後日談
文字数 2,023文字
「心拍停止!」
「電気ショック!1,2,3・・・もう一回!1,2,3・・・」
「心拍戻りました!」
「よし、強心剤!」
鬼子の本成フルパワー攻撃を、ほぼ不意打ちに近い状態で直撃を受けたついなは結局入院緊急手術を受ける羽目になった。
「ちょっとやりすぎたかしら」
手術室の前で反省する鬼子。
「そうよね。さすがに可哀そう。ついなちゃん、まったくの無関係だし」
「田中さんは反省しましょうね」
「う・・・はい、反省してます。でも、あれって本来は私に向けて撃ったのよね。私死んでない?」
「田中さんでしたら死体なんて残ってませんよ。むしろ生きてるついなちゃんが末恐ろしいくらいです」
「私殺されるところだったの?」
「だから反省してますって。今回の入院手術費用は私が持ちます」
・・・この決断が大問題を引き起こす事になろうとは、今は誰も気が付かなかった。
「な、何ですかこの金額は!}
病院から送られてきた請求書をみて、鬼子は驚愕を隠せなかった。
「どうしよう。払えない、って事はないけど、晩御飯のおかず、当分焼いたちくわ2本だけになっちゃう」
それでも払わないわけにはいかない。
数日後
「ちくわ、飽きた」
「贅沢いわないで、こにぽん。もうしばらくすれば収支も安定して元に戻るから」
「それいつ?」
「ついなちゃんが退院して、費用が確定すれば計画もたつわ」
「でもそれ、分割払いだと1年は掛かるんじゃ」
「そ、それはそうだけど・・・」
鬼子は思った。これ以上こにぽんにひもじい思いをさせるわけにはいかない、と。
(どうした物かしら・・・)
その時、鬼子の脳裏に悪魔の囁きが蘇った。
『稼ぐならおっパブ』
「ここね」
履歴書を握りしめ、鬼子はある店の前に立っていた。
その名も『ピンクマウンテン』
「おっパブって何をしている所なのかしら。5変態推奨だから、ろくでもない店には違いないけど、背に腹は代えられないわ」
「日本鬼子さんですね」
「はい、よろしくお願いします」
店を前に逡巡はあったものの、それでもこにぽんの為、面接を受ける決断をせざるを得なかった。
「まず当店では時給2000円、完全週休二日制で社会保険完備。年に1回、社員慰安旅行があって全員で温泉等に行きます。家族同伴可」
「それはすごいですね」
あまりと言えばあまりの好条件。
「従業員の皆さんには負担を掛けていますから、これくらいはします。この業界、人の出入りも激しいですし、優秀な人には居ついてもらいたいですから」
「それで私は何をすれば」
「合格して従業員となったら、この制服を着用の上、勤務してもらいます」
渡された制服をみて鬼子は不振に思った。
「これ、ミニスカートだけで上がないですが」
「うちはおっパブですから、上は裸です」
「え?」
「ですから上半身裸で、ミニスカートだけで接客していただきます。スカートの下は、はいてていただいて結構です」
「え?」
「あなたならすぐにトップ目指せますよ。いやぁ、こんな美人さんに来てもらえるなんて」
と、店長は鬼子の履歴書に目を落とした。
「あ・・・これ・・・残念です。本当に残念です」
「何がですか?」
「年齢制限に引っ掛かります。30歳未満を募集しているんです。あなたほどの人なら、多少のオーバーは目を瞑ってもいいのですが・・・何百歳サバよまないといけないんですか。BBAはいりません」
鬼子の中で、何かが切れた。
「フ、フフフフフ」
「ど、どうかしましたか?」
尋常ではない鬼子の様子に気付き店長が僅かに怯えを見せながら質問した。
「結局年齢かあ!私のどこがお婆ちゃんだ!とーれとれピッチピッチのこの体!どこに出しても恥ずかしくないじゃろがい!!!」
「いやでも実年齢・・・」
「せからしか!」
逃げ出す店長を捕まえ、ボッコボコに殴る蹴るの暴行を繰り返す。
「待って!痛い!助けて!・・・でもこの感覚、なぜか癖になる・・・!もっと!もっとお!」
「殴られたいか?蹴られたいか?いいぞ、やってやる。だがな」
「はい、分かっています。鬼子様!」
「あ、鬼子さん、おはよう」
「はい、田中さん、おはようございます。朝ご飯食べられました?」
「食べてきたけど、大丈夫?お金ないんじゃないの」
「ええ、金ズ・・・出資してくれる協力者が現れまして」
「へぇ、良かったじゃない」
「そうなんですよ。おかげで後10年は戦えます」
「鬼との闘いは大変だしねぇ」
「はい、それでですね」
「どうしたの?」
「戦いが激化の一途をたどるので、戦い方にも変化が必要になると思うんです」
「それはそうね。相手も学習して強くなるし」
「だから新しい武器を試して見ようかと」
「いいと思うわよ」
ニィ。鬼子はアルカイックスマイルを浮かべた。
「それで、鞭ってどこで売ってるか知りませんか?」
守りたいこの笑顔
「電気ショック!1,2,3・・・もう一回!1,2,3・・・」
「心拍戻りました!」
「よし、強心剤!」
鬼子の本成フルパワー攻撃を、ほぼ不意打ちに近い状態で直撃を受けたついなは結局入院緊急手術を受ける羽目になった。
「ちょっとやりすぎたかしら」
手術室の前で反省する鬼子。
「そうよね。さすがに可哀そう。ついなちゃん、まったくの無関係だし」
「田中さんは反省しましょうね」
「う・・・はい、反省してます。でも、あれって本来は私に向けて撃ったのよね。私死んでない?」
「田中さんでしたら死体なんて残ってませんよ。むしろ生きてるついなちゃんが末恐ろしいくらいです」
「私殺されるところだったの?」
「だから反省してますって。今回の入院手術費用は私が持ちます」
・・・この決断が大問題を引き起こす事になろうとは、今は誰も気が付かなかった。
「な、何ですかこの金額は!}
病院から送られてきた請求書をみて、鬼子は驚愕を隠せなかった。
「どうしよう。払えない、って事はないけど、晩御飯のおかず、当分焼いたちくわ2本だけになっちゃう」
それでも払わないわけにはいかない。
数日後
「ちくわ、飽きた」
「贅沢いわないで、こにぽん。もうしばらくすれば収支も安定して元に戻るから」
「それいつ?」
「ついなちゃんが退院して、費用が確定すれば計画もたつわ」
「でもそれ、分割払いだと1年は掛かるんじゃ」
「そ、それはそうだけど・・・」
鬼子は思った。これ以上こにぽんにひもじい思いをさせるわけにはいかない、と。
(どうした物かしら・・・)
その時、鬼子の脳裏に悪魔の囁きが蘇った。
『稼ぐならおっパブ』
「ここね」
履歴書を握りしめ、鬼子はある店の前に立っていた。
その名も『ピンクマウンテン』
「おっパブって何をしている所なのかしら。5変態推奨だから、ろくでもない店には違いないけど、背に腹は代えられないわ」
「日本鬼子さんですね」
「はい、よろしくお願いします」
店を前に逡巡はあったものの、それでもこにぽんの為、面接を受ける決断をせざるを得なかった。
「まず当店では時給2000円、完全週休二日制で社会保険完備。年に1回、社員慰安旅行があって全員で温泉等に行きます。家族同伴可」
「それはすごいですね」
あまりと言えばあまりの好条件。
「従業員の皆さんには負担を掛けていますから、これくらいはします。この業界、人の出入りも激しいですし、優秀な人には居ついてもらいたいですから」
「それで私は何をすれば」
「合格して従業員となったら、この制服を着用の上、勤務してもらいます」
渡された制服をみて鬼子は不振に思った。
「これ、ミニスカートだけで上がないですが」
「うちはおっパブですから、上は裸です」
「え?」
「ですから上半身裸で、ミニスカートだけで接客していただきます。スカートの下は、はいてていただいて結構です」
「え?」
「あなたならすぐにトップ目指せますよ。いやぁ、こんな美人さんに来てもらえるなんて」
と、店長は鬼子の履歴書に目を落とした。
「あ・・・これ・・・残念です。本当に残念です」
「何がですか?」
「年齢制限に引っ掛かります。30歳未満を募集しているんです。あなたほどの人なら、多少のオーバーは目を瞑ってもいいのですが・・・何百歳サバよまないといけないんですか。BBAはいりません」
鬼子の中で、何かが切れた。
「フ、フフフフフ」
「ど、どうかしましたか?」
尋常ではない鬼子の様子に気付き店長が僅かに怯えを見せながら質問した。
「結局年齢かあ!私のどこがお婆ちゃんだ!とーれとれピッチピッチのこの体!どこに出しても恥ずかしくないじゃろがい!!!」
「いやでも実年齢・・・」
「せからしか!」
逃げ出す店長を捕まえ、ボッコボコに殴る蹴るの暴行を繰り返す。
「待って!痛い!助けて!・・・でもこの感覚、なぜか癖になる・・・!もっと!もっとお!」
「殴られたいか?蹴られたいか?いいぞ、やってやる。だがな」
「はい、分かっています。鬼子様!」
「あ、鬼子さん、おはよう」
「はい、田中さん、おはようございます。朝ご飯食べられました?」
「食べてきたけど、大丈夫?お金ないんじゃないの」
「ええ、金ズ・・・出資してくれる協力者が現れまして」
「へぇ、良かったじゃない」
「そうなんですよ。おかげで後10年は戦えます」
「鬼との闘いは大変だしねぇ」
「はい、それでですね」
「どうしたの?」
「戦いが激化の一途をたどるので、戦い方にも変化が必要になると思うんです」
「それはそうね。相手も学習して強くなるし」
「だから新しい武器を試して見ようかと」
「いいと思うわよ」
ニィ。鬼子はアルカイックスマイルを浮かべた。
「それで、鞭ってどこで売ってるか知りませんか?」
守りたいこの笑顔