第27話奈緒のいきなり猛アタック

文字数 1,003文字

翌日の午後1時過ぎ、従妹の奈緒が、田園調布の飛鳥の家に到着した。

飛鳥は、いつもの通りのんびりしているけれど、香苗と美鈴は大騒ぎ。

香苗
「ありがとう!ほんと・・・飛鳥の不始末で」
美鈴
「また可愛くなったね、モデルさんみたい」
奈緒も笑顔。
「いやいや、うちもな、大喜びや」
「飛鳥の君にも逢えるし、文句も言えるし」
「おまけに、あの面倒な京都を出て、花の東京やもの」

そんな状態で、飛鳥はようやく顔を見せた。
「ああ、ごめんね、奈緒ちゃん」
「当面、一週間くらい頼むよ」

香苗と美鈴は「はぁ・・・」と呆れて、飛鳥に文句。
香苗
「どうして可愛くなったとか、言えないの?」
「お客様には、焦るくらいに言うのに」

美鈴
「ほんとだよ、かなり勘違いしている女の人が多いよ」
「それも、老若を問わず」

飛鳥が慌てていると、奈緒がニンマリ。
「なあ、飛鳥さん、東京の女は、きついやろ?」
「そういうストレスも、うちが全部引き受けます」
「飛鳥さんが、OKしてくれはったら、一生でもかまわん」

これには香苗が顔を赤くする。
「え?飛鳥と奈緒ちゃんが結婚?」
「それは・・・えっと・・・美鈴ちゃんより、遠縁で血はつながっていなくて」
「でもさ、私より飛鳥の結婚が先?」
「私、行き遅れってこと?小姑なの?」

美鈴も、続く。
「いきなりそれ?」
「飛鳥さんも困っているじゃない」
「一週間でいいよ、私、がんばるから」

しかし、奈緒は引かない。
「お似合いや、うちと飛鳥さん」
「のんびり飛鳥さんと、しっかり世話女房タイプのうちやもの」
「香苗姉様、よろしゅう頼みます」

話が堂々巡りになりそうになったところで、飛鳥が制した。
「明日の前に、店に行こう」
「運び込むものもある」

その後は、飛鳥の言葉通りに、全員で明日のための荷物を持ち、神保町のソフィア喫茶店に。
実際、奈緒の仕事は手早く正確だったので、荷物の運び込みと準備は短時間で終了。

飛鳥がカウンターを磨いていると。奈緒が幸せそうに、その姿を見る。
その奈緒に美鈴。
「狙っている女性も多いから、慎重に」
香苗も、釘を刺す。
「みんなの彼氏なの、この店では」

すると奈緒はニンマリ。
「わかっとります」
「そやから、田園調布の家では・・・うふ・・・」

美鈴は、頭を抱えた。
「奈緒ちゃん、ヨダレ・・・」

香苗は、途中から別の所見。
「でも、飛鳥は鈍感なの・・・難攻不落だよ」

当の飛鳥は、奈緒を見ていない。
明日の「休んでごめんなさいスピーチ」の原稿を懸命に考えている。
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