元子のつぶやき3

文字数 302文字

 あたしの仕事の性質上、事実を知るものは必要最小限でなくてはならない。本来なら明弘にも話すべきではなかった。しかし、今のあたしの力ではすべてを補うことができない。だから助けてくれる人がいる。もちろん誰でもいいという訳ではない。一ヶ月以上にわたって明弘の行動確認を行った。そして信用できる人物だと判断した。
 これで計三人。後一人くらいだろうか、誰か信頼できる人が必要だ。
 この時あたしの脳裏には一人の顔が浮かんだ。あの子しか考えられない。強固な意志を持っているあの子なら……。近いうちに会わなければ。
 
 あたしの決断は間違っていなかった。あの子は命を擲(なげう)って誓いを果たしてくれた。
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