第三作 ドラゴン・タトゥーの少年

文字数 873文字

 「桜の朽木に虫の這うこと」シリーズの第三作。

 前作で万城目日和(まきめ ひより)を仲間に引き入れたウツロたち。

 ウツロは謎の少年・姫神壱騎(ひめがみ いっき)から真田龍子(さなだ りょうこ)を人質に取られ、彼と戦うことに。

 肉体に浮き出させた紋様によってさまざまな特殊効果を発揮するアルトラ「ドラゴン・ライド」に、ウツロは苦戦を強いられる。

 すんでのところで勝機を得た彼に、姫神壱騎は自身の真意を伝える。

 彼は岩手山の守護神「姫神」の宝剣を守る一族の末裔であり、殺し屋の手にかかって父・姫神龍聖(ひめがみ りゅうせい)を殺害されたうえ、その宝剣を奪われていたのだ。

 殺し屋の名は森花炉之介(もり かろのすけ)といい、ウツロの父・似嵐鏡月(にがらし きょうげつ)とはかつて「雪月花(せつげつか)」という殺し屋のトリオを組んでいた。

 そこで彼から情報を引き出そうと近づいたのだ。

 ウツロは複雑な気持ちになり、姫神壱騎のために森花炉之介の情報を探ることになる。

   *

 いっぽう龍影会元帥(りゅうえいかいげんすい)浅倉喜代蔵(あさくら きよぞう)は、総帥・刀隠影司(とがくし えいじ)の命で、来日していた森花炉之介をウツロたちのもとへけしかける。

 大気中の「ほこり」に脳内のイメージを投影して具現化するアルトラ「エンジェル・ダスト」の前に、ウツロたちは防戦一方となる。

 しかしここで、姫神龍聖とは無二の親友である剣神(けんしん)三千院静香(さんぜんいん しずか)が京都から現れる。

 彼は姫神壱騎と森花炉之介に、一対一の果し合いを提案する。

 父を殺害された憎しみにより、姫神壱騎はわれを忘れ、窮地に陥る。

 しかしウツロの「喝」によって自分を取り戻し、ついに森花炉之介を倒す。

 その場にいた一同は安堵するが、刀隠影司が星川皐月を同伴して乱入する。

 彼は実子である南柾樹(みなみ まさき)、そしてウツロたちを龍影会へ迎え入れると宣言する。

 総帥の圧倒的な強さやカリスマに、ウツロたちはなすすべもない。

 しかしここで、三千院静香が動く。

 彼と刀隠影司は不倶戴天のライバル同士だった。

 さすがの刀隠影司も、今回ばかりは水をあけることにする。

 南柾樹は父に宣戦布告をし、ウツロたちもそれに同意する。

 姫神壱騎も仲間に引き入れ、チーム・ウツロ VS 龍影会の戦いの幕は切って落とされた――

(「第四作 銀翼の堕天使」へ続く)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み