如月真琴

文字数 2,422文字

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テレビの中では 高校生ぐらいの少年と少女が入れ替わっている!!
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そろそろ 行かなくちゃ!
僕は ダンゲロスタウンのナハマ!

15歳になった僕は 今日も勇者として活動を続けるのだった!

目指すものはただひとつ 魔人マスターという名の称号のみ!


待ってろ四天王 そして魔王 絶対にお前らを倒してやるからな!

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ピッピカチュウ!
◇ ◇ ◇

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おお 赤沙汰よ! 寝坊してしまうとは 情けない!!

そなたが次のレベルになるには あと――

おはよう ママ!!

早く学校にいって 新しい魔法を覚えるように頑張るよ!

待ちなさい 外は危険よ!

さぁ これを持っていきなさい ピンチの時に使うのよ


必ず――生きて帰ってきなさいよ……。

これで毒を食らっても安心だね!
◇ ◇ ◇

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『えー、お伝えしていますように、NASUはこの件を受けて火星テラフォーミング計画を急ピッチで進めています。観測が正しければ、2週間以内に地球はあらゆる生命の活動が出来ない死の星になるでしょう。落ち着いて、政府の次の発表をお待ち下さい』
『では、次の臨時ニュースです――』
◇ ◇ ◇

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ドアを開けると そこには夜空が広がっていた――

AM7:55

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こ こりゃあ一体 何がどうなってやがるんだ!?
はん はん はんがく~♪

はんがくさむらい~♪

良い夜空だね 坊や

だって今は 8時前じゃないか 子供は家でテレビでも見てな

8時前だってぇ!? いやいや だって朝だよ!?

おにいさん ひょっとして午前と午後を間違えてない!?

ちっちっちぃ……それは昨日までのルールさ

今日から世界は12時間で一周する 時間を半分にしたからね

あっ さてはおめー 痛い奴だな!?

この勇者アカサタ様が 成敗してやる!!

痛いのはお互い様じゃないか!!

しかし君から 不思議な性質を感じるよ――


その勇気まで半分にするのは やめておこう

せいぜい楽しませてくれよ――少年!!

男は腰に提げた刀を引き抜くと 僕の額に突き付けた

その出で立ち なり振る舞い 言動 まさか――

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サムライタイプのジムリーダーだな!?
?????


よく分からないが 俺は半額侍!

半分に出来るのなら 猫の額だって真っ二つさ!

神だって 半分にしてみせる!
よく分からないが この夜を元に戻してもうらぞ! 半額侍!

そして――僕の 経験値にしてみせる!!

そして僕の周辺に 火炎の魔法陣が形成される

家に伝わる 魔滅の魔法だ!

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これはメラゾーマじゃない メラだ!
辺り一面に 本物の火が上がる

たくさん寝たからMPは全快 


家の周りのザコ敵にも 容赦しないと決めているのだ!

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ぐぅ……アッツゥイ!!

ちくしょう 小僧め!

物価を8分の1にまで下げて買った 袴が焦げてしまったではないか!


許さん……許さんぞ小僧ぅ!!

なっ……僕のメラを食らって生きているだってぇ!?

咄嗟に威力を半分にしたからな……。


しかし小僧 さっきは油断したな

どうやらお前も 世界には過ぎた力を持っているようだ


デフレーションの渦に揉まれるがいい!

半額斬ッッッッッ!!
技名 しょっぼ!!
メラ男に言われたくないわぁ!!
次第に 身体の力が抜けていく――

おかしい 直接斬られたような感覚は無い


なのにMPが減っていくような そんな感覚――

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くそっ お前 何を……っ!

まさか 僕のレベルを半分にしたのか!?

経験値? レベル? 何のことだかさっぱりだな

俺が半分にしたのは全身の筋肉


直に重力にも耐えきれなくなるだろう――地に這うがいい

くそっ……弱体化イベントか

だが――僕はそんなものに屈しない!

誰かが僕を支えていてくれる限り 僕は絶対に負けないんだ!

うおおおおおおお!!
その時 全身から力が漲ってきた

天から降り注ぐ光に包まれ 新たな力に覚醒する――ッ!!

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ぐっ……小僧 まだ奥の手を残していたのか!?

いかん やられる前に半分にしなくては



そうだ 全てを半分にするのだ――

半分にしなくては

半分にしなくては

世界には過ぎた力が多すぎる

全て半分にするのだ

そして俺が――新世界の神となるッ!!

我がとっておきの 半額斬を喰らえッ!!
勇者なめんじゃねえええええええ!!
目に見えない斬撃だった『半額斬』は 僕の力で可視化される

そして僕の右手に握られているのは マスターソード


その斬撃はマスターソードによって受け止められ 跳ね返されるッ!!

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過ぎた力はお前だろおおおおおおおお!!
馬鹿な 俺が ここで終わるなんて……

流石だ 勇者よ……



しかし 覚えておくがいい

世界はすでに 手遅れなのだ――

どうしてお前が 正義だと言える

俺が正しくて お前がそれを邪魔しただけかもしれないのに――

そんなのいちいち気にしてねぇよ!

目の前に敵が居るからぶっ飛ばす!


勇者は決して振り返ったりしない!!

そうか……お前はアホなんだな

俺もお前のように 気楽に 生きていたかった

残り少ない地球での暮らしを 楽しむといい
え 今なんて――
拙者の名前は半額侍!

小数点以下――斬り捨て御免!



そして拙者は切腹致す!

最後の目的――地球と太陽の距離を半分にしたのでな!!

◇ ◇ ◇

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『えー、依然として地球と太陽の距離は縮まるばかりです。

 このままでは大気は濃度を増し 地表の温度は高まり やがて誰も住めない死の星が完成してしまうでしょう――』

『すでに市民の皆様は地下に避難していただき、この放送をご覧になっているのでしょう。NASUは順次ロケットを打ち上げ、火星への移住を提案しています――』
◇ ◇ ◇ 

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違う こんな世界は望んでいない

もっと世界は平和に過ぎていくものだって 思っていた

魔王が現れてもすぐに倒していくって 心に決めていたのに――

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こんな世界はリセットだ

詰んでしまった世界をもう一度 やり直すために






僕はリセットボタンに手をかけた

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『最初からやり直しますか?』


→はい

 いいえ

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『セーブデータが破損しています』

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おしまい。

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そこまで!

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登場人物紹介

魔人勇者アカサタ


本名:名浜 赤沙汰(なはま あかさた)

ゲームばかりしている妄想引きこもり少年だったが、15歳を迎えた朝、母親の「実はあなたは勇者なの」という冗談を真に受けて魔人化した。


能力:勇者脳

現実世界をゲーム世界の勇者視点で都合よく解釈する。


例)

敵を倒すと経験値が手に入り、レベルアップでステータスが上昇する。

成長とともに、ゲーム世界の勇者が使えそうな魔法や特技を習得する。

死んでも自宅で復活することが出来る。etc


戦う理由:いつか現れるであろう魔王を倒すために、魔人を相手に経験値稼ぎをしておきたい。


アイコン:男性 メイン 学生 の3Pめくらい


「拙者の名前は半額侍!

 小数点以下――斬り捨て御免!!」



デフレーションの侍

○小太刀 半蔵(こだち はんぞう)



この世の中に不満を持ち、

全てを等しく半分にしようと目論んでいる青年。

毎晩の食事も自分で用意しなければならないぐらい極貧かつ特殊な家庭に生まれ育ち、お金を持つことも使うことも贅沢だと考えるようになる。

それが両親が殺害され組織に引き取られるまでの、15年間。


15歳からは魔人候補生と呼ばれる孤児の少年少女と、

施設での集団生活をさせられるようになる。

スーパーでバイトを始め、一般的な価値観を学んでいった。

初めて手にするお金の重み――彼は少しずつ人間に近づいていく。

だが、すぐに物価の高さに辟易を覚えてしまう。

低賃金で働かされ、買いたいものを諦めたときの悔しさ。


もしも物価が半分になったら、今あるお金を2倍使えるのでは――。


そのことを施設長に話すと、男は嬉しそうに笑い、目一杯褒めた。

そして17歳の誕生日、彼は一振りの真剣をプレゼントされる。

「さぁ、これを使え。そして世界をぶった斬るのだ」

彼はありったけの不満を籠めて、斬撃を放った。

その日、世界の物価が半分に変わる――。


それから彼は半額侍を名乗るようになると、

不満あるものを片っ端から半分にすることにした。




能力名:半額斬《Half is Beautiful》

あらゆるものを半分に変えることのできる能力。

完熟卵を半熟に。

20才の女性を10才に。

富士山の標高も半分に。

こんにゃくだって、真っ二つ。

地球の直径を半分にすることも――出来る。



戦う動機:世界を創り直すため。




イラスト:三日月アルペジオ

作者:如月真琴


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