魔王は秋田の中年男を誘惑するが……

文字数 750文字

かわいいぼうや、こっちへおいで
はあっ、ぼうやってなんだーずや?

わどごなめじゅーんずが!?

おいがアラフォーさなって親のスネどごかじってらガギだっていいてえずが!?

<標準語訳>


はあっ、ぼうやってなんなんだよ?

おれをなめてるのか!?

おれがアラフォーになっても親のスネをかじってるガキだっていいたいのか!?

こっちへおいで、いっしょに遊ぼうよ
あいーっ、くそまぐれ!

おいどこそんつくたものさだまされるバガなガギだどなめでらったべ!?

わったりやるど!?

<標準語訳>


ああ、やっぱりだ!

おれをそんなものにだまされるバカなガキだとなめてるんだろ!?

ぶっとばすぞ!?

わたしの美しい娘たちもいるよ

はあっ!?

おいがなんぼおなごさもでねがらってバガにしくさって!

確かに彼女いない歴イコール年齢だども!

心はピュアだったど!?

おいどごバガにしてたのしゃったが!?

<標準語訳>


はあっ!?

おれがいくら女性にもてないからってバカにして!

確かに彼女いない歴イコール年齢だけどさ!

心はピュアなんだぞ!?

おれをバカにして楽しいのか!?

つべこべ抜かすと腕ずくだぞ!?
おお、やってみれじゃあ!

こうみえでもおいだっけ空手3級だったど!?

んがだっけわったりやってやら!

おら、かかってこいじゃあーっ!

<標準語訳>


おお、やってみろよ!

こうみえてもおれは空手3級なんだぞ!?

お前なんかぶっとばしてやる!

ほら、かかってこいよ!

……

中年男の話す言葉があまりにも不快だったので、魔王は息絶えた。


(終わり)

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(原作)

朽木桜斎(翻訳、脚本、標準語訳)

なーにゲーテだって!

著作権っけ切れでらったべ!?

んがさだっけビダ一文はらわねがらな!

<標準語訳>


なにがゲーテだよ!

著作権なんて切れてるんだろ!?

お前なんかにビタ一文はらわないからな!

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登場人物紹介

魔王

秋田の中年男

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