いざおじいちゃんの家へ

文字数 1,405文字

「おはようございます」

ダイニングには麻里亜さん、琴音ちゃん、あと一人男の人がいた。
「あ〜おはよぉぉぉ」

眠そうな顔をして挨拶を返した男の人は裕也(ゆうや)さん。僕の叔父さん…お父さんだ。仕事の事情があり、遠い所に住んでいて、たまに帰ってくる。

「翔太くん、明日から2泊3日でおじいちゃんの所に行くからね」

おじいちゃん…?僕におじいちゃんはいなかった筈だから裕也さんの実家に行くのか。

「わかりました」
僕は麻里亜さんの作った朝食を食べて荷物を整理した。

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僕達は駅に来ていた。新幹線で行くとは聞いていなかった。

「裕也さん。どこに行くんですか?」

裕也さんは両手に荷物を持ち、辛そうに答えた。

「え、遠くかな」

遠く、遠く…とおく?
僕は駅にあるコンビニでお菓子を買ってから新幹線に乗った。

「んー快適、快適!新幹線が無い頃は乗り換えが面倒で嫌だったんだが、いやー快適」
席は右から琴音ちゃん、次に麻里亜さん、裕也さん。通路を挟んで僕だ。
周りが空席なのでゆっくり出来る。

ささ、お菓子を食べようかな。

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出発してから1時間くらい経った。

裕也さんは目のついたアイマスクをして寝ている。琴音ちゃんは外を見ているがトンネルが多く景色は楽しめない。麻里亜さんも一緒に外を眺めている。
僕も眠くなってきたかな。



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「翔太くん、日曜日一緒に映画でも見に行かない?」
「うん。その日は空いてるよ」
「じゃあ決定だね!」
僕を映画に誘った彼女は綺麗な髪をしていて、吸い込まれそうな瞳………


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「翔太くん。もう着いたよ。起きて」

目を開けると目の前には麻里亜さんの姿があった。麻里亜さんじゃあないよね…あの人は

ま、いいか。

「とりあえずメシ食いに行きますか〜」


僕達は寿司を食べに行った。東京より美味しいのではないかと感じた。ご飯を食べた後は有名な観光地を回り、タクシーに乗っておじいちゃんの家に向かっている。

琴音ちゃんは大人しく駄々をこねることもなくここまできた。殆ど寝ていたけど。


裕也さんが勢いよくドアを開けた。

「父さん。来たぞ〜」

奥からおじいちゃんと思われる男性が出て来た。

「よう来たな。お前ら」

おじいちゃんを見るとすぐに琴音ちゃんがおじいちゃんに飛びつき、甘えている

「お世話になりますお義父さん。」


「おお、麻里亜さんもよう来たな。遠かったやろ?」

おじいちゃんは麻里亜さんと話した後に僕に気づき、話した。

「君が翔太くんか、初めまして。君の事は裕也から聞いとる。寛いでいけ」

「はい、ありがとうございます。おじいちゃん」

僕は2階にある部屋に荷物を置き、1階へ戻った。しかし周りが森に囲まれているから静かすぎて落ち着かない。

「お兄ちゃん!お外遊びに行こう!」

「うん。わかったよ。ちょっとだけ待ってて」

虫が怖いのでスプレータイプの虫除けをして、熱中症予防にあれとこれと…

「お兄ちゃんはやくいこーよ〜」

「今行く〜」

あんまり遠くにはいかないだろう。行けないの間違いか。

この家の近くには山があって道といえる道はない。

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