テトテトテ

エピソード文字数 528文字

テトテトテ

温度分け合った手と手。
手を離したのは僕の方だった。

離された君の手が凍えてるが、
離した僕の手も同時に冷たい。

歓び、嘆き、色々と分け合ってきた。
最後に分け合ったのは痛みだった。

温もり残さないで、辛いだけだ、
あなたは泣いた。

最後に一度会おう、そんな言葉も、
僕には響かなかった。

嫌いになったわけじゃない。
ただ、好きだけど好きじゃない。

冷めてしまったんだ。
錆びてしまったんだ。

君となら上手く描けないんだ未来が。
輝きを失った世界で。

離した手と手でそれぞれが、
頬を濡らす泪を拭いそれから。

離した手と手でそれぞれが、
苦しいと強く握る拳へ変える。

怖くないと力が抜けて、
ゆっくりと指を解き、

手のひら開いたなら、
互いに手を振り合おう。

温もり残さないように。
冷たさ感じないように。

そこでようやくさよならだ。

別れを告げた方だって、別れは痛い。
蘇る踏み切りの向こうに電線に。

僕で汚れたのなら手を洗って。
優しい指先に包まれて。

幸せを願って、不幸せを願って、
手の平はひっくり返る。

美化されてるんだ、過去が光る。
そのくせに未来は、輝きを失う。

離した手をポケットにしまう。
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