第三話:悪魔さんと初めての出会い(1)
文字数 376文字
魔法陣の中央は奇怪な蠢きを伴った。
狗の如き容貌とも言える。
樺の如き容貌とも言える。
鬼か、蛇か、四大聖霊の魔法陣に阻まれているのか、かの邪悪は飛び出すこと無く蠢いている。
やがて蠢きは完全に動きを停止し、人形となってその場に留まった。
空を見ると、先ほどまで失われていた月が元に戻っている。
僕は笛を吹くのをやめて、改めて魔法陣を見ると、
――――そこには体育座りの少女がいた。