第203話 朝が来た。研究所によってみた。

文字数 1,314文字



 朝だ。今日も天気がいい。
 こっちは今、五月くらいなのかな? 五月晴れだ。

 毎食、アンドーくんに頼むのは申しわけないんで、朝食は兵士用の食堂からもらってくる。それを食べてるときに、ラフランスさんがやってきた。

「じゃあ、今日からお願いしまーす。師匠!」
「師匠?」
「鍛えてもらうから、師匠でしょ?」
「うん。まあ。でも、握手できないよね?」
「できないよ?」
「だよね」
「それ以上、よらないでくれる?」

 イマイチ可愛くない弟子……。
 でも、今日から仲間だし、いちおう彼の数値もいじろう。

「HPとMPに五千、知力に一万でいい?」
「はい? 何が? あっ、おれのことはランスでいいよ。ダチはみんな、そう呼んでるから」

 なんと、ニックネーム呼びをせがんできた人嫌い!
 やっぱり、ほんとは嫌いじゃないんだ。さみしがりやなんだ。

「わかった。HPとMPに五千。知力に一万にする」

 ちなみにステータスを見ると、レベルは45。職業は大学者だ。

 レベル45(大学者)
 HP240[252](277)、MP450[517](646)、力68、体力225、知力455[477](596)、素早さ140、器用さ93[97]、幸運230。

「大学者なんだ」
「習得中だけどな」
「徹底的に文系だね。戦士も武闘家も体育会系の仕事はいっさい、なったことない」
「おれ、なれない職業多くてさ」

 たまりんタイプか。
 とりあえず、数値は書きかえる。

 レベル1(大学者)
 HP5240[5502](6052)、MP5450[6267](7833)、力68、体力225、知力10455[10977](13721)、素早さ140、器用さ93[97]、幸運230。

 これでよしっと。

「あっ、そう言えば、魔法書わけるの忘れてた。みんな、自分のおぼえてないやつ、てきとうに何個かとってよ。僕はプチサンダーとサンダーと光属性一式おぼえる」

 中位までの魔法書はてきとうにわけた。争奪戦っぽかったけど、みんなでパコパコ自分の頭を魔法書でたたく。

 サンダーバーストと雷神の怒りはミニコに会得させる。光神爆発はあとでみんなと相談しよう。

「猛は数値、たさなくていい? まだ電力20%くらい残ってるけど」
「兄ちゃんはまあいいよ。自分で食えるからな」
「ふうん」

「それより、兄ちゃん。最終的に魔神って職業になろうと思うんだ」

「ま、魔神?」
「昨日のツリーの最高職に書いてあったんだ。魔神の雄叫びっていう技をおぼえる」
「ギャーッ! 僕の兄ちゃんがますますモンスターになっていくー!」
「ははは」

 朝食のあと、エレキテルの研究所へよった。モリーにプチサンダーをかけてもらうことでも充電はできるけど、痛い思いはなるべくしたくないからね。ちなみに、モリーだけは知力をあげてない。あげたら、僕が痛くなるからだ。

「ホムラ先生。おはようございます」
「おお、君か。充電器は受けとったかね?」
「はい。ありがとうございます。ちょっと痛いけど助かりました。ところで、携帯じゃないほうの正規の充電器っていうのは、どれですか? 研究所じゃないと使えないって」
「うむ。これだ」

 ホムラ先生が示したのは、研究所の壁だ。壁が充電器って言われても……。
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