第九話 オーホッホッホ!
文字数 1,156文字
お気をつけ下さい、姫様。
先ほどの戦闘を見られていたのかもしれません。
さ、さあ、なんのことだか……。
ナニイッテルノカ、ワカリマセーン。
いんや、オラこの目でしっかりと見たべさ。スライムさガツーンとやっつけてたべ。
チィッ……魔法さえ使えれば記憶を消すこともできるものを……。
で、もしよかったら、オラの畑でもやってもらえねえかと思ってよ。
だから、スライムさ退治してもらえねえかと思ってよ。
もちろん報酬はきちんと用意するべ。
姫様、村の人間たちと打ち解けるチャンスかもしれませんよ!
確かにここで恩を売っておくのは、後々のために有効かもしれませんな。
あ、あとイチゴがあるだ! 今朝搾った牛乳もあるべ。
イチゴと牛乳!? やる、やる。絶対やる!
今すぐやる!
むむ……君子豹変すというレベルではありませぬな……。
いちごミルクのためならやるっきゃないでしょ!
こっちに来てから甘いもの食べてないし!
おお、助かったべさ。約束のイチゴと牛乳だべ。ありがとさんだべ。
チョロいもんよ。また出てきたら言いなさい。イチゴを用意しといてね!
村人から感謝されて、お礼ももらって、言うことなしですね☆
ふぅ~。それにしても、今日はがんばったわね。
そろそろおじいも帰ってくる頃だし、帰りの支度を……。
おおーい、そこのあんた! あんた、スライムを退治できるって聞いたべ。
オラの畑も頼むべさ。
オラの畑! オラの畑さ先にやってくれたら、お礼はたんとはずむべ!
あららら、噂を聞きつけて、たくさんの人がやってきましたね。
ま、いいわ。まとめてやってあげるから、まっかせなさい!
その代わり、お礼はたっぷりとね!
……で、こーんなにたくさんの食材をもらってきたってわけよ。
おじいもたくさん食べてね!
ほう……こりゃたまげたの。
……しかしスライムも下手に刺激すると危ない。あまり近寄らんほうがええと思うがのう。
大丈夫、大丈夫。あたしをそんじょそこらの人間と一緒にしないでよね!
まさかお嬢が人から感謝される日が来ようとは。
不肖ベリアル、涙を禁じ得ない。
ま、あたしが本気を出せばこんなもんよ!
オーホッホッホ!
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