第5話

文字数 352文字

藤田と私はそのまま会話をしながら、駅のほうまで来た。藤田は急に思い出したように

「俺、駅のそばで用事があるんだ!」

 あ、じゃあここまで、かな。藤田はいきなりあわただしくなって

「じゃ、蔵本。また学校で会ったら声かけてよ!」

 そういって藤田は走って駅に行ってしまう。忙しいんだな。

「あ、うん。じゃあね。」

 私は走る後ろ姿にそうつぶやくくらいしかできなかった。

「アイス、おいしかったな。ありがとう。」

 ひとりの時だったらこんなに上手に話せるのに。また、喋る事あるかな?
 その時はもっとたくさんおしゃべり出来たらいいのに。

「あ、諸口先生からの伝言、してなかった」

藤田に聞きたいことって何だったんだろ。
今日見た限りでは藤田が大それた問題を起こすようにはとても思えなかった。
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