第五十五幕!革命団の女たち

文字数 8,444文字

天幕の外で、暴風雪の唸るような音が鳴り響いている。この轟音は、人の声も足音も掻き消してしまうので、いつ誰が夜討を仕掛けてくるかわからない戦場だと、何かと不安に陥ってしまう。
また、全ての音をかき消されると、あたかも自分だけが山に取り残されたのではないかと心配になり、寝付けない日も時たまあった。
だが、今夜は違う。なぜなら隣に紗宙がいるからだ。彼女の温もりを感じていると、どんな過酷な環境に身を置かれようが、幸せを感じることができる気がした。
俺は寝ている紗宙に目を向けた。そしてさっき彼女に言われたことを思い出す。


『私は、何があっても蒼の味方だから。』


もしかしたら、足元ばかり気にして周りを見れていなかったのかもしれない。サクになんと言われようが、どこぞの誰かにハメられようが、信頼してくれる人がいることを忘れてはいけない。そして、感情的にならずに冷静に、この窮地の大問題を解決へ導かねばならないのだ。
しかし、どうすれば犯人を見つけ出すことができるのだろうか。寝ている彼女にくっつきながら、1人で黙々と考え込んでいた。





翌日。暴風雪は落ち着き、空からはふわふわと小雪が降り注いでいる。
紗宙は、朝の訓練から戻ってくるとすぐさまメモを開いた。そして、毒事件について、兵士達から聞いた情報をまとめていく。兵士達は、同調圧力で革命団を軽蔑してくることが多々あったが、各々個人の考えも持っており、彼女の調査に協力してくれる兵士も沢山いた。


[メモ]
・見張りの兵士A
集団食中毒事件の前日の夜、食糧庫の付近で長身で髪の長い人影を目撃。
性別は定かではないが、月明かりに移るシルエットは手に大きな何かを持っていた。


・見張りの兵士B
イソンノアシ毒殺未遂事件の日、調理場付近で見張りをしていたが、カネスケを一度も目撃しなかった。


・スナイパー隊員
兵士Bの証言と同日。雪愛が珍しく訓練を休んでいた。
また、彼女が頻繁に電話をしているので、気になって盗み聞きをしたところ、
『計画は順調です。』
と言っていて、こんな時に何が順調なのか不思議だったという。


・AIM幹部の男
先生が去り、丸山が陥落した時、撤退の道中で黒い長髪のウィッグが落ちていた。
なんでこんな雪山にあるのだろうと疑問だったが、敵が迫っていたので気にせず逃げ出した。




メモを見返しながら、今度はイタクニップの陣まで足を運ぶ。先生が疑われることになったきっかけは、彼の目撃証言が原因だったからである。





紗宙がイタクニップの陣へと足を運ぶと、筋トレに勤しむ彼の姿があった。


「イタクニップさん。少しお話したいのですが?」


イタクニップは、紗宙に気付くと、身体を起こしてこちらを見た。


「おお、紗宙さんか。どうしました?」


事情をざっくりと説明する。すると彼は、気まずそうな顔をした。


「なるほど。あの夜のことですか...。」


「貴方が嘘をついているとは思いません。でも、仲間が窮地に陥っていることもまた事実です。だから、その時の詳しい状況が知りたいの。」


熱意が伝わったのだろうか。
彼は、重い口を開いた。


「そうですな。実を言えば、あの晩、翌日に迫った作戦の景気付けで酒を飲んでおりました。少しだけのつもりがつい飲みすぎてしまい、酷く酔っ払ってしまったのです。それから小便をしようと天幕を出て、倉庫の影へと向かおうとしたところ、大きな扇子を持った長身長髪の男を目撃したのです。」


「その方は、食糧庫へと入ったのですか?」


「ええ。彼はキョロキョロしていたもので、私は怪しいと考えて陰から様子を伺いました。すると、食糧庫の中へ入って行きました。」


「たしかに怪しいですね。その方は本当に男性だったのですか?」


「ええ。遠くからでわかりにくかったのですが、身長は高めでしたので。」


「明確ではないのね。」


「ま、まあそうですな。」


「では、手に持っていたという物は、本当に扇子だったのですか?」


「間違いないです。あの影の感じ、間違いなく扇子かと。」


紗宙は考えた。彼の証言には曖昧な箇所が多い。それに、黒いウィッグが落ちていたという事実。誰かのなりすましの可能性もある。


「影の感じということは、扇子を見たわけではないのですね。」


彼の口調は、どこかぎこちなさが目立つ。


「ん、まあそうですな。ただあの影は、先生が扇子を持って立っている時のシルエットのまんまでした。」


「そうですか。しかし、先生はこんな寒い場所で、扇子で顔を仰ぐようなことをするのでしょうか?」


「いや、仰いではいなかった。手に持っていただけだ。」


「ということは、扇子を開いていた訳ではないのですか?」


「まあそうなるな。」


閉じた扇子に似たような物など沢山ある。例えばスマホなんかも、持ち方と光の当たり方次第では、扇子のような影になっても変ではない。


「わかりました。筋トレの最中、急にお邪魔して申し訳ありませんでした。」


「いや、特に気にしてない。」


紗宙は、軽く会釈をするとイタクニップの天幕を出る。それから食糧庫付近へと足を運んだ。
第一事件の起きた丸山、第二の事件が起きたウペペサンケ山とはまた違う場所だ。事件の証拠があるはずもないが、第三の事件が起こる可能性を探ることはできるだろう。だが、犯人と鉢合わせるかもしれない。そんな不安を抱えつつも、食糧庫付近を観察した。
そんな中、彼女はあることを思い出した。
それは、サクが明日、晩餐会を開こうと言っていたことだ。なんでこんな時にという感じだが、理由がなんとなくわかっていた。彼はきっと、晩餐会という名目で食事が振る舞われる機会を作り、犯人に毒を盛るチャンスを与え、その現場を抑え込もうとしているに違いない。
しかし、彼のことである。犯人が見つからなければ、感情任せに革命団の誰かへ難癖をつけ、犯人にしたてあげようとするかもしれない。
そう思った紗宙は、腹を括って覚悟を決めた。





帯広に謹慎中の先生は、日々もたらされるAIM軍の敗北を横目に、新しい国作りの案を考えていた。
腐敗した民主主義。多数の常識しか尊重できない国民性が青の革命の引き金となり、決められない政府の頼りなさが国を弱体化させ、ヒドゥラ教のようなカルト宗教を台頭させた。
もう一度日本は帝政に戻り、アメリカの属国でもなく、中国やロシアや朝鮮共和国(南北統合後の半島)にへこへこするのでもなく、日本人としての独立性を取り戻すべきなのだ。
それが先生と蒼の思想の1つだ。
蒼を皇帝に置き、紗宙は皇后、先生自身が宰相。雪路が法務大臣、間宮は経済担当大臣、カネスケは総務大臣、龍二は軍の総司令官。
そんな人事のことなど、考えた考案を吟味して書式にまとめ上げていた。





とある日の夕方。謹慎しながら執務に没頭していた先生の元へ、2名の男性が訪ねてきた。
見張りの兵士が部屋に入ってくる。


「先生。訪ね人がやってまいりました。」


「こんな時にどなたかな?」


「それが、東京から遥々来たそうで。」


それを聞いた先生は、スッと立ち上がる。


「すぐにここへ通しなさい。」


見張りの兵士は、すぐさま玄関へ戻っていく。
先生は、窓の外からさす夕日を見つめながら思った。


『石井幹事長。いったいどんな人物なのだろうか。』


しばらくすると部屋の襖が開き、見張りの兵士に連れられら2人の男が入ってきた。
先生がそちらを振り返る。するとそこには、国会議員のバッチをつけたスーツを着た50代くらいの男と、若々しく見えるが30代後半くらいであろう男の2人が立っていた。
年配の方の男が先に部屋へと入る。



「あなたが諸葛真殿ですか。お初にお目にかかります、平和の党幹事長の石井重也と申します。そして隣にいるのが、私の用心棒をしている奥平睦夫でございます。何卒、宜しくお願い致します。」


「よく遥々東京からお越しくださいました。私は諸葛真、青の革命団にてリーダーである北生蒼の側近をしております。何卒宜しくお願いします。」


先生は、石井と奥平に座布団へ座るように促した。
石井は、手をさすりながら座り込む。


「それにしても、北海道の寒気は身に染みます。」


「ははははは。慣れるまでには一苦労するでしょう。」


石井は周囲を見渡す。本棚と軽微な電子機器しかない殺風景な部屋は、想像していた場所とは大違いであった。


「しかし、部隊を率いて戦場で戦っていると党首から聞いておりましたが、ここはまるで戦場とはかけ離れた部屋でございますね。」


先生は、しれっと答える。


「まあ謹慎処分中ですのでね。」


「謹慎処分???」


「さよう。AIM軍は、渦中の最中でございます。私は厄介者払いを受け、この帯広へと追いやられてしまったのです。」


「なんと...。それでは、新しい国を作るという計画も頓挫してしまうのでは...。」


先生は不敵な笑みを浮かべる。


「いえ、私はただのオマケです。リーダーが健在であれば、新国家建国の夢が潰えることはないでしょう。」


「よほど北生という人物を信頼しているのですね。」


「ええ、私は彼を疑ったことは一度もございません。」


「それは凄い信頼関係だ。なぜそこまで彼を信頼するのですか?
噂によれば、元は一般企業の窓際族で、営業成績も軒並み悪く、気遣いができない男だったらしいではないですか。」


「過去はどうでも良いのです。彼は今、この国を変えようと心に熱い火を宿しております。私は彼の夢を応援したい。そしてこの国を薄暗いシガラミから解き放ち、また1からリスタートさせたい。ただそれだけです。」


「はあ。そこまで熱い気持ちを持った北生という男。一度お会いしてみたいものです。」


「いずれお引き合わせさせて頂きます。矢口宗介もそれを望んでいるのでしょうから。」


先生は、石井と奥平へお茶を振る舞う。
石井は、彼が信頼する北生蒼という男がホンモノなのか、まだ疑いの目で見ていた。


「諸葛殿。私は矢口党首から、あなた方の野望を側で見届けよと仰せつかっております。これから共に行動させて頂きたいのですが。」


先生は待っていたとばかりに答える。


「良いでしょう。革命団には、政治の経験者が1人もいません。色々とお教え願いたいです。」


「わかりました。存分に腕を振るわせて頂きます。」


「では、しばらくはこの帯広市内で滞在してもらいます。」


「諸葛殿は本当に軍に戻れるのですか?」


「ええ。近いうちには。」


こうして石井と奥平は、先生と共にしばらく帯広で滞在することになった。
矢口党首は、改革を捨て革命に期待を寄せた。平和の党は野党最大の国政政党。日本国は、内からも外からも完全に解体へと向かい始めている。先生は、夕暮れに照らされながら流れる雲を見つめて、新しい時代への追い風を改めて感じていた。





この日の夜も吹雪が吹きれていた。いつ来るかもわからない春を待ちながら、兵士たちは寒さを凌ぎつつ眠りについている。
紗宙は、見張りの目を掻い潜って食料庫へ忍び込む。それから、明日の晩餐会で使われるであろう食材の見える位置にある棚の影へと身を潜めた。犯人は必ず来る。そう確信した彼女の決死の捜査である。
身を潜め始めてから既に5時間は経過している。夜が深まるにつれ気温は下がり、風の強さも増し、外はブリザードが吹き荒れていた。
ずっと同じ場所で張り込みを続けるので、手足の感覚が徐々に薄れ、眠気と気だるさが身体を蝕んでいく。山の中ということで酸素も薄く、その上身震いが止まらず息がしにくい。極め付けには、殺されるかもしれない恐怖から、脈拍が異常に上がる。軋む身体に鞭を打ちながら、犯人が来るのを今か今かと待ち続けた。そんな彼女の心の支えは、革命団を救いたいという熱い思いと、ポケットに入れたホッカイロの微かな温もりだけである。
いつ犯人と対峙しても良いように、白い息で手を温めつつ、定期的に腰に差した拳銃の位置を確認する。それから、吹雪の音がうるさくて他の物音を感知し難いので、仕切りに周囲を見渡した。
何の変化もない空間と異常な寒気。体力と気力は次第に限界を超え始め、目の前の風景がボヤけ始めていた。眠い、楽になりたい、そんな言葉が脳によぎり始める。
そんな時だ。彼女の肩を誰かが叩いた。あまりの唐突さで、一気に現実へと引き戻される。
彼女は、肩に触れられた手を振り払い、腰から拳銃を引き抜いて背後を振り返る。そして、その方向に銃口を突きつけた。
倉庫は薄暗く、それに加えて意識が朦朧としていた。目の前にいるのが誰なのかわかり難い。引き金に指を乗せながら、銃口の先を凝視し続ける。


「動いたら撃つ!!!!!」


そう言い放った頃、目が慣れ始めて薄っすらと人影が見えた。どうやら2人いるようで、どちらとも両手を上げている。


「紗宙、私よ。結夏よ。」


冷静になり、もう一度2人を見た。すると、そこにいたのは結夏と灯恵だった。
紗宙は拍子抜けをして、その場に尻餅をついて座り込んだ。


「もー、驚かせないでよ。」


「だって声かけたけど聞こえてないんだもん。」


「全然聞こえなかった。」


すると、灯恵が深いため息をついた。


「棚に寄りかかってたから心配したよ。」


紗宙は、彼女の頭に降りかかっていた雪を払った。


「心配かけてごめんね。」


灯恵は、少しばかり不満そうな表情を浮かべた。


「私は大丈夫。それよりも、何で言ってくれないんだよ。」


紗宙は、視線を逸らす。


「あまりにも危険なことだから、巻き込みたくなかったの。」


灯恵は再び溜息をついた。


「ほんと、似た者カップルだよね。蒼も紗宙も、もっと周りに甘えていいんだよ。」


紗宙と結夏は、そう豪語する15歳を微笑ましく見ていた。


「灯恵じゃないけど、あまり抱え込まなくて良いからね。それと、私の彼氏も疑いの目をかけられている。どんな危険なことであろうと誘うべきなんじゃない?」


紗宙は、申し訳なさそうに結夏を見た。


「ごめん...。」


結夏は、気落ちする紗宙に優しく言葉をかけた。


「わかれば良いって。私も革命団がピンチなのに何も行動しなかったことを反省してるから。」


外から入り込む隙間風が、3人を突き刺すように吹き抜ける。結夏と紗宙が身を縮める。すると灯恵が、紗宙に身体を寄せた。


「てかさ、3人で温め合えば、寒さなんてへっちゃらじゃね?」


それを聞いた2人も身体を寄せた。


「有りかも!」


「だろ?」


「2人が来なかったら死んでたわ。」


3人は、お互いを温め合いながら、いつ来るかもわからない犯人を待ち続けた。





「やっぱり犯人来ないんじゃない?」


そう結夏が愚痴る。
3人で身体を寄せあったといえど、過酷な自然には叶うはずもない。極寒の空間は、徐々に彼女らの首を絞めつけていく。


「絶対に来る。」


そう言い続ける紗宙は、めげずに監視を続けていた。
灯恵は、2人に挟まれながら寝そうになっては起こされるを繰り返した。


「あー、寝みいよ。」


紗宙は、退屈そうな2人に話を振った。


「ここのところ、2人だけの時間とか取れてる?」


結夏は少し考えた。


「ちょこちょこじゃないかな。」


すると灯恵は、目を擦りながら身体を起こす。


「何でそんなこと聞くんだ?」


「え。気になったから。」


「ふーん。ぶっちゃけあまり話せてないよ。」


結夏は、こちらから目を逸らして黙っている。


「そっか。2人でいるところ見かけないから喧嘩でもしたのかなって。」


灯恵は下を向いた。


「喧嘩はしてないよ。仲悪かったら一緒にここまで来ねえから。」


そうは言うものの、なぜかこちらを見てくれない。それから彼女は続けた。


「ただ、結夏がカネスケと幸せそうにしているのを見て、私みたいな義理の娘がいたら邪魔かなって思うことがある。」


それを聞いた結夏は、悲しそうな表情を浮かべた。


「だからここのところ素っ気なかったの?」


「そんな露骨だった?」


結夏は頷いた。灯恵は縮こまっている。


「私、もう大人だから。それに、嫌いとかそう言うのじゃないから気にしないで。」


彼女は強がりながらもどこか寂しそうだった。
すると結夏は彼女を抱き寄せた。


「寂しかった?」


彼女は相変わらず結夏から目を背ける。


「う、うん。少しだけ。」


「カネちゃんのことも好きだけど、だからと言って灯恵を忘れたことなんて一度もないからね。」


「わかってるよそんなこと。」


結夏と灯恵は、しばらく2人で語り合っていた。紗宙は、そんな義理の親子の絆を隣で微笑ましく見つめていた。





物音がした。晩餐会に使われる食料の方からだ。さっきまでの暖かいムードが一変して、死ぬか生きるかの戦慄した空気に舞い戻る。
意を決した紗宙は、物陰から顔を出して状況を確認する。だが、特に変わったことはなさそうだ。しかし、何かがうごめくような音が止むことはない。
彼女は腰から拳銃を抜いて、再び周囲を見渡した。すると、食料に覆いかぶさった袋が揺れているのに目がいった。果たして毒事件の犯人がいるのだろうか。脈拍が再び高まり、緊張で心臓が破裂しそうだ。
食料の袋を揺れ動かす何者かは、未だに姿を見せてくれない。灯恵と結夏も仕切りに顔を出すが、暗くてよくわからないようだ。緊張が走り出してから数分があっという間に過ぎていく。いつの間にか袋を荒らすような音も聞こえなくなった。
犯人はもう立ち去ったのか。しばらく静寂が続く。
3人が、犯人と鉢合わせなかったことに安堵を覚えかけたその時だった。袋を押しのけるような音が聞こえた。
紗宙は反射的に拳銃を構え直す。結夏も投げナイフを構え、3人は再び棚の影から食料を見つめた。袋の影から何かが出てきたのがわかった。3人は焦りながらそれを見る。しかし、目が慣れてきてその何かがハッキリとわかった時、3人は拍子抜けしてしまった。


「ニャ〜、ニャ〜。」


あれは人ではなく、猫である。そしてこんな雪山にいる猫なんて、あの一匹しか考えられない。
紗宙の連れてきた野良猫のレオンだ。


「レオン...。私の天幕にいないと思ったらこんなところに...。」


レオンは食料の前をウロウロしながら、鳴き声を上げている。


「何だレオンかよ。焦らせやがって。」


「ほんとに驚かせないでよー。」


2人は文句を言いながらも、ウロウロしているレオンを見てほっこりしていた。
紗宙は、レオンを連れ戻すために彼の元へ向かおうとした。
だが、結夏がそれを止めた。紗宙が結夏の方を振り返ると、彼女の顔が再び戦慄とかしていくのがわかった。


「ねえ、何か足音が聞こえない?」





その一言に、紗宙と灯恵も血の気が引いた。
気を取り直して、再びレオンのいる食料の方へと目をやる。レオンはしばらくウロついていたが、何かに気が付いて動きを止める。そして、斜め上に視線を向けた。
レオンが見ている方へ、3人も視線を移した。するとそこには、フードを深く被った何者かが、レオンを見下すように佇んでいた。レオンはその何者かの足元へと寄ろうとするが、そいつは嫌そうにしている。
その仕草にどこか見覚えがあった。そして、これまでの調査から導き出した想像したくもない現実が、更に浮き彫りになっていくことへ激しい悲しみを覚えた。
紗宙は、そのフードを被った何者から一切目を離さない。
フードの人物は、そのまま食料に向き合い、ポッケから取り出した薬品のような物を散布していく。影から見ている3人は、恐怖心と戦いながら、いつ出ていくのかを考えていた。
レオンは、犯人に身体をこすりつけながら、鳴き声を上げている。そのフードを被った犯人は、レオンがあまりにもしつこいので蹴り飛ばそうとした。
するとレオンは、危機を感じたのか少し距離をとり、毛を逆立てて威嚇するかのごとく鳴き声をあげる。


「ニャー!!!」


下手に物音がたてば気づかれるかもしれない。そう考えたフードの犯人は、ナイフを取り出してレオンを突き殺そうとする。
灯恵は、それを見過ごすまいと犯人に立ち向かおうとした。しかし目の前には、すでに犯人の正面に立ち、拳銃を向けて仁王立ちしている紗宙の姿があった。
灯恵と結夏は、彼女に続く形で犯人の前までやってきた。紗宙の手は、寒さと感情で震え上がっていて、定まらない銃口が目立っている。3人に気づいたのか気づいていたのか、犯人はゆっくりとこちらを振り向いた。いつの間にか外の吹雪が止み、月明かりが食料庫内を照らし出す。レオンは、紗宙を見つけるとすぐにこちらへと駆け出してきた。
レオンも含めた3人と1匹は、毒薬を巻いてAIMを混乱に陥れた人物の方を凝視する。そして、その顔を見た結夏と灯恵は、言葉を失って立ち尽くしていた。紗宙は、すでに勘付いていたのか、感情を必死に押さえ込みながらも冷静を保ち続けている。
一方の犯人は、冷たい目で紗宙を見つめながら、ゆっくりとフードを取る。すると、隠れていた銀色の美しい髪の毛が、月明かりに照らされて煌びやかに姿を現した。
紗宙は、冷静をギリギリ保ちながら言葉を発する。


「何で、あなたなの...。」


冷酷な目をした犯人は、仄かな笑みを浮かべながら、いつの間にか彼女に銃口を向けている。
対峙する2人の間に、冷たい隙間風が吹き荒んだ。








(第五十五幕.完)
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登場人物紹介

・北生 蒼(きたき そう)

本作シリーズの主人公であり、青の革命団のリーダー。

劣悪な家庭環境と冴えない人生から、社会に恨みを抱いている。

革命家に憧れて、この国を変えようと立ち上がる。

登場時は、大手商社の窓際族で、野心家の陰キャラサラリーマン。

深い闇を抱えており、猜疑心が強い。

自身や仲間を守るためになら手段を選ばず、敵に残忍な制裁を加えて仲間から咎められることも多い。

非常に癖のある性格の持ち主ではあるが、仲間に支えられながら成長していく。

仙台にて潜伏生活中に、恋心を抱いていた紗宙に告白。

無事に彼女と恋人関係になった。



・袖ノ海 紗宙(そでのうみ さら)

青の革命団メンバー。

蒼の地元の先輩であり、幼馴染でもある。

婚約者と別れたことがきっかけで、有名大学病院の医療事務を退社。

地元に戻ってコンビニでバイトをしていた。

頭も良くて普段はクールだが、弟や仲間思いの優しい性格。

絶世の美人で、とにかくモテる。

ある事件がきっかけで、蒼と共に旅をすることになる。

旅の途中でヒドゥラ教団に拉致監禁されるが、蒼たち青の革命団によって無事救出される。

そして蒼からの告白を受け入れ、彼とは恋人同士の関係になった。


・直江 鐘ノ助(なおえ かねのすけ)

青の革命団メンバー。

蒼の大学時代の親友で、愛称はカネスケ。

登場時は、大手商社の営業マン。

学生時代は、陰キャラグループに所属する陽キャラという謎の立ち位置。

テンションが高くノリが良い。

仕事が好きで、かつては出世コースにいたこともある。

プライベートではお調子者ではあるが、仕事になると本領を発揮するタイプ。

蒼の誘いに乗って、共に旅をすることになる。

結夏に好意を抱いており、典一とは恋のライバルである。


・諸葛 真(しょかつ しん)

青の革命団メンバー。

蒼が通っていた自己啓発セミナーの講師。

かつては国連軍の軍事顧問を務めていた天才。

蒼とカネスケに新しい国を作るべきだと提唱した人。

冷静でポジティブな性格。

どんな状況に陥っても、革命団に勝機をもたらす策を打ち出す。

蒼の説得により、共に旅をすることになる。

彼のおかげで今の革命団があると言っても良いくらい、その存在感と功績は大きい。

革命団のメンバーからは、先生と呼ばれ親しまれている。


・河北 典一(かほく てんいち)

青の革命団メンバー。

沼田の町で、格闘技の道場を開いていた格闘家。

ヒドゥラ教団の信者に殺されかけたところを蒼に助けられる。

それがきっかけで、青の革命団に入団。

自動車整備士の資格を持っている。

抜けているところもあるが、革命団1の腕っ節の持ち主。

忠誠心も強く、仲間思いで頼りになる存在でもある。

カネスケとは結夏を巡って争うことがあるが、喧嘩するほど仲が良いと言った関係である。


・市ヶ谷 結夏(いちがや ゆな)

青の革命団メンバー。

山形の美容院で働いていたギャル美容師。

勝気でハツラツとしているが、娘思いで感情的になることもある。

手先が器用で運動神経が良い。

灯恵の義理の母だが、どちらかといえば姉のような存在。

元は東京に住んでいたが、教団から命を狙われたことがきっかけで山形まで逃れる。

流姫乃と灯恵の救出作戦がきっかけで、革命団と行動を共にするようになる。

山寺の修行で投げナイフの技術を取得。持ち前のセンスを活かして、革命団の危機を何度も救った。

蒼や先生は、彼女のことを天才肌だと高評価している。

革命団のムードメーカー的存在でもある。


・市ヶ谷 灯恵(いちがや ともえ)

青の革命団メンバー。

結夏の義理の娘。

家出をして生き倒れになっていたところを結夏に助けられた。

15歳とは思えない度胸の持ち主。

コミュ力が高い。

少々やんちゃではあるが、芯の通った強い優しさも兼ね備えている。

秋田公国に拉致されたところ、革命団に助けれる。

それがきっかけで、共に行動することになる。

戦場では戦えないものの、交友関係を作ったりと、陰ながら革命団を支えている。

先生から才を認められ、彼の弟子のような存在になりつつもある。


・関戸 龍二(せきど りゅうじ)

青の革命団メンバー。

『奥州の龍』という異名で恐れられた伝説の不良。

達也に親族を人質に取られ、止むを得ず暴走天使に従っていた。

蒼と刃を交えた時、彼のことを認める。

革命団が達也から両親を救出してくれたことに恩を感じ、青の革命団への加入を決める。

寡黙で一見怖そうだが意外と真面目。

そして、人の話を親身になって聞ける優しさを兼ね備えている。

蒼にとって、カネスケと同等に真面目な相談ができる存在となる。

真冬の北海道でもバイクを乗り回すほどのバイク好き。


・酒々井 雪路 (しすい ゆきじ)

青の革命団メンバー。

かつては政治家を目指して、東京の大学で法律を学んでいたが、少数民族の為に戦いたいという思いから北海道へ渡り、AIMに参加する。

ツーリングが趣味で、それ故に機動部隊へと配属されてしまう。

だが、そこで龍二と出会い、彼の紹介で青の革命団へと加入。蒼や先生とともに、新国家の憲法作成することになった。



※第三十八幕から登場

・イカシリ

青の革命団メンバー。

AIM軍の腕利きのスナイパーで、アイヒカンの部隊に所属していた。

射撃の腕は一流で、雪愛(美咲)から密かにライバル視されている。

南富良野で蒼と一緒に戦った時、彼に才能を認められ、次第と行動を共にすることが多くなる。そしていつの間にか、蒼の配下のスナイパーとなり、彼の元で官軍と壮絶な銃撃戦を行う。

服が好きで、アイヌの伝統衣装を自分でアレンジして作った服を着こなしている。



※第三十六幕から登場

・間宮 恋白 (まみや こはく)

青の革命団メンバー。

麟太郎の娘で、年齢は4歳。

生まれたばかりの頃、麟太郎が官軍に捕えられてしまい、母子家庭で育つ。

紋別騎兵隊が街に侵攻した時、母親を殺され、更には自分も命を狙われるが、サクの手により助けられた。

それから灯恵の力により、北見の街を脱出して、一命を取り留める。

命の恩人でもある灯恵のことを慕っている。また彼女から実の妹のように可愛がられており、「こはきゅ」という愛称で呼ばれている。



※第四十四幕から登場

・間宮 麟太郎 (まみや りんたろう)

青の革命団メンバー。

恋白の父親で、元銀行員。

網走監獄に捕らえられていたが、AIMの手により助け出された。

娘が灯恵により助けられたことを知り、何か恩返しがしたいと青の革命団に参加する。

経済について詳しく、蒼からは次期経済担当大臣として、重宝されることになる。

また長治とは、監獄で共に生活していたので仲が良い。



※第五十一幕から登場

・許原 長治 (ゆるしはら ちょうじ)

青の革命団メンバー。

元力士。北海道を武者修行していた時、AIMに協力したことがきっかけで、網走監獄に捕らえられていた。

囚人達からの人望が熱く、彼らをまとめ上げる役を担っていた。

AIMに助けられた後は、青の革命団に興味を持ち、自ら志願する。

典一と互角にやりあうほど喧嘩が強く、蒼や先生からの期待は厚い。

監獄を共に生き抜いた間宮と、その娘の恋白とは仲が良い。



※第四十三幕から登場

・レオン

紗宙が飼っている茶白猫。

元は帯広市内にいた野良猫であったが、紗宙と出会い、彼女に懐いてAIM軍の軍用車に忍び込む。

大雪山のAIM陣で紗宙と再会して、彼女の飼い猫になった。



※第五十二幕から登場

・石井 重也 (いしい しげや)

青の革命団メンバーであり、日本の国会議員。

矢口宗介率いる野党最大の政党、平和の党の幹事長を勤めている。

党首である矢口から命を受け、用心棒の奥平とともに北海道へ渡航。先生の紹介で蒼と会い、革命団への加入を果たす。

政治に詳しい貴重な人材として重宝され。雪路とともに、新国家の憲法作成に携わっていくこととなる。

頑固で曲がったことが嫌いな熱い性格だが、子供には優しいので、恋白から慕われている。

元青の革命党の党員でもあり、革命家の江戸清太郎と親しい関係にあった為、革命家を志す蒼に強く共感していく。



※第五十四幕から登場

・奥平 睦夫 (おくだいら むつお)

青の革命団メンバー。

平和の党の幹事長である石井の用心棒として、共に北海道へ渡航。先生の紹介で蒼と会い、革命団への加入を果たす。

石井とは青の革命党時代からの知人で、かつて彼の事務所で勤務をしていた。その頃、江戸清太郎の演説を聞きに来ていた蒼にたまたま遭遇している。

普段は物静かだが、心の中に熱い思いを持った性格。



※第五十四幕から登場

羽幌 雪愛(はほろ ゆあ)

札幌官軍三将の豊泉美咲が、AIMに潜入する為の仮の姿。

青の革命団について調査する為に、蒼や先生に探りを入れたり、時には彼らの命を狙う。

その一方で、スナイパーとしてAIM側で戦に参戦。戦力として大いに貢献。紗宙や灯恵と仲良くなり、彼女らに銃の手解きをする。

また、その関わりの中で紗宙の優しさに触れ、スパイであることに後ろめたさも生まれてしまう。

性格はポジティブで明るいが、裏に冷酷さも兼ね備えている。



※第三十五幕から登場

・矢口 宗介 (やぐち そうすけ)

国会議員で、先生の旧友。

27歳の若さで初当選を果たし、33歳で野党最大の政党である平和の党の党首まで上り詰めた。

温厚で正義感が強く、日本国を腐敗させた神導党と激しく対立。神導党の後継団体であるヒドゥラ教団から、命を狙われている。

内からの力だけでは日本国を変えられないと判断して、旧友である先生が所属する革命団に未来を託すべく、石井と奥平を北海道へと派遣した。

蒼や先生にも負けず劣らずのロン毛が特徴。



※第五十四幕から登場

・イソンノアシ

AIMの首長であり、英雄シャクシャインの末裔。

サクの父親でもあり、温厚で息子思いの性格。それ故に、AIM軍や統治領域の民衆からの人望が厚い。

諸葛真が大学生の頃、遭難から救ったことがきっかけで、彼とは親友の仲になる。

サクの和人嫌いというトラウマを克服させる為に、彼を革命団の案内役に任命した。


・サク

イソンノアシの息子で、英雄シャクシャインの末裔。

毒舌で攻撃的な性格。

実行力と統率力、そして軍才があるので、AIM関係者からの人望が厚い。また父を尊敬していて、親子の関係は良好。

しかし、交戦的で容赦がないので、札幌官軍からはマークされている。

かつては、温厚かつ親しまれる毒舌キャラだったが、恋人を官軍に殺されたから変貌。和人を軽蔑して、見下すようになったという。

殺された恋人と瓜二つの紗宙へ、淡い好意を寄せる。



・ミナ

サクの元婚約者。

アイヌ民族の末裔で、自らの出自やアイヌの文化に誇りを持っており、北海道を愛していた。

2年前、裏切り者の手によってサクと共に捕らえられる。

そして、彼の目の前で、松前大坊に殺された。



※第三十三幕と第五十幕で登場

・ユワレ

サクの側近であり、幼馴染でもある。

正義感が強く、曲がったことが好きではない性格で、みんながサクを恐れて諌めようとしない中、唯一間違っていることは間違っていると言ってのける存在。

また忠義に熱く、蒼から何度も革命団への入団オファーを受けるが、全て断り続けている。



※第三十三幕から登場

・アイトゥレ

AIM幹部の筆頭格で、イソンノアシやサクの代わりに、軍の総大将を務めることも多々ある。

歴史ファンで、特に好きなのが戦国時代。お気に入りの武将は本多忠勝。

道東遠征で、共に戦うカネスケの才を見抜き、別働隊を任せるなど、彼に軍人としての経験をつませる。



※第三十八幕から登場

・京本 宗男(きょうもと むねお)

北海道知事であり、札幌官軍の代表。

日本政府の指示の元、北海道の平和を守る為に、AIMとの紛争に身を投じた。

政府に忠誠を尽くす一方で野心家でもあり、いつかは天下を取ろうと画策している。

それ故に、紛争を理由に軍備の増強を図る。

人の能力を的確に見抜き、公平な評価を下すことから、部下からの信頼は厚い。

公にはしていないがヒドゥラ教団の信者で、土龍金友のことを崇拝している。



※第三十二幕から登場

・土方 歳宗 (ひじかた とししゅう)

札幌官軍三将の筆頭で、身長190㎝超えの大男。

京本からの信頼も厚く、札幌官軍の総司令官の代理を務めることもある。

武術の達人で、国からも軍人として評価されており、一時期は先生と同じく国連軍に所属していた経験もある。

北海道の治安を守る為にAIMとの戦争で指揮を取るが、特にアイヌやAIMを憎んでいるわけではない。

部下からも慕われていて、特に美咲は彼のことを尊敬している。また彼女と同様に松前の残虐非道な行為をよく思ってはいない。



※第五十一幕から登場

・豊泉 美咲(とよいずみ みさき)

札幌官軍三将の1人。

セミロングの銀髪が特徴的なスナイパー。銃の腕前は、道内一と言われている。

性格はポジティブで、どんな相手にも気軽に話しかけられるコミュ力の持ち主。

京本からの指示を受け、青の革命団の実態調査の任務を引き受ける。

キレ者で冷酷な所もあるが、非道な行為を繰り返す同僚の松前を心底嫌っている。



※第三十ニ幕から登場

・松前 大坊(まつまえ だいぼう)

札幌官軍三将の1人。

人柄はさておき、能力を買われて三将の地位まで上り詰める。

サクの恋人を殺害した張本人。

類を見ない残忍性で、AIMおよびアイヌの人々を恐怖に陥れた。

再びAIM追討部隊の指揮官に任命され、AIMと革命団の前に立ち塞がる。



※第三十ニ幕から第五十幕まで登場

・エシャラ

イソンノアシの弟で、サクの叔父に当たる人物。

元AIMの幹部で、考え方の違いから、札幌官軍に内通して寝返る。

サクとミナを松前大坊へ引き渡し、ミナの殺害に少なからず加担した。

温厚だが、自分の信念を曲げない性格。

AIMをえりもへ追いやって以降は、松前の手先として帯広地域を統治していた。



※第三十三幕〜三十四幕で登場

・御堂尾 神威 (みどうお かむい)

紋別騎兵隊の副隊長。

日本最恐の軍隊と恐れられる騎兵隊の中でも、群を抜く武勇と統率力を誇る。

しかしその性格は、冷酷で自分勝手で俺様系。

人を恐怖で支配することに喜びを覚え、敵対した者は、1人残らず殺し、その家族や周りにいる者、全てを残忍な方法で殺害。

また、騎兵隊の支配地である紋別の町では、彼の気分次第で人が殺され、女が連れさらわれていた。

その残酷さは、松前大坊と匹敵するほど。

結夏に因縁があるのか、執拗に彼女のことを狙う。



※第四十一幕から登場


・御堂尾 寿言 (みどうお じゅごん)

神威の弟で、紋別騎兵隊の隊員。

兄と同じく残忍な性格。

兄弟揃って紋別の町にふんずりかえり、気分で町の人を殺したり、女性に乱暴なして過ごしている。

食べることが好きで、体重が100㎏を超えている大男。

兄の神威と違い、少し間抜けな所があるものの、他人を苦しめる遊びを考える天才。

大の女好き。



※第四十二幕から第四十八幕まで登場

・北広島 氷帝 (きたひろしま ひょうてい)

紋別騎兵隊の隊長で騎兵隊を最恐の殺戮集団に育て上げた男。

『絶滅主義』を掲げ、戦った相手の関係者全てをこの世から消すことを美学だと考えている。

松前大坊からの信頼も厚く、官軍での出世コースを狙っていた。



※第四十六幕から第四十九幕まで登場

・仁別 甚平 (にべつ じんべえ)

黒の系譜に選ばれた者の1人。

カニバリズムを率先して行い、雪山で焚き火をして遭難者を寄せ付け、殺害しては調理して食べる、という行為を繰り返している。

特に若い娘の肉を好んで食す。

リンに狂酔しており、彼女の興味を一心に浴びる蒼を殺そうと付け狙う。



※第四十二幕から登場

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