文字数 1,098文字

森の奥から 魔女 じゃなくて ママの大っきな声。
それから 早起きのめざまし。
ここまでは いつもの朝と 同じだったの……。
え……?
なに……?
なにか いる…?
え……っ どうして?
ワタシ どうして タマゴをだっこしてるのよっ!
もう いっぺんに目がさめちゃったわ。
ねぇ キミは ダレ?
ねぇ キミは ナンなの?

どうして タマゴが……?
なんのタマゴかしら……?
おどろきっぱなしじゃ ダメよね。
そうよ こういう時こそ レイセイにならないとね。
いちど しんこきゅうをしてから
タマゴをね そーっとまくらにのっけて かんさつしてみたの。
大きさは ちょうど パパの手のひらくらい かな。
重さは 水さいばいのヒヤシンスくらいね。
色は きれいなレモンイエロー。
ピクリともしないで ジーッと うごかない。
キャッカン的には こんな感じね。
ねぇ キミ そのままでいてね じっとしててよ。
急に 動きだしたりしたら
さすがのワタシだって ギャーッて さけんで
ほうり投げちゃうかもしれないからね。
バラバラに割れちゃったりしたら あとかたづけが たいへんなんだから。
しずかにしててよね。

それから つくえにうつして
コロンと ころがしてみたの。
コロコロ…… ヨロヨロ…… ヨタヨタヨタ……。
キミ なんか ノンビリしてるわね。
ほら はじっこは あぶないよ。落ちないように 気をつけてね。
ヨロヨロ…… ヨタヨタヨタ……。
タマゴは クルーッとまわって もどってくる。
めざまし時計とは はんたいまわりにね。
そのようすがね なんだかカワイくって ちょっとだけキュンとしちゃった。
それでね つい だっこしちゃったの。
それにしても タマゴのカタチって フシギよね
コロコロ…… ヨロヨロ…… ヨタヨタヨタ……。
ほら こがしてもころがしても ちゃんともどってくるんだもの。

ねぇ ママ
イタズラしたでしょ?
ワタシのベッドに タマゴをいれたでしょ?
とぼけたってムダよ と思ったけど……。
今朝は だまっておこう。
だって さっきから みかづきクロワッサンのあまい匂いがしてるの。
スクランブルエッグと ミルクの いい匂いもね。
タマゴのことはちょっと置いといて 朝ごはんに全集中よ。
しっかり食べて リュックをしょって スクールバスまで ダッシュよ!
タマゴは クローゼットのすみっこに かくしておいた。
寒くないように セーターにくるんでね。
もし ママがクローゼットをあけても きっと見つからない。
だって カラシ色のセーターに くるんでおいたからね。
ほら ホゴ色よ。
じゃあね いってきまーす。
帰るまで そのまま おとなしくしててね。
きょうも べんきょう がんばるぞーっ!(ウソ)



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