帰り道

文字数 670文字

☆ ☆ ☆

 帰り道。スクールバスに乗ってオオミヤ駅に移動し、そこからジェイアールのサイキョウ線に乗って、地元の駅へ。そこから自転車で五分ほど走って、自宅へと帰ってきた。

 そうなると、あとはやたらと長い自由時間だ。中学の頃はテニス部に所属していたので、こうして長い時間暇というのは慣れない。春休みも持て余していたっていうのに、これから三年間、なにもせずに毎日帰ってくるというのも辛いかもしれない。

 こんなことならば、サイタマスーパーバトルの個人練習場でも寄ってくればよかった。少しでも上達して、せめて人並みになりたい。まぁ……あれだけ差が開いていると、ちょっとがんばる気もなくなってくるのだが……。

 大宮の龍神、浦和の神業のような弓。どちらも本当にすごかった。入学する前は、努力してそれなりのサイタマバトラーになろうと思っていたが、いざ実際に一線級の力を見せつけられ、同時に自分の能力の低さを痛感させられれば、やる気も落ちてくる。

「やっぱり、勉強がんばろうかなぁ……」

 サイタマスーパーバトルは趣味程度にしておいて、将来のことを考えるのも大事だ。
 ちゃんとした大学に入って、まっとうな社会人になることを考えないと。目指すは、公務員かな。……我ながら、つまらない人間だ。

「まだ、二時か……」

 早めに授業が終わったこともあって、時間は余りまくっている。

「少し教科書読んでおくかな……」

 俺はベッドに寝っ転がると、面白いわけがない教科書を読み始めた。それでも、なにかしらやらねば、時間を持て余してしまう。
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登場人物紹介

与野待人。

サイタマスーパースクールに補欠入学した高校生。

仮想能力が低く、サイタマスーパーバトルでは最弱。

大宮美也。

卓越した仮想能力により竜神を呼び出すなど、サイタマスーパーバトルで突出した能力を誇る。

浦和文乃。

クールで知的な性格。

仮想能力が高く、バトルに精通している。


岩槻雛子

不登校のクラスメイト。秘められた仮装能力の持ち主。

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