如月真琴

文字数 4,202文字

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他の人はおとなしくしててください!!

私が生まれた時、見えたものは1億年分の未来史だった。

たくさんの人間が生まれ、死に、次の世代に紡ぎ、連綿と、続いていく、歴史の、歴史の、歴史の、歴史の、行く末に――地球が滅ぶまで。


びっしりと、脳裏に焼き付いて離れない、遥かな悪夢。

私は――その意味を理解するまで、17年もかけてしまった。

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…………。
……マ……ん。
フーマさん!!
うぉおぅ!?
なんだ、ルナか。

寝ているうちにゾンビに襲われたのかと思ってしまったよ。

――まぁ、なんだ、おはよう。

ゾンビとは言ってくれますねぇ。

はい、お早うございます。


――早速なんですが、厄介事を引き受けてしまいまして。

…………いつものか。

今日は一体どんな冤罪を押し付けられたんだい?

人里の北方にある一家が襲撃されまして。

一家皆殺しの極悪殺人鬼に疑われております。
…………やったのか?
やってません! 神に誓って!
…………詳しい話は後で聞こう。

とりあえず、朝食の用意を。

◇ ◇ ◇

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出てきたぞ! ファミリーイーターだ!!
なんて残虐な顔つきをしているんだ、ファミリーイーターめ!
おそろしやぁ……おそろしやぁ……。
だからーーーー!! 私は無実だって言ってるでしょう!?

私は虫の子一匹殺せない乙女なんだからぁ!

ひぇ……おたすけえええええええ!!
……なるほど、ファミリーイーターか。

またすごい二つ名が付いたものだな。

しまいにゃ本当に食べてやるぞーーーーー!?
…………自首しよう、な?
ごめんなさい冗談です。
…………。
目を開けたとき、信じられない量の情報が脳に伝わってゆく――。

時間も場所もバラバラな『正解』たちが集合を始めた。


一家を襲撃した残虐な犯人が――意図も簡単に、浮かび上がる。

さぁ、推理編をすっ飛ばして解決編と向かおう。

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◇ ◇ ◇

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『パパー! ママー! 今日も良い天気だねー!!』
『あらあら、なんて良い天気なのでしょう。

 こんな日を与えてくれた神様には感謝しなければいけませんね。

 今日という日を、有意義に。清々しい朝に、感謝を。

 グッドモーニング!!』

『はっはっは……エレは大袈裟だなぁ。たかが快晴で。

 だが、いつも見慣れているこの景色だってお前たちと見ていると違った新鮮さを感じる。まるで……魔法のように。

 よぉし、パパ、今日は張り切っちゃうぞー!!』

『そこに現れる魔物の群れ』
『ひゃっはー! 人間どもめ、観念しろー!!』
『うわーん、パパ、こわいよー!!』
『な、何者だお前たち……!?

 どこから入ってきた……くそっ、私たちでは太刀打ちできない!!』

『へっへっへ……今日からは魔物の時代なんだよ!

 まずはお前たちから蹂躙させてもらう! 覚悟しろー!!』

――そこから先は、見るも醜い戦争だった。

凶暴化した魔物たちが人間を襲う、地獄絵図。


私は思わず、目を瞑った。

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◇ ◇ ◇

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…………。
フーマ……さん?

どうしたのですか? 何だか顔色が……。

すまない、心配には及ばないよ。

……しっかり見てしまった。


今回の一部始終――正解を。

我々には知りうるはずのない、未来を。

(いや……あれは未来ではなく、過去だ。

 忌々しいこの眼は、正解に辿り着くためなら過去の戦争だって見せてくる。

 ……全く、手に負えない。本当は絶対に使いたくないが……今回ばかりは、この眼に感謝しなければな)

そ、それで!? 一体何が見えたの!?
真犯人は!? 誰!!?
ママー、なんか怖い人がいるー。
しっ、見ちゃいけません!
…………。

私、そんな怖い顔してるかなぁ。

それは紛れもない事実だ。安心して一生付き合え。
しくしくしく……。

ねぇ、人気のない場所に移動しましょ。

あぁ、そうしよう。

……我々は、大いなる使命を背負ったかもしれないのでな。

……?
◇ ◇ ◇

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えぇー!? 魔物たちが凶暴化を!?
あぁ、どうやらファミリーイーターの正体は魔物の群れらしい。

こればかりは立証できないし、放っておけば被害は増える一方だろう。

――また面倒なことになったな、ルナよ。

……放っておくと、どうなる?
お前の余罪は増える一方だ。

ファミリースレイヤーの称号も遠くないだろう……。

ファミリースレイヤー=サン!?
そこへ魔物の群れが現れる。
うぎゃおおおお!! 処女の血を捧げろおおおおお!!
ぎゃあああああ!! へんたーーーーーーい!!
むっ……噂をすれば影、だな。

下がっていろ、私が撃ち抜く!!


ひゃっほーーーう!! 生娘の匂いがプンプンするぜーーーーー!!
言葉をしゃべり凶暴化した花のような魔物は、自らの葉を触手のように伸ばし、こちらを捕らえようと攻撃してきた。

――慧眼は全ての正解を告げる。

どのように避ければいいのか、決まりきった手順で、示す。

私はそのとおりに動き、反撃に転じた。

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あるべき姿に戻れ、怪物よ――!!
うおお……俺は女の子とイチャイチャしたかっただけなのに……(サラサラ
チッ……六番隊長がやられたか。
……次はお前の番だぞ?
くくく……我らが魔王様を見てもその余裕を保っていられるかな?
なるほど、親玉が居るのか。

――ぜひ、その魔王様とやらにご登場願いたい。

我々は逃げも隠れもしない……と、伝えたまえ。

はぁい、呼びましたか?
…………!?
や、やばいわ……この邪気は、本物よ!

本物の、魔王なのね!?

如何にも、私は魔王メタリカ・マグウォート。

逃げも隠れもしませんし、いつだって大切な友達を見守る母のような存在ですわ。


――大切なお友達を殺したあなたには、

引導を渡さなければいけませんわね? 覚悟はよろしくて?

くっくっく……覚悟しろ、勇者でもない村人風情が!
――胎内魔王城、開門♪
くっ……ここは一旦退くぞ、ルナ!

慧眼が告げている、今の我々には勝ち目なんて無い!

言われなくても逃げますよぉ!!!
逃げも隠れもしない――ではなかったかな、新世代の勇者君?
な、何奴――!?
私を差し置いて長々と……見るに絶えない茶番だった。

もうね、アホかと。


――私以外の黒幕なんて、要らないんだよねええええええ!

う、うおおおお!? 誰だお前は、本当に誰なんだお前えええええ!

二番隊長、三番隊長、ヤツを仕留めろおおおおおお!!

ひゃっはーーー!! 新鮮な生贄だあああああ!!
ノブコ、ツヨシ、最後に君たちの顔を見れてよかった……。

パパ、戦争に行ってくる……。

もし帰ってこれなくても、その時は……元気でやるんだぞ!

これぐらいの雑魚、私が指一本触れるまでも無い相手だ。

――呪殺! 呪殺! 呪殺ゥゥゥ!!

コウちゃん、グリー、イブクイック……。

みんなみんな……どこ……?

あなたが殺したのですか?

なぜ? なぜ? なぜえええええええ!?

黙らっしゃい。

お呼びじゃないんだよ、雑魚が。

(な、なんだコイツは……私の慧眼で、全く捕らえることが出来ない……!

 全てが予測不可能だ……存在しないもの……なのか!?

 ならば、目の前のこれらは……一体どうやって説明を付ける……!?)

あらあら、自己紹介が遅れましたね。

全く……無駄な登場人物ばかりで、私の見せ場が無いのは困りモノです。


――そこの魔王が何やら勘違いをしていたようですが、一連の黒幕は彼女ではありません。

魑魅魍魎を跋扈させるコックリさん……そんな感じで、よろしくお願いします^^

(クソッ……全く読めない!! 慧眼に全く映らないじゃないか!

 肝心なときに使えない……ッ!! 忌々しい慧眼めッ!!)

答えろッ!! お前は我々の敵か、味方か!
その眼に聞いてみればよろしいのではなくて?

――あぁ、それとも、私の体質のせいで何も出来ないのですか?

ちょっ、本気でヤバいって!!

今度こそ逃げましょう、フーマさん!

(クソッ……ここで逃げた時、一体我々はどれだけの損失を被る!?

 こんなヤツを野放しにして……一体どれだけの災厄が訪れる!?

 答えろ、忌々しい慧眼ッ!! 答えろッ!!!!)

それでは皆様――ごきげんよう^^


《狐焔弾》

止まれええええええええええええ!!!
あ、あら……?

なるほど、往生際が悪い……。

私自身は能力の影響を受けなくても、私から出る魔法を無力化する方法は幾らでもあるって……そういうことですか。

よっしゃあ、一本取った!

これはもう勝ったわね!!

…………!?
え、フーマさん、そこは「死亡フラグを言うな」とか、そういうツッコミを言うところじゃないんですか!? なんでそんなびっくり顔……ハッ!
なんで私も時間遅延の影響を受けていないんですかああああ!?
そうか、ルナ……とんでもない能力が開花したんだな!!

ご都合主義もいいところだが、よくやった! 最高のパートナーだ!

え? え? 私自身にも何がなんだかさっぱりいいいいい!!
ルナ――よく聞いてくれ。

お前は……相手の能力を、トレースすることが出来るんだ!


敵の能力は定かではないが……能力をお前自身が認識したとき、

その能力を奪うことが出来る!



さぁ――アイツの得体の知れない能力を、剥がしてやれ!

え、ええええええええええええ!?

ちょちょちょ……そんな大役任されても……!!



ううううううううう…………。

スティール!! 相手の理を崩してやるのです!!

ふふふ……そんなポッと出の能力で私を倒せるなんて、舐められたものですね。

今度こそ終わりですよ、君たち。長く辛い戦いでした。



――呪殺ゥゥゥ!!!

――――ガハッ!!

な、なんで……どうして……。

痛い、痛い、痛いぃいいいいいいいい!!

は、はは……見たか、得体の知れないバケモノめ!!

私、私……少しは、役に立ちましたか!?

――ありがとう、ルナ。

やっと私にも……見えてきた。

この世界にかかっていたモヤが、晴れたんだ。

もう私は迷わない!!

世界の夜明けは見えている――!!

アグレッシブ・フューチャー!!!

未来を脅かす化け物を――撃ち抜け!!!

ぎゃああああああああ!!!!

なんで、なんで、なんでえええええ!!

私は全てを知っている、全てを理解している、全てを超越している……!!

全てを、全てを、全てを……この世界の神様なのにいいいいいい!!

◇ ◇ ◇

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おお……あんたらか。疑ってすまなかった。

……あれからすっかり、世界は平和になったよ。

いえいえ、お安い御用ですよ。

――もう、私たちが居るかぎり、世界は安泰です。

そうよ! 私たちが世界を守るんだから!!
それで、今朝起こった畑荒らしの犯人なんじゃがな……。
待って、私は無実なのよ――!?
おしまい。

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そこまで!

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登場人物紹介


「世界の夜明けは見えている――!!」



未来を撃ち抜く少女

○七ツ星 フーマ(ななつぼし ふーま)

性別:女



西暦22000年の日本からやってきた転生人。

元の世界では魔人能力を人工的に植え付ける技術が完成しており、両親が望む能力を持って生まれる子供、通称『スーパーチルドレン』が国民の8割を占めていた。

彼女もその一人で、当然能力者である。


与えられたものは全ての正解が分かる慧眼。

フーマは一切の迷いなく天才少女として歩み続けた。

時には周囲の天才たちとの衝突もありがながら、

決して負けることなく、淡々と――。


そして17歳のとき、フーマは学校の屋上から飛び降りた。

自分のやってきたことのツマラナさと、

自分に与えられた罪の大きさに耐えきれず――この世を去った。

最後、その瞳に映ったものは、未来ではなく――知らない世界だった。


かくして、タイムスリップと異世界転生を同時に行った彼女は、

呪いの眼と付き合いながら、異世界の旅を始めることにした――。


その先に待っているのは、平和か、混沌か――。




能力名:未来慧眼

一番良い未来を得られる能力。

あらゆる場面においても正解が分かってしまう忌々しい力。

正しく使えば簡単に世界を変えられる強力な力だが、

本人はあまり良く思っていない。

目を閉じることで余計な情報を遮断できるが、

普通に暮らしていても慧眼は発動してしまう。


大魔法:アグレッシブ・フューチャー

フーマが覚悟を決めたときに発動する最終奥義。

時間の流れを遮断する結界を展開し、

標的を七本のレーザー光線で撃ち抜いてしまう。

まともに発動を許せば、圧倒的な手数で蹂躙されるだろう。



戦う動機:人助けのためなら、仕方なく。




イラスト:ゆうひな

作者:如月真琴



「ふふふ………ワタシを楽しませてくださいね^^」


【名前】

お狐様

※本名はひみつ~☆


【年齢】

その数字を知って生きていた者はいない。


【性別】

ロリロリビーストという種族なので(ry


【特殊能力(?)】

《全てを知る者》

特殊能力というよりは本人の技能に近い。

ありとあらゆる攻撃方法や特殊能力を熟知しており、それら全てを回避する術を知っているだけでなく実際に回避するだけの技能も持ち合わせる。

打撃や射撃や魔法は勿論、ダンゲロスの魔人やエブ○スタの転生者特有の特殊能力、環境によるダメージだけでなく俗に言う必中系の攻撃や特殊能力そのものを無効化させる類いのものだろうと関係なく逃れる事が出来るという無敗の極致。

対戦相手の手の内の把握だけでなく、あらゆる危機を回避する事を目的とした能力でもあるせいか、回避する為の速さや技能も健在である。

攻撃や回避、反応や思考や移動などの戦闘におけるあらゆる動作の速度が実質的に最高のものに達しており、アメコミ並のインフレ力を誇るエブリ○タ産の転生者の中でも「これ以上の速さは表現不可能」という名実もあるらしい。

ここまで来ると、もうこの力の影響は一種のギャグ補正にも近いものがある………


【呪術】

神霊の王みたいなものなので、この世のありとあらゆる呪い、怪異、都市伝説等に精通しており、それら全てを気紛れ且つ自由に引き起こして遊ぶのが趣味………というか数多くの死人を出しているためもはや趣味どころの話ではない。

自身が霊力の塊で構成されているという事もあって、その分呪いも凶悪無比な効果を見せており直接祟られれば神でもチート転生者だろうと逃れられぬ死が待っている。

最近では『とある遊び』を作って、その遊びの中でルールを破った者に生霊を送って呪い殺させる暇潰しをしているだとか………


【暗殺術】

体術から実銃の扱い、暗器の扱い、武器の扱いなどなど万能に使いこなす。

因みに本人の好みの問題で和風の武器を主体に使う。

しかも戦闘の祭はそれら全てが上記の速さと技術で四方八方から飛んでくるのだから厄介な事この上ない。


【設定】

キルミーでいうと、あぎりさんポジション(?)

アリス&ムーコンビとは仲間だが普段は自由気ままに別行動をしていて、面白いもの見たさに気分次第で遊びに来たり戦闘に便乗する形で参加する習性がある所謂お助け(?)キャラ。

いつも着物姿に帯刀しており、懐に暗器や銃を常備し、更には呪術道具をその日の気分で選んで持ち歩いている。

極一部を除いて自分以外の人物を全員『玩具』と認識して遊び倒すサディストさん。

その名の通り狐に近い外見をしているが常に霊体で行動しており、周りから怪しまれる事はない。

その9本の尻尾に包まれてくすぐられた者は苦痛と快楽に翻弄されて常人であればほんの数秒で昇天する。

戦闘の祭には暗殺術×呪術という殺意の高すぎる組み合わせの手段を用いて神速で殺しに掛かってくるので要注意。

更にアリスさんとタメ張れるレヴェルの悪食で呪い殺した相手を物理的に喰べてしまう癖がある。(特に(ハラワタ)が好きなのか最後に食べる)

とあるスマホアプリでは運営の分身だったり体力無限の記念撮影用のボスキャラとして登場したり挙げ句の果てには『創造神を撫でただけで捻り殺した』という伝説も語られている。

(このアプリが何かわかった人とは仲良くなれそうです)


【動機】

ロリ置いてけ なあ

百合作家だろ!! 百合作家だろう!?

百合作家だろ おまえ(薩摩風味)


【イラスト】

きゃらふと様


【作者】

ダンゲロス界の最弱王

能力☆ロリロリ楽園幻想

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