(二)-9

文字数 285文字

 私は電柱の物陰に隠れてそちらをジッと見ていた。二人は、繁華街の道から横道に入っていった。
 私はその後を追った。薄暗いその横道の先にはホテルがある。確かめてみようと思ったのだ。
 二人は腕を組んだままスナックなどが並ぶ狭い路地を進んで行き、その先の十字路の角に立つ、古いホテルに入った。
 私はすぐに繁華街の通りに戻った。まさか私もそのホテルに入ったりするわけにはいかなかった。探偵じゃあるまいし。
 実際に何をしているのか見てみたいと、正直少し思ったりもしたけど、その気持ちはグッと抑えて、私は繁華街に戻った。そして、ドラッグストアで買い物を済ませて、家路についた。

(続く)
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