第36話 実害はない2

文字数 575文字

 覚えている限りで7社くらいの求人サイトに登録して、「テレワーク可」を第一条件に仕事を探した。
 3か月後。思ったより時間がかかって多少の貯金を溶かすことにはなったが、なんとか大阪の会社でライターの仕事に就職できた。
 月に1回出勤しなければならないけれど、交通費は会社負担だし、ちょっとした旅行気分だ。
 そしてこの転職を機に、都心から埼玉県に移り住むことにした。

 1Kの普通のマンション。
 駅チカで目の前がコンビニと、なかなか住みやすい。
 ただ、住み始めて1か月くらいすると、少々気になることがでてきた。

 まず、キッチンが臭い。
 生ゴミの始末はきっちりしているし、流しも排水口も何度も洗浄している。
 消臭剤は3つも置いたし、換気もこまめにして、ファブリーズも毎日しているのに、ふとしたタイミングにゴミのような口臭のような臭いが鼻をかすめる。
 まあ、ウンコ臭いんじゃなくてまだ良かった。
 下水の臭いが逆流しているのかと思って業者の人を呼んで見てもらったけれど、問題なしで打つ手なし。

 それから風呂場。
 使っているときは何ともないけれど、それ以外の時間は湯船の排水口からずっとコポコポ音がしている。
 ちなみにこっちは臭くない。
 ドアを閉めてしまえばまったく聞こえないので、仕事や睡眠にはまったく影響はないけれど、原因がわからないから気になってしょうがない。
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