風穴 (1区 7km〜8km)
文字数 1,228文字
■3位 月澤 瑠夏 (ジャスミン・2年)
■3位 佐々木 千鶴 (ローズ・4年)
■3位 市川 菜子 (ネモフィラ・3年)
立花監督
「朝姫、聞こえるか?
いいか、後ろ、追い上げてきてるけど、慌てるな、慌てるな。
ね。1歩ずつ、しっかり、中継所にタスキを運ぼうー。
2区の心枝も、調子がすごくいいからねー。
ここまでの貯金を使ってもいいから、追いつかれてからが勝負だぞー?いいなー?
ここまでよくやってるからねー。あと2.6だ、頑張れ!」
その声は当然、立花の耳にも届いていた。
立花監督
(黒田ほどの選手についていくのは躊躇しても、目の前でフラフラになっている朝姫なら、集団がスパートをかけるのにちょうどいい標的(ターゲット)になる。
元々1500mを主戦場にしてる佐々木にとっては、中継所より2キロも手前でのスパートは酷だ。
これがもう少し経験のあるランナーなら、ここはいったん耐えて、自信のある距離でもう1回スパートをかけられるものだけど。姫路より経験の劣る佐々木は、想定より早い集団のスパートを見て完全にペースを崩してる。
一見無謀ともとれる朝姫の賭けが、結果的に絶対女王のペースを狂わせたんだ・・・!
分厚い3強の壁に、風穴をあけたぞ!朝姫!)