第45話 結論
文字数 527文字
朝、小鳥のさえずりで藤音は眼を覚ました。
──え?
自分でも驚きながら、あわてて身を起こす。
隼人と一緒に起きているつもりだったのに、すっかり眠ってしまったのだ。
しかも知らないうちに、ちゃんと床に寝かされ、布団までかけられている。
これでは夫と運命を共にすると決めた、健気な妻の立場がないではないか。
赤面しつつ、部屋の中を見回すと、隼人はやや離れた場所で窓の外を眺めていた。
隼人は少しは眠れただろうか。
藤音の視線に気づくと、隼人は笑いかけた。眼は赤いが、ふっきれたように表情はすがすがしかった。
語らずとも藤音にはわかった。隼人は心を決めたのだ。
二人は居住まいを正して向かいあった。隼人がゆっくりと口を開く。
「わたしは行くよ、藤音」
まっすぐに瞳を見つめ、決心を語っていく。
「この土地と領民たちを守らなければならない。妻であるそなたも」
「はい」
「羅紗に行って、かの地で能う限り、一刻も早く戦いを終わらせるべく努力しようと思う」
言葉にしてしまえば、何と簡単なのだろう。
それが悩みぬいた末に隼人の出した結論だった。
──え?
自分でも驚きながら、あわてて身を起こす。
隼人と一緒に起きているつもりだったのに、すっかり眠ってしまったのだ。
しかも知らないうちに、ちゃんと床に寝かされ、布団までかけられている。
これでは夫と運命を共にすると決めた、健気な妻の立場がないではないか。
赤面しつつ、部屋の中を見回すと、隼人はやや離れた場所で窓の外を眺めていた。
隼人は少しは眠れただろうか。
藤音の視線に気づくと、隼人は笑いかけた。眼は赤いが、ふっきれたように表情はすがすがしかった。
語らずとも藤音にはわかった。隼人は心を決めたのだ。
二人は居住まいを正して向かいあった。隼人がゆっくりと口を開く。
「わたしは行くよ、藤音」
まっすぐに瞳を見つめ、決心を語っていく。
「この土地と領民たちを守らなければならない。妻であるそなたも」
「はい」
「羅紗に行って、かの地で能う限り、一刻も早く戦いを終わらせるべく努力しようと思う」
言葉にしてしまえば、何と簡単なのだろう。
それが悩みぬいた末に隼人の出した結論だった。