３０

運命までを変えようとは思ってないから
真っ直ぐ行こうか左右どちらへ向かおうか
そのくらいの軽い選択にさえも
昼間が新月の夜に変わるような土砂降りが
僕を遮り行手を阻む
タクシーは東は西へと
誰かの幸せと不幸せを忙しく運び
僕は心に刻まれたリズムにのせて
赴くままにステップ踏みながら
傘もささずに街を彷徨う
すれ違ったあの人たちは繋がり求めて
前をもむかずに家路に急ぐ
走り去る電車の窓に映る景色に手を振り
無邪気に喜ぶ子供たちに残せる
未来はいつまで守れるのか
恋人たちが片寄せて仰ぐ空には夜の張が下りて
ネオンサインに浮かぶ人影に何に期待しながら
僕は夢の中で大好きなあの人と2人で踊ろう
世界の端から静かに音を立てて
崩れ落ちていく光と闇の狭間で