した怪人〈キクロプス〉を思い浮かべる人もいるでしょう。
 この作品の敵組織〈GOD〉は前半の怪人を〈神話怪人〉と方向性付け〈ギリシア神話怪物〉をモチーフとしていました。
 コイツは〈ライダー怪人〉ですから等身大となっていますが、他の〈派生サイクロプス〉と比べても独自性に在るデザインは秀逸。手にした白骨型棍棒のビジュアル的説得力も相俟って〈派生サイクロプス〉としては、かなりカッコイイ。
 ってか〈GOD神話怪人〉って総じてカッコイイ。

 大衆娯楽サブカルに於ける最も有名な〈派生サイクロプス〉は、おそらくアメコミ作品『X-MEN』に登場する戦隊リーダー格〈サイクロプス〉でしょう。
 彼は〈ミュータント:突然変異体人類〉であり、その両目からは自制利かぬ破壊熱線を放出し続けてしまいます。それを制御コントロールする術を付随させるのがコスチュームのゴークルで、コレを〝単眼〟と転化解釈して〈サイクロプス〉というコードネームが宛がわれています。

 また王道的な印象ながらも強く存在感を刷り込むのが、ゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズに登場する〈サイクロプス〉ですか。
 キャラクターデザイン〝鳥山明〟氏の洗練されたセンスとタッチにより描かれ、オーソドックスながらも存在感抜群。
 煽りアングルにて演出された圧迫的な巨大感と、そのアングルだからこそ生じる見下ろし単眼(そして邪悪な嘲笑面)は、一枚絵表現ながらも「さすが! 実力派の鳥山明!」と賞賛したくなるハイセンスな構図です。
 テレビゲームという性質上、色換えで本来は異なる容姿の〈ギガンテス〉とかにされたりもしますけれど……そこは御愛敬w
 あ! もしかして、ここからか?
 さっきの『サイクロプスの謎』は?www

 改めて拾い上げてみれば、王道な〈サイクロプス〉も在るには在りますが、それ以上にイメージソースとして拝借した〈派生サイクロプス〉の方が圧倒的に多い印象は拭えないですね。
 裏を返せば、それだけ『カッコイイ』という印象にも在るのでしょう。
 ま、確かに〈単眼〉というのはカッコよく締まった印象には映ります。
 好例としては『機動戦士ガンダム』の〈ジオン軍モビルスーツ〉の魅力なんかは、それ(だから『F91』や『Vガン』の敵機は「モノアイに代わる次世代意匠を!」という意気込みは窺えども定着&支持には実らなかった)。



 どうしても〈巨人〉というモンスターは〝山のように巨大な体躯〟という特性のみで容貌的には〝人間そのもの〟ですから、強大な猛威性に反してビジュアル的にはマンネリズムに在って新味に欠けます(そうした背景から鑑みるに『進撃の巨人』は、よくもまぁ〝怪物然〟とアレンジしたなぁ……と素直に感嘆)。
 その中でも〝怪物らしい怪物〟と機能する異形性に在るのが〈サイクロプス〉と〈青銅巨人タロス〉と言えましょう。
 正直に暴露すれば、本稿挿絵のイラストは、当初〈青銅巨人タロス〉として着手したものでしたが、見映えのする異形性を模索する中で自然と〈サイクロプス〉へと推移した経緯にあります。
 それだけコイツのインパクトは絶大という事なのです。


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