サルサの街到着
文字数 1,309文字
転移魔法の初歩の技術だ。しなければしないで普段なら問題はないが、かなり強制的に移動したため、いわゆる保険である。
明日中にグノーシス城に着かないとセレスさまに謁見できるのは、約1週間後ーー。
明後日からは、外交の予定がしばらくつまっているためだ。
騎士団や宮廷魔術師、冒険者ギルド所属の冒険者等が出入りするため、治安もいい。このまま行けば、明日中にセレスさまとの謁見を終えることができる。
闘技場の決勝戦の優勝と聖獣さまを引き換えなどの面倒なことを言い出しかねない。これが敵対勢力なら多少の無理を押してでも取り返すことが必要だが、猫好きのルーカスが聖獣さまにヒドイことをすることは考えずらく、聖獣さまもルーカスによくなついている。
店主としては、レヴィに頑張ってほしいのだが……。
いつも通り、残念そうにトルンのさやをみるレヴィに、いつも通り店主が目配せする。
といっても物凄く悪いことをする訳ではなく、アイリスの居ぬ間にレヴィの私費でお買い物というだけの話だ。目配せは、いつもの場所での合図である。