第25話 空襲受けても、お尻の穴はほぐします

文字数 3,676文字

 ミンが何か言い返す前に、グランがミンの後ろ髪を引っ張る。

「ウゥンッ! や、やめて……!」

「そう言いながら、心の中で時間を数えているんだろう? 
 長時間、自分達が何の音も発しなければ、他メンバーが怪しむと」

 内心を見透かされて、ミンはドキリとする。
 グランがそれを見越しているということは、すでに手を打っているのか?
 次の瞬間、一時的にグランが無音の魔法を解いた。

「空だ! 空から無数の魔物どもが襲ってくるぞ!」

 グランの警告で、他のパーティメンバーが空を見上げる。
 いつの間にか、空が緑に染まっている。
 デスフラッターは、体表が緑色の(からす)型の魔物だ。
 大軍でやって来て、不自然なほど巨大な(くちばし)と鋭利な爪で空から攻撃してくる。
 その素早さも無視できない。
 もっとも、世界二位パーティにとっては取るに足らない敵だ。
 ただ、足場が悪過ぎる。
 平地ならすぐにデスフラッターどもを全滅させられるメンバー達が、長期戦を覚悟する。

 空一面のデスフラッターを見ながら、吸血鬼の国・ブラムスに近づいていることを、ミンは実感する。
 大軍に出くわしたことは何度もあるが、空一面を覆うほどの数は初めてだ。
 グランは再び、無音の魔法をかけ直す。
 ミンの後ろ髪を引っ張りながら、のけぞって露わになったうなじに舌を這わせる。

「や、止めて……汚らわしい」

 急所の髪を掴まれているせいで、先程までの威勢はない。
 グランはミンの武闘着を上下とも、素早く()いでいく。
 (またた)く間に、ミンはパンティ一枚にされてしまう。
 うなじを這っていた舌で唇を舐められ、口内を蹂躙される。
 その間、グランが股間に伸ばした手で、パンティ越しに秘部をさすられ、

「ああ、ああん……い、いや、でも……ああ」

 と甘い吐息をついてしまう。

 その時。
 思わず、ミンの全身に力が入る。
 闘志と殺意が湧き立つ。
 ヴァルキリーの、そして武闘家としての本能が「戦え」と体に命じる。
 空から、無数のデスフラッターが襲いかかってきた。

「あんな雑魚どもに気を払うな。お前は快楽に身を(ゆだ)ねることに集中しろ」

 グランにそう言われるが、数が尋常ではない。
 しかしその直後、グランの言葉の意味を知った。
 何の前触れも無く、ミンとグランに襲い掛かろうとしたデスフラッターの第一波が、切り裂かれて鮮血と内臓を宙にバラ巻く。
 それすらも、空中で再び切り刻まれてしまう。

「辺り一帯に、物理防壁を張ってある。
 防壁に上重ねで風刀をかけておいた。
 近づくバカ烏は、切り刻まれるだけだ」

 他のパーティメンバーも、死亡はもちろん、後に傷が残るほどのダメージを負わないよう手は打った。
 空の所々に物理防壁をかけたのだ。
 これで、大量のデスフラッターに一気に襲われることはない。
 つまりグランは、空中に見えない障害物を何ヶ所か仕掛けたのだ。

 物理防壁に衝突したデスフラッター達は、衝撃で跳ね返る。
 勢いよく飛び込んできたモノの中には、物理防壁がカウンターとなり、衝突の衝撃で絶命するモノまでいた。
 また、デスフラッター全ての攻撃と守備力を下げてある。
 さらに保険で、視覚をボヤけさせておいた。
 これで、デスフラッターはパーティメンバーの体温と臭いだけを元に、的を絞らなければならない。

 仲間達の健闘に安堵していると、

「あっ、そ、そこは恥ずかしい……」

 グランに片腕を上げられ、脇を舐められる。
 行軍で汗をかいた。
 むれた脇を舐められるのは、ひどく恥ずかしかった。

「牝特有のむれた香りと酸味が香ばしい。いい脇だ」

 グランに褒められ、思わずミンは上気し、頬が朱色に染まる。
 いい気になった直後、純白のパンティをズリ下ろされる。
 さらに片足から、パンティを抜かれる。

「そこの岩に手をついて、尻をこちらに捧げろ」

「そ、そんな屈辱を受けるいわれは……アッ!」

 パシッン!
 グランに頬をぶたれる。

「昨夜から、何も学んでいない。
 まずお前自身が、お前の中になる男関係の劣等感を抜け。
 そこに俺が、イチネンボッキを注ぎ込んでやる。
 そうやってお前はいい女になり、最後は牝奴隷まで堕ちる。
 そこまで本物の牝になってようやく、世界一位になれる。
 同じ戦士系のムサイとウザイを追い抜けるぞ」

 それは悪魔の誘いだった。

 戦士系世界ランキング一位、ムサイ。
 そして、ウザイ。
 ムサイの剣技は目で追える早さではなく、天空の塔での冒険では流星を斬ったと伝えられている。
 ウザイのタンク能力は、抜きん出た防御力と自治再生能力はもちろん、上手く敵の攻撃を自分に集中させる戦術と、それを受け流す能力が超一流だ。
 シールドクラッシュもさることながら、魔法攻撃や中剣での攻撃も秀でている。
 天空の塔での冒険では、塔を直撃しそうになった流星を受け流したと伝えられている。
 そんな二人を追い抜けるのか、この自分が。
 武闘家として、世界最高峰の二人を追い抜けるのなら、悪魔に魂を売ってもいい。
 そう考えてしまうほど、実力差は激しい。

「昨夜、俺から精を受け取っただけで、すでに心身に変化が現れているはずだ」

 グランの言うとおりだ。
 体は軽く、一つ一つの動きにキレがある。
 その自覚はあった。

「お前がこのセレナパーティを大切に思い、
 世界ランキングの頂点にいかせたいなら、
 俺のイチネンボッキを受け取り、
 まずお前が世界ランキング一位にならなければ、
 何も始まらないぞ」

 グランの言うとおりだ。
 イチネンボッキのスキル能力には、すでに触れている。
 本物だ。

 ミンは固く目を閉じながらも、岩に両手をつき、尻を突き出す。

「そうだ。少しずつでいい。少しずつ素直になれ。
 ご主人様に奉仕することを覚えろ。
 それが立派な牝奴隷への第一歩だ」

「や、やっぱりイヤ!」

 牝奴隷という単語を聞いて、ミンが抵抗を始める。
 が、遅い。
 すでにグランが、ミンの腰をガッチリ掴んでいる。

「最後の最後まで抵抗する、お前のその心意気を、俺は好ましく思う。
 無抵抗の牝を犯し続ける毎日は、飽きるからな」

 グランが残忍で、下卑た笑みを顔に浮かべる。
 世界一位の魔法使いとは違う顔を見せる。

 グランは片手でミンの腰を抑え、逃げられないようにする。
 そして腰の布袋から、ドロリとした液体を右手の人差し指にたっぷりつける。
 その人差し指を、ミンの尻穴にまず塗りたくり、中にゆっくりと挿入する。

「アアムゥッ!」

 女の最も奥底に指を刺し込まれ、ミンが悶える。

「多少、薬学をかじっている。お前の尻穴に塗り込んでいるのは、媚薬だ。
 飲む媚薬もあるが、尻穴には塗る方がいい」

 ミンに解説してやりながら、人差し指で尻穴をねじりながら、ほぐしてやる。

「前の穴も、指が千切れるほどの締まりだった。
 だが尻穴は、その数倍は圧が凄まじいな。
 これは楽しみだ」

 グランは本当に楽しそうに、ミンの尻穴をほぐしていく。

「この媚薬の効能は、淫心(いんしん)()き立てるだけじゃない。
 尻穴に捻じ込んでやれば、ほぐれて開いてくる。
 媚薬をケチらないことが大事だ。尻穴調教は根気に始まり根気で終わる」

 布袋に何度も人差し指を浸しては、ミンの尻穴に入れる。

「アッグウゥゥゥッ……な、何、何なの、これ!?」

「媚薬が早速効いてきたか。だが、尻穴がまだ開いていない……。
 よし、もう指を二本入れてもいいな。しかし、予想以上の締まり具合だ。
 これは時間を取られるな」

 ほんの一瞬、グランがミンを嬲るのをやめる。

「デスフラッターどもの動きを鈍くした。これで、時間ができた」

 岩に手をつき、露わになった尻を突き出したまま、ミンは空を見上げる。

 グランの実力を何度か目の当たりにして、それでも驚愕する。
 デスフラッターの数は当初より、目に見えて少なくはなっている。
 それでもまだ、数え切れないほどいる。
 その全ての個体に、動作鈍麻の魔法をかけたというのか。
 グランの世界ランキング一位パーティの所属を、「勇者リーナの幼馴染だから、その縁故で」と(さけず)む者達がいる。
 その連中が、どれだけ間抜けか実感する。 
 また首脳会議が、グランの存在を忌々しく思っていながら、追放しない理由も頷ける。
 実力が、突き抜けている。
 その実力の源泉は、イチネンボッキだ。
 その超絶スキルの一部が、自分のものになる。
 それは危険で甘い誘惑だった。

「アッグウムウウゥッ!」

 媚薬で潤っているとはいえ、尻穴に二本指を挿入された瞬間、脳天を突き抜けるような快楽の電撃が走る。
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