第16話 怒りの現場の目撃者
文字数 482文字
保育園が冬休みに入った日、夫婦喧嘩をした。
それを目の当たりにしたせいか、通園しなくなった影響なのか、娘は好きなDVDを見続けたり、夜寝るのを嫌がったり、言うことを聞かず、駄々をこねるようになった。
「喧嘩が原因で甘えているのかな」と妻と話し合い、「今後は気をつける」と妻も反省した様子だった。それ以来、妻が大声を出した時は、娘に怒った姿を見せないように頼んだ。
けれど、私の必死の頼みも聞き入れられることはなかった。
ある朝、私が娘に食事を食べさせていると、妻がまた怒り出した。理由は覚えていない。毎朝、食事の世話や着替えを私がして、妻は保育園の手帳を書くのだが、先生への一言を書くだけでも妻は真剣で、その時に話しかけると怒り出すくらい、いつも理由は些細なものだ。妻の余裕のない精神状態は、いつも不思議で仕方がない。その反応の過剰さも常軌を逸していて理解できないものだった。
この日も、娘の見ている前で、大声を上げる妻を止めることができず、もうどうしようもなくて、食卓の横で土下座をして謝った。
「それが気持ち悪いんや!」
妻は、さらに大声を上げた。
それを目の当たりにしたせいか、通園しなくなった影響なのか、娘は好きなDVDを見続けたり、夜寝るのを嫌がったり、言うことを聞かず、駄々をこねるようになった。
「喧嘩が原因で甘えているのかな」と妻と話し合い、「今後は気をつける」と妻も反省した様子だった。それ以来、妻が大声を出した時は、娘に怒った姿を見せないように頼んだ。
けれど、私の必死の頼みも聞き入れられることはなかった。
ある朝、私が娘に食事を食べさせていると、妻がまた怒り出した。理由は覚えていない。毎朝、食事の世話や着替えを私がして、妻は保育園の手帳を書くのだが、先生への一言を書くだけでも妻は真剣で、その時に話しかけると怒り出すくらい、いつも理由は些細なものだ。妻の余裕のない精神状態は、いつも不思議で仕方がない。その反応の過剰さも常軌を逸していて理解できないものだった。
この日も、娘の見ている前で、大声を上げる妻を止めることができず、もうどうしようもなくて、食卓の横で土下座をして謝った。
「それが気持ち悪いんや!」
妻は、さらに大声を上げた。