文字数 352文字

 その星には、草深く木々が連なる広大な森があった。

 森はどこまでも続き、そこに住むものが迷うこともしばしばあるほどの広さだ。

 森は三つの地域にわかれていた。

 東の森はサイハナの森といい、草木から生まれる羽のついた精霊族が住んでいた。
 西の森はシャンヨークの森といい、背に翼をもつ有翼種族が住んでいる。
 南の山はキザンの山といい、頭に角をもった鬼族が住んでいた。

 森の中央には、ソウテン湖という空が映り込む美しい湖があった。
 三つの種族は、このソウテン湖で交流し、おのおの作るのが得意な物品をもちより、物々交換をして自給自足の生活を送っていた。

 多少のけんかはあれど、各種族間では大きな争いごとはおこらない

 この森にすむ生き物はみんな、いつしかこの森のことを、『大森林(ダイシンリン)』と呼んで、そこで平和に暮らしていた。
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