第19話 おわりに
文字数 340文字
それから私たちは――従兄たちとの約束通り、ロイシュライゼの城館に帰って新婚生活を送り――…現在に至るまで、数えきれないほど色々なことがございましたが、それはまた別の折に、お話し致しましょう。
今日のところはこれでお別れです。
――え? どうしてミュルダール伯爵夫人ではなく、ファルツフェルド伯爵令嬢の回想録なのかって?
それはね、初めから誰と結婚するかわかってしまったら、つまらないじゃありませんか。
――ご心配なく。私は今日までミュルダール伯爵夫人として、夫のロアルドと連れ添うておりますよ。
それでは皆様、いつか機会がございましたら、またお目にかかりましょう。
イザール、ミュルダールの城館にて。
シゲルの年、ベオルクの月の8日。
ミュルダール伯爵夫人、リリヤナ・フォン・ミュルダール
今日のところはこれでお別れです。
――え? どうしてミュルダール伯爵夫人ではなく、ファルツフェルド伯爵令嬢の回想録なのかって?
それはね、初めから誰と結婚するかわかってしまったら、つまらないじゃありませんか。
――ご心配なく。私は今日までミュルダール伯爵夫人として、夫のロアルドと連れ添うておりますよ。
それでは皆様、いつか機会がございましたら、またお目にかかりましょう。
イザール、ミュルダールの城館にて。
シゲルの年、ベオルクの月の8日。
ミュルダール伯爵夫人、リリヤナ・フォン・ミュルダール