第8話 信頼の翼
文字数 444文字
さっきまで2羽のカナリアが、仲良くあの木の枝にとまっていたのよ。
でも、あの空へ飛んで行ったわ。
まさかあなたの家から逃げ出したカナリアだとは、知らなかったわ。
あなた、日本の人ですか?
『オークン』
この国の地中に埋まっている、600万個の地雷を撤去するために長年にわたって最大の援助をしてくれているあなたの国、日本には感謝しかないわ。
まだまだ長い戦いは続くことでしょう。
けれど、こうやって皆と働くことができて幸せに暮らせるのは、日本人のお陰です。
この農場をつくってくれたのも、近くの学校を建ててくれたのも、日本の援助のお陰です。
今は家族でもう少し頑張ってお金を貯めて、日本に旅行に行くことが一番の夢なんです。
ウイルスが収束したら必ず日本に行くわ。
ねえ、
『木の枝にとまる鳥は、決して枝が折れることをおそれたりしない。枝を信頼しているからではなく、
自分の翼を信頼している
からだ』っていう名言もあるの。
あの2羽のカナリアはとっても仲良く、そして楽しそうに飛んで行ったわ。
あなたも気をつけて旅をしてね。
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