間奏Ⅱ 水の夢
文字数 619文字
お昼ごはんを作るために、食材を揃えて調理台にならべました。まずはレタスを適当な大きさにちぎって、トマトとたまねぎを薄切りにします。たまねぎは、しばらく水にさらします。そのあいだに、ゆで卵をつくります。さっと焼いたベーコンと、チーズ(今日は一人だから、いつもよりちょっとだけ厚切りです)も用意します。平たく切ったライ麦パンにバターを塗って、塩と胡椒と先生お手製の調合スパイスで味付けした具をたっぷり載せて、うえからもパンをかぶせて、ぎゅっと手のひらで押さえつけて、ナイフで綺麗に切り分けたら、おいしいサンドイッチのできあがりです。
ところで、料理をしていると、なぜかわたしはいつも、自分が以前に見た夢のことを
もちろんわたしはいつだって、明るくて楽しい夢が大好きです。
ところで、料理をしていると、なぜかわたしはいつも、自分が以前に見た夢のことを
ふっ
と思いだします。眠っているあいだに見る、あの夢のことです。わたしは、これもなぜだかわからないけど、よく水の夢を見ます。海、川、湖、滝、それに雨。楽しい水、寂しい水、光る水、暗い水、たくさんの水、ささやかな水。幸せな水、怖い水。いろんな水がやって来ては、わたしのなかを流れたり、わたしをどこかに運んだり、わたしの世界を満たしたりします。でも、そのすべてが、ほんとうにほんとうの水なのかどうか、わたしにはわかりません。それは、もしかしたら、水であって水でないもの
なのかもしれません。なにか、水としてしかあらわれることのできないもの
が、わたしのなかにあるのかもしれません。もちろんわたしはいつだって、明るくて楽しい夢が大好きです。
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