第4話 いばらの小城2 いばらの主

文字数 547文字

「頑丈に絡み付いてるな。剥がれない」
『我を剥がそうとしているのはお主か? 何ゆえに剥がそうとしている?』
「正面に出るためだ」
『捕らわれた仲間を助けるためか? だが、ここは主の命により通すわけにはいかぬ』
「ならば」
『我を倒すか? よそ者の小僧よ』

 いばらドラゴンが現れた。
「鍛練したんだ。行くぞ」
『掛かってこい!』
 シュバッ。アキラはいばらドラゴンを一刀両断する。
『こんな小僧に簡単に負けるなんて。グァァ!』
 いばらドラゴンが消え、絡み付いていたいばらが剥がれる。

「中へ」
『入ったらいけないんだよ。仕方ないから足止めするよ』
「なんだ?」
『君には見えないよ。この世界の人間じゃないからね』
「どうかな?」
 アキラは剣を一振する。ぱりんっと音がして、鏡が割れる。

『君に妖術が効かないなんて。君自身が見えていたはずなのに』
「何も見えてねぇ」
『そうかい。だが、勝ったと思ってないよね? ここからが本番だよ!』

 アキラの周りが光り出した。
『本物を当ててごらん。外したら、命をもらうよ。よそ者のお兄さん』
「しゃらくせぇ」
 アキラは目をつぶった。
(考えるんだ。気を感じるんだ)
「そこか!」
 アキラは剣で斬る。
『何? こんな人間に見破れるはずは。クッソー!』
 周りの鏡が全て消え、上に登る階段が見えた。
「あっちか」
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